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かなぎは冷たい廊下をゆっくりと歩き
ながら本堂に向かった。
床は冷たく歩くたんびに両足が痛なくなった。
身震いすると、途中でトイレに行き、用を済ませる。
本堂につくとすでに若い僧たちが忙し
そうに準備をしていた。
僧の一人がかなぎを見て言う。
(おはようございます、住職・・・・・・)
かなぎは笑顔で言う。
(おはよう、たかしなさん、今日はずい
ぶんと冷え込むね・・・・・・)
その言葉を聞いたもう一人の僧が困っ
た顔をしながら言った。
(本当に寒いですね、住職、今日は初雪
が降りましたからね、私なんぞ正直朝
起きるのに大変でしたよ・・・・・)
それを聞いた僧たちはみんな笑顔で笑った。
かなぎは言う。
(そうだね、本当に寒いな、しかし、こ
れも修行のうち、まぁ、今日も頑張りましよう・・・・・・)
僧は笑顔で(はいっ)と言った。
そんななか一人の僧が住職の顔を見て
暗い顔をしていた。
かなぎはヨウの暗い顔を見ながら言う。
(ヨウさん、おはよう、なにか暗い顔を
しているね、悩みごとかな)
ヨウはハッとしながら割れに変える
とこの事を言おうか言うまいか迷っだが言うことにした。
(すみません、住職、実は今日の相談会
のことで、いえ、別に住職の悪口とか
ではなくて、その、あの・・・・・・)
かなぎはなるほどなと思いながら言った。
いや、大丈夫ですよ、ヨウさんが何を
言わんとしているのかはわかります、
じっさい、今日の相談会はうまくやれ
る自信はありませんからね、でも、私
はそれでもいいと思っています
よ・・・・・・)
ヨウと他の若い僧たちは驚いた。
ヨウは言う。
(それでもいいって、住職、何でなんで
すか・・・・・・)
かなぎ
(そうですね、私はまだまだ未熟者で
す、それに、誰でも初めからうまくい
く人はいないと思いますから、私は出
来なくても当たり前だと思っています
よ、私は出来ることしか逆立ちしても
できませんから・・・・・・)
と笑っていった。