レッスン16 地獄への入口
一人、校長室で
校長は、あの時、教頭が机に叩き付けた
1枚の書類を見ながら
一人その時の教頭の言葉を思い出していた
校長はひっそりと呟いた
「あのバカ教師が、この約束を守れなかったら、あいつを首にする権利をくださいか・・」
書類には
「スティーブン先生が今年度の卒業までに、担任クラスの生徒を一人でも退学、不登校にした場合、スティーブン先生を首にする」
と書かれていた。
「あなたまでどこかにいなくなってどうするんですか・・・」
校長は、少し微笑みながら、遠い目をした。
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鍋島と教頭は、繁華街の裏路地を二人でひっそりと歩いていた。
教頭「やばいよ。。。。学校無断欠席してもう、1週間経ってんじゃん....教頭なのに・・・・絶対クビじゃん・・・・」
震える声でぼそぼそ呟いてる教頭に対し、鍋島は冷酷な表情で
鍋島「しょうがねえじゃん。あのバカ助けたいんだろ」
教頭「いや、そうだけど・・・学校通いながらでも、2束のわらじで出来たんじゃん?」
鍋島は、教頭から顔を背け、無言で遠くを見つめた。
教頭「おいいいい!絶対、それ俺無断欠席しなくても出来たパターンじゃん!!」
鍋島「いや・・・あの・・・立場的にあのバカと同じ教師の立場だと、あれじゃん。疑われんじゃん・・・今の方が、何も背負ってない分身軽じゃん。色々と」
相変わらず、鍋島は教頭の顔を見ない。
教頭「絶対今考えた言い訳だよね?人の顔見て話そう?ねえ?」
鍋島「俺、人見知り過ぎて、人の顔見て話せないんだ(棒読み)」
教頭「嘘つけーー!!!なんで(棒読み)ってセリフににじみ出てんの!?絶対、人見知りじゃないだろ!!てか、そもそも、お前が待ち合わせ場所と待ち合わせ時間指定して毎回寝坊してドタキャンすんのが悪いんだろ!!そのせいで仕事失って何も背負えなくなってるよ!!」
鍋島「・・・いや、待ち合わせ時間過ぎて来なかったらそのまま仕事場行けばいいじゃん(逆切れ)」
教頭「こいつ開き直りやがったよ!!(逆切れ)ってセリフににじみ出てるくらい開き直ってやがるわこいつ!!!」
鍋島「おい。黙れ、無断欠勤野郎。キーパーソンのおでましだ」
鍋島と教頭の前に黒いフードを被った男が現れた。
鍋島「おい!!情報屋!!スティーブンの情報教えやがれ!」
黒いフードを被った男は、奇妙な含み笑いをしながら、喋った。
「今のスティーブンの事を知るって事は、地獄に乗り込む気かい?」
教頭は、目を見開いた。
教頭「今のスティーブンは一体、どうなってんだ?地獄?」
鍋島「無断欠勤野郎!引くも地獄!進むも地獄!どちらも地獄ならあのバカを地獄まで行ってぶん殴るぞ!」
鍋島の強い一言に押されたのか
教頭は決意を固め、黒いフードの男に言った
教頭「あのバカを地獄までぶん殴りに行くので、情報屋さん教えてください。あのバカの情報を!」
黒いフードの男「くくく。スティーブンが今、居る場所は、変態ワンダーランド刑務所。警視総監の息子、白井のおもちゃ箱だよ」
教頭・鍋島「!!!!」
つづく