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8話 その3

双子との相性はとても良かった。

前衛の僕と前衛のサポートと後衛の守りのイリヤは槍が得意だった。

今にも折れそうなボロい槍でここまで来れたのに納得が出来る程いい腕だった。

また、後衛は弓が得意なリリヤは遠距離の弓使いコボルトを牽制してくれて楽に倒せた

弓の腕も凄い…撃ち外れは見た事ない。

二人のお陰ですぐ地上に出れた。

「うーん!外の空気はうまいや!」

「もう日が暮れそうね」

「ギルドに行って換金して一緒に食事しない?」

イリヤから誘いは以外でだったが、これから一緒に潜る仲間になるから親睦を深めて損は無いと思い誘いを受け入れた。

「おー!坊主、よく無事に帰って来た!良かった良かった!あはは!あいつら疾風定時帰りする前に換金しておけよ!」

おじさんは僕の無事が嬉しいようだ。

でも何故か双子はおじさんを睨む…あっアレか回復薬…ごめんおじさん。

「ん?坊主、一人じゃなかったか?」

「イビルゲートの中で会って、これからパーティーを組む事になりました」

「そうか…一人で不安だったが、安心だな」

魔核や素材を換金するうちのパーティー!

チャラーン!金貨7枚と銀貨3枚!

「おいおい…坊主どれだけ倒した?」

「ゴブリン40体ぐらいとコボルト20体?オークは沢山いったので70体ぐらいです」

「まじかよ…ならその金額は納得だな!初デビューの三人だけで良くその数倒せたな…」

驚くおじさんに妹リリヤが詳しく話した。

「いいえ…ほぼシムラハルトさんが倒しましたよ…私達は助けられた挙句、サポートしかやってません」

……ちょっと照れる。

「坊主…やるな!人助けまで……よし!そこまで出来るなら正式登録してやる!」

「まじかよ!おじさん!ありがとう!」

「これで一人前の冒険者だ…はははは」

正式な冒険者と認められた僕は宿屋の食堂でお祝いをした。

「カンパーイ!」

水だけどな…。

「正式登録おめでとうシムラハルト!」

「おめでとうです!シムラハルトさん」

「ありがとう二人共!あとハルトと呼んでくれる?」

「ハルト?」

「ハルトさん?」

「うん、家名が志村で名前が晴人だよ!これから潜る仲間だから名前で呼んで欲しくってね…」

「わかったわ!ハルト」

「はい !ハルトさん」

僕は換金したお金袋を取り出した。

「そうだな…山分け山分け…僕金貨2枚と銀貨3枚あと二人で金貨5枚分けてね」

「いや…分配おかしいよ…私達と組む前のもあるでじゃん!」

「ですです!」

分配額に納得しない双子…いい子だ。

「明日から全力で潜るよ…でもイリヤとリリヤの装備では危険だよ」

二人のポロポロの装備では心配で連れて行けないと思った。

「……その見た目だけの装備は大丈夫なの?」

「お、お姉ちゃん!」

おぅ…厳しいツッコミ!これはいいんだよ!僕のアイデンティティだよ!

「うん…以外と、この装備中々いいよ?」

嘘付いてない!全く装備して無いように軽くて動きやすい!格好いいから気分上々効果もある!…頼むからこれ以上のツッコミは勘弁してくれ。

「そうなのか!んじゃ私達も明日買って見ようか…」

そう来たか…こいつ疑い深いくせに、仲間になった土壇すぐ信用しやがったよ!

「まあ…仲間に投資って事で受け取ってくれる?明日からバリバリやって貰うからね…」

っと僕の説得に納得してくれて双子は感謝の言葉を述べた

「分かったわ…ありがとう」

「ありがとうございます…ハルトさん」

「あと余計かも知らないが何故そこまで急ぐの?理由を聞いてもいいかな?」

イリヤは少し困ったような顔でリリヤを見た。

リリヤが頷きやっと事情を話してくれた。

「いいわ…後3日まで金貨100枚が必要なの…孤児院から私達を引き取った義父が…私達を奴隷商人に売ったのよ、借金返済でね…それを払えなかったら私達は借金奴隷になるわ…」

え?養子を売った?

