プロローグ:彼が誓った日
俺、サイゴ・スカーレットは幼い頃から左目が見えなかった。
その左目は白く染まり光は無かった、そのためか、俺は幼い頃から親に毛嫌いされ、友達なんて出来ず……捨てられた。
そんな俺でも、18の頃に仲間が出来た。
嬉しかった、仲間には本物の絆、友情が強く芽生えた。
そんな俺たちはそこそこ強いチームとして知られ周りからは[英雄]と呼ばれるようになった。
チームの役割としては。
俺はタンクとして全ての敵の攻撃を捌いてきた。
周りからは【前線の捌き屋】と言われたいた。
ソードマン俺たちにはリーダー的存在だった、彼は圧倒的に攻撃力で全てをなぎ倒し、優れた才能でチームの指揮をとっていた。
彼は【鬼の司令塔】と言われていた。
アーチャーはムドメーカーでとても明るい子だった、彼女は援護をしながら時にスキルキャンセルをやってのけた。
彼女は【スナイプの女神】と言われていた。
アサシンはクールでいつも冷静沈着が似合う男だった、圧倒的にヒット数でどんな敵にも状態異常を与えてきた。
彼は【ヒット屋】と言われていた。
ヒーラーは笑顔が眩しく可愛らしい子だった、どんな状態異常でも回復し、傷も直した、圧倒的な魔法で魔物を消し炭にしてきた。
彼女は【大賢者】と言われていた。
そんなある日、俺たちは王国の王と姫の命令で魔王へ挑むことになった。
英雄と言われていた俺たちは調子に乗っていた。どんな敵でも倒せると思っていた。
甘かった……俺たちは魔王に一瞬で敗北した。
アサシンは八つ裂きになり無残な姿に、ヒーラーは火だるまになり周囲は人肌が焦げた臭いが空間を支配した、アーチャーは串刺しになり息を引き取った。
一瞬にして3人の仲間が死んだ。
全滅をま逃れようと、俺とソードマンは大きな傷を負いながら夜遅くに王国へ帰還した。
ソードマンは腕が折れ、俺は全身深い傷を覆っていた。
助けてくれると思っていた王国で、ソードマンは殺された。
その姿は傷は治っていたが、心臓は動いてなかった。
死因は分からない……だが王国側の誰かがやったことは確かだった。
恐怖で俺は一人で逃げた、王国を出てただ遠くへ逃げた。
走り続けた俺は、疲労と傷の痛みで足がもつれ地面に潰れる。
目には涙を浮かべ、体は血まみれ、傷口はさらに痛み、後悔と屈辱で頭を埋め尽くされていく。
今まで味わったことのない感情だった。
仲間を失った悲しみ。俺が壊れる理由はこれだけで十分だった。
(殺してやる……魔王も王も……全部、全部俺が!!)
その瞬間、俺のずっと白く染まっていた左目が青く輝き始める。
『サイゴ・スカーレットはスキル名【神の眼を授かりし者】を取得した』
新たなスキルを手に入れた。左目は光りさらに強さを増し、俺の中で一つの可能性脳裏に浮かぶ。
【六つ目の塔を制覇し世界を地獄に染め尽くす俺の姿】
正気を取り戻しこの瞬間、俺の中にある一つの目的ができた。
(5つの塔を制覇し、この世界を壊す力を……)
そして、俺はまた走りはじめた。
五つの塔
小、中、上、勇者、魔王と言う名の塔がこの世に存在する。各塔は左から9階、49階、99階、100階、100階となっており。中にはダンジョンが無くすぐにボス戦となり、どちらかが死ぬまで閉じ込められ扉は開かない。
未だ全制覇者はほんの一握りと言われる塔だ。
(未来は見えた……あとは実行するだけだ)
俺はその場で立ち上がる、青く光った目はいつしか白く染まった目に戻っていた。
「いくぞ……五つの塔の攻略へ」
自分の目的の為に一歩踏み出す。
神の眼を持つ俺が、この世界の行方を見極め天罰を下してやる。