第13話:これはこれは
「あーお腹すいたー。なんでもいいから食べたいよー」
俺は愚痴を言いながら、モンスターを探して歩き回っていた。モンスターが全く見つからないまま、ただ時間が過ぎていく。
そして今、休憩するのに良さそうな洞窟を見つけた。中にモンスターが居ることを祈って俺は洞窟の中に入っていった‥‥‥。
洞窟の中はとても薄暗く恐怖心を煽ってくる。俺は【アイテムボックス】から光石を取り出して魔力を込めた。すると、光石が光って洞窟の中が明るくなった。あー、さっき捨てなくてよかった‥‥‥。
光石によって照らされた洞窟を俺は進んで行く。暫く洞窟内を歩いていたが、やがて一体のモンスターを見つけた。そのモンスターはーーゴブリンだった。
ゴブリンと言えば、エロファンタジーゲームーー18歳未満禁止ーーの主人公だ。別にエロファンタジーゲームの主人公というのは今の俺にはどうでもいい。今の俺に必要なのは『喰える』か『喰えない』か、ただそれだけだ。
俺を見つけたゴブリンは何かを叫んで洞窟の奥に逃げていった。
「
俺は折角見つけた獲物を逃すまいと追いかけた。そしてさっきのゴブリンと鉢合わせた。ただし、今度はさっきとは違う点が一つある。それは多数のゴブリンがいたことだ。
「
「「「
ゴブリンが話を終えた途端に襲って来た。俺は驚きつつもゴブリンを殴ってしまった。殴られたゴブリンは洞窟の壁にまで吹っ飛びグシャッと潰れた音をあげ、見るも無残な姿で死んだ。具体的に言うのはちょっと戸惑う死に様だった。
仲間の死を目の当たりにしてもゴブリン共は襲って来たので爪で切り裂いたり、貫いたり、殴ったり‥‥‥あと、尻尾で薙ぎ払ったりして倒していった。ゴブリンを倒すうちにだんだん楽しくなってきた。あーアドレナリンがドバドバ出ているのがわかる。
それにしても‥‥‥返り血ばっかりだけど、血を浴びるのは楽しいな。
ちょっとの間殺戮していたら、あれほど沢山いたゴブリンが『親分』と呼ばれていた奴を除いて全滅した。親分は逃げようとしたが、当然俺が逃すわけもなく爪に貫かれて呆気なく絶命した。
その後、俺は倒したゴブリンを食べた。結構野性味溢れる味だったが普通に食べれたので気にしなかった。
ゴブリンを食べている最中、脳内に機械的なアナウンスが響いた。
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称号:【殺戮者予備軍】が贈られました。
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称号を手に入れた。どんな効果があるのだろう?
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【殺戮者予備軍】
殺戮をする者に贈られる称号。悲鳴が聞こえても殺戮をやめない者。殺戮時、殺傷力が上がる。
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別に、ゴブリンを殺戮してもいいから気にする事ないな。