反逆5
揚羽からの繋ぎが狗に届いた。その前に鼠を揚羽のいる女郎屋に送った。どうして狗を消そうとしているのか?やはり得意の簪を使うのか?まさか弾正の忍者を潜ませるか?やはりくノ一の技を使うだろう。約束の刻限を過ぎて鼠のいる屋根裏に潜った。
「揚羽は?」
口だけを動かす。
「風呂に入った。そこで膣に何か塗り込んでいた」
塗り込んでいた?4人姉妹の長女は三好一族を毒殺している。その妹が毒を使えないことはない。お婆も毒使いだった。狗も狐もお婆の指導を受けたが、狗は解毒を学んだだけで毒は狐が得意だ。鼠は吹き矢で毒を使う。狗は鼠の前で解毒剤を飲んだ。
「この部屋の裏の川に舟が泊まっている。私が川に飛び込んだら舟を真っ直ぐ漕いでいくのだいいな?」
鼠が屋根裏を出て行っても狗はしばらく隙間から揚羽を見ている。半刻が過ぎた。さすがに揚羽の苛立ちが感じられる。揚羽は元々気性の激しい女なのだ。狗はゆっくりと天井から下りる。
「京に入る日が決まりました」
「誰から?」
「弾正の京の家老が私を抱きに来ます。でもお頭にも抱いてほしいのです。お頭の嫌いな簪は外しています」
確かに簪を外している。抱かない限り京に入る日を言わないつもりだ。いやまだ日は定まっていないはずだ。揚羽はもう全裸になって仰向けに足を拡げて寝ている。狗は素早く膣と尻の穴を探る。揚羽が笑ったようだ。臆病者と見られているのだ。突き立ったものを押し入れる。膣が締め付けて来る。
「伏見の鉄砲が運び込まれた日」
その声を聞いて同時に出した。立ち上がろうとしてよろめいた。やはり強烈な毒だ。どこに隠し持っていたのか短刀が背中に突き刺さったような気がした。だがほとんど同時に格子を突き破って川に飛び込んだ。川に落ちた直ぐ後その上を舟が通り過ぎる。