入学前の緊張
「お、お母さんの料理も好きだから！ あーこの炒飯も美味しそうだわ！ いただきます！」
そう言って食べ進める愛理。 それを見ていた楓はありがとうと言って、自身も食べ進める。 愛理と楓で楽しく談笑しながら食べていると、テレビで愛理が通う予定である星空学園のCMをやっていた。
「日本で最高峰の魔法学園の星空学園高等学校に皆さまも魔法を学びに来ませんか！ この学園であなたの未来の想像を！」
CMに出演していた男女一組の学園の生徒と思われる人が笑顔で話していた。 それを見た愛理は、ここに私通えるんだなと笑顔でいた。
「そんなに楽しみ？」
そう言われた愛理は、うんと笑顔で答えた。 すると、楓がリビングにある棚から先ほどテレビで見た制服を手渡してくれた。 紺のブレザーと紺のスカート制服で、女性でもネクタイをしている星空学園の制服であり、左胸に星空のごとく輝く星をイメージした小さなバッチを付けることとなっている。
その制服を見た愛理は、楓にありがとうと言うと喜んでもらえてよかったと笑っていた。 愛理は星空学園高等学校に本当に通えるのねと、実感が湧いてきていた。
「明後日から入学だし、今日はお祝いでこのプレゼントも買ってきたのよ！」
そう言い、楓は側に置いていた鞄からピンク色のシュシュを取り出して手渡す。
「戦闘訓練とかもあるでしょうから、髪を束ねるのに必要かと思って」
その言葉を聞いた愛理は嬉しいと言ってありがとうと楓に言う。
「これから大変だろうけど、自分の信じた道を進んでね！」
楓にありがとうと言って、シュシュを右腕に付けた。 ピンク色のシュシュは愛理に似合っており、大切にしようと愛理は決めた。
「お守りだと思って大切にするね！」
楓はありがとうと言って、愛理と共に笑いあっていた。 そして、奏と父親の帰ってきて、お姉ちゃん何笑っているのと奏に言われて秘密と返す愛理との楽しい幸せな空間で溢れていた。 そして翌日は安静に好きなことをして過ごしていた愛理は、その夜に明日から通う星空学園のことを考えていた。
「どんな学校生活を送れるんだろうなー。 どんな同級生がいて、どんな先生がいて、どんなふうに魔法を使えるようになるんだろう！」
胸の中が期待で溢れていると、考えすぎて寝てしまった。 カクンと音が出る程にスッと熟睡してしまったようである。 春休みが終わり、ついに星空学園高等学校への入学の日がやってきた。 愛理は早朝に目が覚めて制服に着替えていた。
紺色のブレザーとスカートを着て、自室の鏡で自身を見ていると、高校生になったんだなとの自覚が湧いてきていた。
「どんな入学式なんだろう……それにどんな友達が出来るのかなー」
愛理は期待に胸を躍らせながら、通学鞄に荷物を入れていた。 行く準備が整うと、楓が起きてきたようで愛理の部屋の物音が気になったのか部屋に入ってきた。
「こんなに朝早くから何してるの？」
目を擦りながら楓が愛理の部屋に入ると、既に起きていて制服を着ていた愛理を見て驚いていた。
「もう着替えていたの？ まだ時間あるのに早すぎるわよ」
クスクスと小さく笑う楓に愛理は、興奮しちゃって目が覚めちゃったと返した。 愛理は早朝のテレビ番組を見ながら楓が朝ごはんを作るのを待つことにした。
「どこのテレビ番組も入学式のことばかりだなー。 私の行く学校も出てるかなー」
そんなことを考えていると、朝ごはんだよと楓に呼ばれた。 愛理はその言葉を聞いて、今行くと答えた。 朝ごはんは目玉焼きと白米にウインナーだった。 愛理は美味しそうと目を輝かせると、目玉焼きから食べ始めた。
「美味しい！ ママありがとう！」
愛理は美味しいと言いながら朝食を食べ進めると、奏と正人が起きてきた。 奏はお姉ちゃん朝早いねと言い、正人はもう制服を着ているのかと驚いていた。
