1 それは運命だった
い、嫌だ、そんな運命嫌だ。
私は消えたくない。
生まれた時から私。
死ぬときも私。
それが普通なはず。
私はどうしたの?
どうしてなの?
震えてまっすぐに歩けない。
これから先も苦しむの?
酸欠で霞む視界に光を捉えた。
私は大きくなる光に向かって走り出した。
もうこれしか選択肢はなかったの。
私は衝撃に肺の中の空気を吐き出した。
空中に飛び上がった私は男性と目が合った。
でもすぐに地面に叩きつけられた。
霞む視界はもうほとんど見えない。
激痛が走り回る手足は動かない。
どうせ使わなくなるんだ。
助かったとしても私は消える。
ああ眠い。
もう疲れたよ。
もう休んでもいいよね?
私は眠気に身を委ねた。
ーーー***sideーーー
それは私に終わりを告げた。
これは運命だったの。
生まれた時からあなた?
死ぬときもあなた?
そんなのおかしい。
あなたには私がいるじゃない。
どこへ行くの?
そんなに震えて。
まっすぐ歩けてないじゃない。
どうしたの、急に走ったりして。
だめッッッ‼
ねえ、どうして。
どうしてそっちを選んだの。
あなたはトラックの前に飛び出したの?