19話 その2
突如現れたルルは上空に向けて叫び出した。
「その節はお世話になったな…!メルディア…グランデ、キリシュー…そして…えっと?ペタンコのブス!」
「貴様ぁあ!ペタンコのブスだと!なぜ妾だけ!絡むかな?あん?」
「あっ?貴様の名前…何だったっけ?」
「キーっ!!お、お前らも黙ってないで何とか言えよ!鬱憤発散したいでしょ?」
心細い創造の女神は、三馬鹿神に話を振った。
「……ガッシャン!」
「……ガッシャン!」
「…………ガッシャン!」
トゥートゥートゥー………
「な、な、!くっそぉぉ!念話を切りやがった…お前ら!!それでも神か!」
…逃げた!神が逃げるとは、神の威厳など微塵も感じない。
ガランディア軍の士気は地の底まで落ちた…。
「ふん!もういい!!ルナファナリールカよ!また、神々同士で争うするつもりか?」
「はっ?何だと?何…腑抜けた事吐かす?ペタンコ?」
「ペタンコ言うな!!何の大義名分があって争う?ほう?まさか~昔の負け惜しみか?ふふふ…それとも、たかがその人間の少年一人ごときの事で争う?神であろう立場の者が…聞いて呆れるねぇ…」
開き直る創造の女神…とにかく戦いは避けたいようで必死だった。
「たかが……ごとき…だと?…貴様ああぁぁぁ!!」
激怒して凄まじい覇気を放つルル姉の前に三国の兵達は武器を手にする事すら恐れて武器を離した。
「そ、そ、そうだよ!酷い難癖だよな!」
「昔の負け惜しみや人間一人殺そうとした事で、神争なんて……主神が認める訳ないわ!!」
「平和万歳!暴力反対!」
三馬鹿神…再び現れる!
「って!お前ら都合が良い時だけ現れるね…まじ!ムカつくわ!!!」
創造の女神は三馬鹿神に再登場にイラッとしてるような声だった。
「あらまあ~皆様!大事な事を忘れでますよ!あと…お返しです!キャハハハ」
ラズリックは楽しそうに笑いながら数百の神の業火をトゥルーガに撃ち放った。
焦ったドルゥーガは作り出した武器を全身に纏い防御したが耐え切れなかった。
「力の解放も無しでこれほどとは…くあっ!」
ラズリックは使徒であり…神だ、ドルゥガに劣るはずがない…。
凄まじい爆発による衝撃に、ガランディアの兵の半数以上吹き飛び、残りは怯えて逃げ始めた…。
最早戦争所じゃ無くなった…。
その攻撃を受けたドルゥーガは、身体の欠損が激しく満身創痍な姿だったが、すぐ再生した。
「あら?レイラ並みにしぶとい事…」
「おい!あれと一緒にするな!」
時と場所を選ばずレイラを揶揄うラズリックさん…。
「ラズリック貴様!妾の使徒を二度も襲うとは!禁忌行為で処罰を覚悟の上の狼藉か!」
「うふふ、ごめんなさいね!あのむっつり顔を見たらちょっと虫唾が走り…つい」
言葉で謝ってるが反省したり悪いと思う感じは微塵もない。
「その行為は、貴様の主人にも罪に問われるぞ?ラズリックよ?オホホホ!」
「そうだ!禁忌を犯した!処罰だ!」
「そうよ!主神よ!観てるでしょ?打ちかまして下さいよ!」
「有罪判決!死刑要望!」
テンション上がってノリノリの三馬鹿神…。
「ああ~怖いよん!許して~ラグレシアちゃんー!しかし、可笑しいですよね?…まだ聖魔戦争中なのになぜ攻撃してはならないですか?いつの間に終戦しましか?…ね!」
「!!!!!………ガッシャン!」
「!!!!!………ガッシャン!」
「…無罪放免…以上退席…ガッシャン!」
トゥートゥートゥートゥー………
「もう!お前ら永遠に出てくんなぁぁぁ!!はぁはぁ…何を言ってる?ん?……あれ?ひぃぃ!」
ルルを異界に飛ばしてせいで休戦も終戦も出来なかった状態で2000年以上の時間が流れてまだ交戦中の事を忘れていた四人の神…。
「さあ!続きを始めようか……レイラよ!力の解放を許可する!まず見せしめに奴の使徒を捻り潰せ!」
「はっ!銀の天翼…解放!」
白い翼が銀色に染まり大きく羽ばたくレイラの翼…。
ドルゥーガは飛んで来るレイラさんに対抗した。
「敵を刈り取れ!天兵よ!」
