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陰謀3

 大規模な毛利の水軍が信長の水軍を破って本願寺に荷を運び入れた。まさに弾正の思うつぼだ。毛利が大坂に攻め込んでくると言うもっぱらな噂だ。弾正は信長にはばかることなく大和に兵を集め出した。表向けは本願寺との戦いのためと言うが、本願寺とは戦った様子はない。
 この時期が一番信長が四面楚歌の時だった。弾正の裏切りの時が近い。播州の報告を入てれて間もなく秀吉が出陣した。長老達は引き続き播州の調査を行う。京之助は元弾正の北伊賀の豪族の攻めに順慶と出ている。その陣に内密に順慶から呼び出しがあった。ここにもくノ一を入れている。
「おひさぶりです」
「播州では世話になっているな?」
「ここはな。厄介な土地柄なのだ。柘植は元々弾正側にいた。それが今は服部の息がかかっている。服部は徳川だ」
 京之助が係わっているようだ。
「困った話だ。今回の攻めはすべて読まれている。京之助とは言わないが、柳生の下忍がいてはな。北伊賀の服部と柳生は徳川で繋がっているからな。それで今回は内密で動いてもらいたい」
 今回は蝙蝠と鼠を連れてきている。
「引き揚げると言う噂を流した。京之助に先に1千を率いて退却を始めた。もちろんそこにいるのは私の影武者だ。私はこれから裏街道を1千を進める。狗にここの火薬蔵を爆破してもらいたい」
 どうも順慶も今回は京之助をだしに使うようだ.。京之助も難しい立場だ。今のところ柳生は服部の風下にいる。これにも宗矩が噛んでいるのだろう。
 狗は姿を消すと鼠と蝙蝠を連れてこの豪族の屋敷に潜む。豪族の兵が1千、服部からの兵が5百入っている。その中に柳生の兵もいるようだ。夜のうちに3人で火薬を蔵に仕込む。順慶はもう近くの森まで来ている。狗は蔵の横の木に登って狼煙を上げる。同時に爆発が起こる。

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