「……そ、そんなの有りかよ?逃げれば?」

イリヤは腕輪を見せて話した。

「無理ね…奴隷商人から付けられたこれには追跡の魔法がかかってるし…無理に破壊したら…焼け死ぬようになってる…」

僕はこの世界の法律や仕組みが分からない…たが、この子達が奴隷になるのは嫌だ。

初めて出来た仲間…力になりたい。

「そうだったんだ…わかった!あと3日もあるしね…何とかなるだろ…」

「な…金貨100枚だよ!」

「いけるいける…あと二人は出来るだけ大きいバックを用意して欲しい」

「ん?構わないが…」

「よし!んじゃ明日の為に爆睡しますか!心配するなって…方法はある」

僕の自信満々態度に双子は何故か元気が出た見たいだ。

「ふふふ…何が、あんたとなら出来る気がしたわ」

「わ、私もですよ!」

「んじゃイリヤ、リリヤ!明日宜しくね!」

「うん!分かったわ」

「はい!頑張ります!」


僕達は其々の宿屋に戻った。

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「疲れたね…」

下着姿のままベットに飛び込むイリヤ…上下ピンク色だったスレンダーでしっかり引き締まった健康的な体だった。

お胸も豊満とまでは言えないがそこそこあった。

「お姉ちゃん…もう無茶したらダメだよ…」

「分かってるよ…気をつけるわ」

「本当かな…もう」

「今日は説教するの勘弁して…疲れて眠いのよ…」

心配で不満気なリリヤの顔で察するとイリヤは無茶常習犯のようだ。

「寝る前に体を洗わないと…」

「え……拭いてくださいー」

「はいはい…もうお姉ちゃん…面倒臭がり屋なんたから…」

面倒見が良さそうなリリヤは姉の体を丁寧に拭き始めた。

「しかし、ハルトって変な奴だな…」

「…とても優しい人だったよ」

「人が良さすぎるて言うか…アレは…どっかのボンボンだね…次はリリヤ背中向いて」

「うん…ありがとう お姉ちゃん…」

リリヤもいいボディーラインで柔らかくぷにぷにで女の子って感じの体だった

お胸は手に収まるキュートなサイズ

「家名もあるし…貴族か何かかな?ハルトさん…」

「…力を貸してくれるなら何者でも構わないわ…」

「お姉ちゃん…ごめんね…」

「リリヤが謝る事ないわよ…悪いのは親面してうちらを売り払ったあいつが悪いの」

「……私が孤児院生活に慣れてなくて…」

「よし!もう終わり!もう寝ましょう…明日から頑張らないとね」

「うん…」

双子も明日の為に眠りに入った。

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次の日朝になると彼女達は先にイビルゲートの前でハルトを待っていた。

イリヤは腕を組み足を地面にトントンと叩き怒りモード全開中だった。

「遅い、遅い、遅い……あいつ来ないんじゃない?」

「……そ、それは無いと思うけど…」

と言ったリリヤも少し不安な表情をした。
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約束の時間から一時程遅れた僕は全力でイビルゲートまで走った。

「ごめん!!!待たせてしまって」

良かった!待ってくれた!先に入ったかと思った。

「遅いよ!!来ないんじゃないかと思ったわ!」

「本当に来てくれて嬉しいです!」

イリヤは怒っていたが、がリリヤは凄く嬉しいように笑ってくれた。

うん、あの顔の前で寝坊したと言い辛い。

「まぁ…いいわ!ちゃんと来てくれたし、時間が勿体無いから早速行くわよ!」

イリヤは短気だが、後がない性格のようだ。

1~4階層は素通りし5階層に着いた。

「ここでこれから腕慣らしと下の階層で同じ事やるからしっかり覚えて欲しい」

「わかったわ」

「はい!」

僕達は移動しながら役割を決めた。

「役割は昨日と同じだが、イリヤはリリヤの護衛に集中してリリヤが遠距離サポートに変わるだけ…よし!ここが良さそう」

行き止まりに5ー6人が通るほの広さ…ここならいける。

「行き止まりだよ?これじゃ逃げられないよ?」

「ここでいいよ!リリヤは壁の方で待機!イリヤは護衛!頼んだよ!んじゃ始めるか…」

僕は走って魔物の群れに飛び込んだ。

「えー?ちょっと!なに?意味分からないわ」

しばらくしてから沢山のお客様が集まったから双子達の所に戻った。

「キタキタ!二人共!!構えて構えて!」

30体ほどのオークが僕を追って来る姿に双子達はパニックになった。

「ひぃーー!なにしてんのよ!あんた!!」

「は、ハルトさん!ああ!」

彼女達の前にまで到着した僕はオーク達に向かい戦い始めた。

狭い空間でオーク達は体が詰まって3体しか自由に動けない。

「なるほど…そいうことね!リリヤやるわよ!」

「うん!お姉ちゃん」

すぐ勘付いた双子は応戦した…双子は頭の回転が速い。

言わなくても僕のやりたい事を読み取りすぐサポートしてくれた。

僕が壁役とアタッカー、イリヤは抜け出たオークからリリヤを守りリリヤは弓で数を減らす…あっという間に30体を殲滅した。

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