バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

光秀4

 2人の下忍を置いて蝙蝠を連れて坂本城下に入る。すぐに年寄りの繋ぎが付き料亭に入る。艶やかな芸子の狐が現れる。狗も商人の若旦那に化けている。蝙蝠は城に潜ってくノ一と繋ぎを取る。
「どうしてここに?」
「弾正の家老が明智の商いを受けた。これも弾正との約束だったようだわ」
「客を取るのか?」
「家老が取らせないわ」
「では家老が抱いている?」
「そういうわけね。まず報告をするわ。光秀は安土城の普請をして信長を迎え入れた。秀吉を差し置いて今は信長の機嫌を取り付けている。まるで別人のように見えるわ」
「果心が入ったのだ」
「それと揚羽が小姓に入っている」
「胡蝶は?」
「まだ見ないわ。それが京之助が師範代で入っている」
 宗矩の指示だ。
「秀吉殿から光秀の見張りを頼まれた」
「これでお金には心配ないね?」
「すでに相当な軍資金を貰った」
 久しぶりに狐を抱こうとしたら天井裏から鼠が落ちてきた。
「果心のお棺を見つけました」
「どこにある?」
「ここです」
「まさか?」
 狐が不思議な顔をしている。
「家老が果心のお棺を宝物と一緒にここに運んできたようです」
「まだ光秀の中に入っていません。どうも光秀とぶつかり合っているようです」
「そんなことあるの?」
「今夜また果心が光秀と会います見てください」

しおり