貴族令嬢ですが・・・・・・
「さて、まず何から手掛けましょうか・・・・・・。まずは女神像を綺麗にしましょう。あのままだと失礼ですからね。」
1階に戻り私は改めて女神像を見た。
流石に修復は出来ないけど綺麗にする事は出来る。
とりあえず掃除用具を探す為に1階を探索する。
1階は礼拝堂になっていて奥には懺悔室とか食堂、厨房があった。
更に奥に行くと中庭がありその隅に物置小屋があった。
「だいぶ錆びてるわね・・・・・・、開くかしら?」
ガタガタという音共に物置の扉が開いた。
「う~ん、使えるのはバケツぐらいね。」
掃除用具らしき物は無かったが、バケツはあった。
「雑巾は部屋にあったカーテンを切り取って使いましょう。後は水だけど・・・・・・。」
井戸があるけど枯れているみたい。
一旦修道院の外に出て周りを見渡すと近くに川が流れているのを見つけた。
私は川に近づいて手ですくって飲んでみた。
「美味しいわ! コレだったら料理にも使えるわね。」
それに清らかな水が流れている、という事はこの辺りの土地は豊かである、という事。
畑を作れば作物は採れるだろう。
ちょっとだけ希望が見えてきて気持ちも明るくなった。
バケツに水を汲んで修道院に帰りカーテン破いて即席の雑巾にして早速女神像の清掃を始めた。
これがまぁ綺麗になる。
埃とか簡単に落ちてあっという間にピカピカになった。
ひょっとしたら、この水は特殊なのかもしれない。
夢中になって磨いてあっという間に女神像はピカピカになった。
「神よ、今まで放置をしていた事を許してください。これからはこの身を神に捧げ一生を尽くして参ります。」
私は女神像に膝まずき祈りを捧げた。
ぎゅるる・・・・・・~。
「・・・・・・体を動かしたらお腹が空くのは当然よね。」
そう言えば、追い出された日からまともに食事をしていなかった。
部屋に戻り荷物の中から保存食として持って来たパンを食べた。
「はぁ~、やっぱり体を動かした後の食事は美味しいわ。」
身も心も満たされた気分になった。「今日の所はもう寝ましょう。」
こうして私の修道女としての一日目は終わった。
疲れたけど、心は凄くワクワクしていた。
明日は何をやろうか、とか色々考えるとニヤニヤが止まらない。
貴族の頃は、色々規制があり窮屈な日々だった。
王妃教育をお城で受け家に帰れば自分の事は自分でしなければならない。 そう考えれば今の私は自由なのだ。
時間はたっぷりあるんだから好きな事をやって生きていこう。
そう決めた。