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もう一人の秀長12

 大和から下忍が蝙蝠の文を届けてきた。高虎宛てだ。狗は受け取って中身を見ず高虎に渡した。あれから狗は若侍として高虎に仕えている。ここ半月朝鮮に行かず残っている城主と会っている。その間に和解の準備が進み引き上げが始まっている。
「弱った」
 文を置いて高虎が唸っている。
「下忍を待たせているのか?」
「もちろん」
「大和城で宿老達が武闘派と三成派に分かれて争っていると言うのだ。狗影武者に宿老達を集めて武闘派に従うと話させてもらえぬか?」
 高虎は家康に従うのだ。
「分かりました」
と答えて城下を出る。城下には狗の年寄りの茶屋がある。
「鼠と下忍は入ってくるのだ」
「大和で秀長殿は?」
「はい。あの小部屋で籠っています」
「どうだ。秀長殿を宿老達の前で話させることはできるか?」
「私が操ります」
 鼠が言う。
「よし、秀長殿に武闘派支持を話させるのだ」
「武闘派を支持すると家康を支持することになりますね?」
「そうだ。今は高虎殿が主だ。鼠はその後山の隠れ家に寄ってくれ?その時にこの笛を吹くのだ。そうしないと仕掛けにかかってしまう」
「狐に会うのですね?」
「薬草園を拡げるのだと伝えてくれ?」

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