ドルゥーガが作り出した数千の武器は鎧の姿の兵になってレイラに斬りかかった。
「ふっ…天兵か…馬鹿馬鹿しい…天翼よ!翔け!アルクビエレ・ドライブ!」
レイラは一つの光線になり、数千の天兵を一瞬で蹂躙してドルゥーガの背後に立っていた。
「もっと足掻いて見るがいい!ドルゥガよ」
「………む」
天翼の超光速飛行、アルクビエレ・ドライブ
その凄まじい速度に対抗する手段が無いドルゥガはサンドバッグにされた。
「レイラちゃん!終わったら、お仕置きよー♪」
「な、なんでだよ!うん?あれ?……」
レイラの超光速飛行による衝撃波で、地上は巨大台風が過ぎて行ったような災害の後の状態…。
砂とホコリをかぶったルルとラズリックは笑ってレイラを見ていた。
「うわぁぁぁぁん!貴様のせいだ!貴様のせいだぁぁぁぁぁぁ!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す!後で私も……殺される……うわぁぁぁぁぁん!!」
超光速でドルゥーガを殴り続けた…そしでも気が済まないか爪で引っ掻いて、光速で連続目潰して、噛みついて噛み千切る……益々残酷になるレイラだった。
「ぅぅぁぁぁ……もう良いのよ…ドルゥーガ…帰還して…」
目も当てられない光景だった…。
創造の女神は可哀想なドルゥーガを創造の門を開けて呼び戻した。
「待ってました!ラグレシアちゃん!」
「ふふふ…力の解放を許可する!ラズリック…奴の聖地ゴト廃にせい」
「承りましたわ!せーの!廃にナァァレー♪♪♪終焉なる憤怒の業火!撃ちますーうっしゃぁぁぁーー!」
ドルゥーガの帰還と共に創造の門に投げられた真っ赤に燃える終焉なる憤怒の業火…。
ピッーカン!
一閃の光と共に広がる大爆発が彼女の聖地は呑まれ、燃え崩れ始まった。
「しまっ!…ああぁぁぁ!妾の聖地が!!!燃えて崩れて行くぅぅ!!!人ん地になんて事するんだぁぁ!!貴様はそれでも女神か!放火魔ヤロォォーーー!!!」
満身創痍のドルゥーガを背負い聖地から逃げ出すホームレスになった…創造の女神…。
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ホコリを払って身形を整うルル。
「三馬鹿は後でじっくり痛ぶってやるとしようか……」
レイラは青ざめた顔で見を震えて空から降りて来た。
「おー戻ったか…レイラよ!中々爽やかなそよ風じゃった…」
「はひ!主様!お許しを…お許しを……」
土下座して許しを請うレイラ…。
「……お主のその…目も当てられない…残酷な戦いぶりに免じ…許そう!」
「あ、主様ぁぁぁ!一生付いて行きます!うわぁぁぁぁん!」
「…うむ、頼りにしてるぞ(ぷっ!これだからこやつを揶揄うのやめられない…)」
全てラズリックの計略に動かされてる事をレイラはそれに気付かない…。
何処にも居なくて心配になった僕はバルトゥールを探しに行った。
「おーい!バルちゃん?どこ?気配は感じるが…うっ!う、ふ、む、む!」
「シーッ!お兄ちゃん!静かに!危ないよ!」
口を手で塞ぎ小さい声でささやくバルトゥール。
「一体どうしたバルちゃん?危ないってどういう事?」
戦いは一応、片がついた状態だ。
ても、この無敵凶器邪神バルトゥールが怯えて隠れてる!何かどんでもない事が起きてるかと心配になってきた。
「とても危険で…邪悪なやつがいる、あれは本当にやばいよ!お兄ちゃん!近づいたらダメ!」
邪悪??…邪神の口からその言葉を聞くと思わなかった!
「やっと解放されたのに…今度はあんなのが来るとは…」
邪神のバルちゃんが怯える相手って…邪悪な?……邪神の親玉でもいるのか?早く皆んなに知らせないと…。
「バルちゃん!そいつはどこにいる?」
ブルブル震えながらその危険な者に向けて指を差した。
そこに立って居るひとは、ラズリックさんと何か深刻な話をしている人物。
「ル、ル、ルナファナリールカ…あの禍々し女!こんなところに居るとは…早く逃げなきゃ…」
ん?…………おい!