プロローグ
「やぁ、クリフ今日はいつもより早い出勤だね。」
後ろから聞こえて来た声に振り返るとカイルだった。彼は王立の貴族学園で同級生で友達だった。彼は今、クロアール王国騎士団の団員である。
「おはよう、まぁね今日は大事な例の儀式を行う日だからね。」
するとまた後ろから声をかけられる。
「おはよっ、いよいよ今日だね。」
振り返るとクレアだ彼女も王立の貴族学園の同級生で僕の友達である。彼女は宮廷魔術師になったばかりのはずだ。
。
「おはようクレア君も今日は早いね、どうしたの?」
「私も儀式に参加しなさいって言われたからよ。」
「そうなんだ、それはお疲れ様頑張ってね!」
「ありがとーじゃあ行ってくるね。」
今、謁見の間では勇者召喚の儀式が行われようとしている。500年に1度、魔王が復活するため召喚される勇者に魔王討伐の旅に出てもらうためだ。
その勇者召喚の儀式にはこの国の第三王女のソフィア様と宰相の娘リアナが立ち会っている。どんな人物が勇者として召喚されるのか興味があるためである。
なぜ二人が召喚される勇者に興味があるのかそれは僕に原因がある。僕はクリフ・ライトフェロー、ライトフェロー伯爵家の四男で二人の婚約者である。僕には一部の者達しか知らない秘密がある。それは僕は転生者だって事だ。この世界は異世界転生者が過去何人かいた。彼らは、この世界で様々な変化をもたらしてきた。
そして、転生者がいた国々に多くの利益をもたらしてきたため、転生者を国に留めておくため王族や貴族の子女との政略結婚で留めておく例が多々ある。僕の婚約もその一貫である。しかも転生するとき、神様から召喚される勇者のサポートを頼まれたのだ。
「そういえば、君の婚約者のソフィア様とリアナ殿も儀式に立ち会うんだったよね?」
「そうだよ、召喚されてくる勇者がどんなやつなのか見てみたいらしいよ。」
「召喚されてくる勇者は前世で君がいた世界の人間だからか?」
「うん、そう言う事みたい。」
カイルとクレアには僕が転生者であることは、話してある。二人は大切な友人であり信頼できる仲間だからだ。もちろん、僕が転生者であることは一部の者達にしか知られていないため、かたく口止めしてある。
転生者であることがしられれば命を狙われたり他国に目をつけられる恐れがあるからだ。
なぜ僕がこの世界に転生したのかそれは15年以上前にさかのぼる。