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帰って来た、魔法少女

 この物語はフィクションであり、なんら責任はもたない。
 この物語は、人類の存亡をかけた戦い「人類ゲーム」を仕掛ける魔法少女の夢を叶えるお話である。

 2018年。師匠も走る12月20日。
 ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。
「ああ~私の今年の目標が、まだ叶っていない!?」
 一人の女子高生、ゲームで遊ぶ暇もない渋井栞が叫んでいた。
「私、今年、何もしてなかった!?」
 そう思う人は年末に多いのではないだろう。
「よし! 諦めて、来年がんばろう!」
 人間、前向きが一番である。
「エルメス様、諦めたら、そこで終わりですよ。そんなことを言ってるから、夢が叶わないんですよ。」
「そうそう。夢は見るものではなく、叶えるものですよ。いいかげん、夢を叶えて下さいよ。」
 そこに人間の言葉を話す犬のケーリーと猫のバーキンが現れる。渋井栞=エルメスである。
「ケーリー!? バーキン!? あんた達、生きてたの!?」
「勝手に殺さないで下さい!?」
「いいですよね。エルメス様はちょこちょこ他の作品にも登場するから!?」
 ケーリーとバーキンは、渋井栞のペットであり家族である。
「私の夢。「魔法使いエルメス降臨祭2018」を渋谷のスクランブル交差点で華々しく行う予定だったのに、まだ叶っていない・・・悲しい。」
 書籍化どころか、アニメ化、エンターテイメントのメディアミックスされていない。悲しい。夢が叶うはずなかった。敗因は、1作を続けて書かないで、新しい作品を多数書いたこと。日常でもいいから、1作を書き続けていれば良かったと後悔。
「よし! 私の降臨祭を2020年の東京オリンピックイヤーに変更しよう! 私ってば、天才! キャハ!」
「ダメなエルメス様だ。」
「でも、それが我らがエルメス様。」
 いつでも前向きな1人と2匹であった。
「ああー! いいことを思いついた!」
「嫌な予感がする!?」
「エルメス様の思いつきで良かったためしがない。」
 ケーリーとバーキンは耳を塞いだ。
「過去の世界に行って、歴史を変えてしまえばいいのよ!」
「歴史を変えることは犯罪ですよ!?」
「わわわわわ、聞こえない。」
 ケーリーとバーキンは必死に抵抗する。
「今の私が永遠の16才だから、とりあえず怪獣ちゃんの年齢が一桁の9才の世界にタイムトリップしてみましょう。」
 栞は我が道を進む。
「あんたたちも行くわよ。」
「ええー!? なんで!?」
「やっぱり巻き込まれた!?」
 いつも1人と2匹は仲良しである。
「人類を滅亡させても、私の夢を叶えてみせる!」
 栞はどこからか魔法の杖を取り出す。魔法の杖の名前は、銀河系最強の魔法の杖、ギャラクシー・ロッド。
「9才の怪獣ちゃんがカワイイ世界へ行くぞ! 開け! 次元の入り口! エル・エル・エルメス!」
 次元の扉が開き、栞たちは次元の扉に吸い込まれる。ちなみに怪獣ちゃんとは、渋井栞の双子の妹、渋井谷子のことである。

つづく。

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