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天下への階段8

 大坂に入ると長老のくノ一が接触してきた。裃を付けて大阪城の中に入る。まだ普請中だ。腰元に変わったくノ一は長い廊下を抜けて階段を登り天守閣に入る。そこには小姓が控えていてさらに奥に進む。
「狗久しぶりだ」
 秀吉の声だ。その前に侍と長老が座っている。
「こちらは秀長だ」
 秀吉の弟になる。面識はあったが部署が異なった。狗は頭を下げる。
「これからはすべて秀長を通すように」
と言うなり秀吉は立ち上がった。狗と長老は秀長の下座に座り直す。
「気楽にな。光秀を追っていると教えられたが?」
「家康の元にいます。今回の講和は光秀の案だと」
「世に死んだ光秀が立ちふさがるとはな?」
「それで黒田殿は?」
「しばらく徳川との交渉に専念される」
 そうではない。あまりにも軍師が係わり過ぎるのを秀吉が警戒したのだ。
「今回で秀吉殿は家康殿と取り込むことに決められた」
 やはり。
「だが狗には引き続き見張ってもらいたい。だが何かあれば豊臣と係わりのないものとして処分される。報告は私にのみ伝えてくれ。まず徳川の勢力を再調査してくれ」
 秀長との初対面の後長老と別の部屋に入る。
「現在秀吉殿の?」
「まず全体は秀長殿が。黒田殿は隠密の仕事が中心に。相談役として千利休殿が」
「手配で年寄りとくノ一はいくら回せる?」
「くノ一は2人、年寄りは3人です」
「では浜松の探索に回してくれ」

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