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物語の始まり

 大地が東西南北4つの大陸に分かれる世界。

 東の大陸は数多くの小国が独自に繁栄していた。
 他の大陸とは積極的に交流せず、その内情は謎に包まれている。

 南の大陸は殆どが小さな島で構成されている。それぞれの島に国があり、中でも1番大きな島の国が全てを取り仕切っており、南の連盟国とも呼ばれている。

 西の大陸には1つの大きな帝国が支配している。
 軍事力で大陸を支配した帝国は、他の大陸への進軍を密かに進めているとか。

 北の大陸は、土地の殆どが高い山脈が占め、少ない平地のほぼ全てを有する大国と残りと山脈に小国が存在していた。


 北の僻地に『ジルベルト』という小国がある。
 国には2人の姫がおり、姉姫はたいへん美しいと他の大陸でも有名だった。様々な国から引く手あまたであったが、王が彼女を溺愛しているため、その全てを断っていた。
 美しい姉姫。もちろん妹姫も美しいだろうといわれているが、彼女は公に殆ど顔を見せず、彼女の姿を見たものは殆どいない。

 北の大国『ルギウス』には2人の王子がいた。
 王位継承者である優しく文武両道な兄王子と、そんな彼を貶めようと謀った反逆の弟王子。
 国民の殆どは良き兄王子を支持し、悪しき弟王子を嫌っていた。


 闇夜に包まれるルギウスの街道。馬車が1台ガタガタと音をたてながら走る。
 馬車にはジルベルトの姫が、窓にもたれかかって眠っていた。
 街道はルギウスの城へと続いている。


 これはジルベルトの姫がルギウスに来たことから始まる物語。
 悪鬼と呼ばれた姫と反逆の王子のおとぎ話。

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