襲撃のプレデュード4
森は静かだった。
時折、吹く風が冷たく不気味だった。
ステックは、レギオスに背中を倒して休んでいると、不意に気配を感じた。
素早くレーザーガンを取ると、思わずその方向にレーザーガンを発射した。
すると、それに驚いた数引きのウサギたちが現れながら去って行く。
ステックは(なんだ)と思いながら安心すると、憔悴しきった顔を下げた。
そのうち天気が悪くなり、雨が落ちてきた。
クモの巣に一滴の雨が落ちると、
それは大雨になっていった。
ステックは(こんどはなんだ)と思いながら空を見上げた。
ステックは立ち上がると、空から降ってくるものを静かに見ていた。
やがて言う。
(なんだ、これは······もしかしてこれが雨、雨か······)
といって両手を見る。
(確かに水だ、そうか、これが雨なんだ)
火星育ちのステックには、はじめての感動した体験であった。
ステックが感動していると、雷がなり始めた。
ステックは驚きながら言う。
(な、なんだこれは······)
雷がステックの近くにたっていた大きな木に激突した。
木は、真っ二つに割れながら火を吹いて、ステックめがけて倒れてきた。
ステックは、間一髪でそれをかわすと、走って青いレギオスのコックピットに入った。
開けていたハッチを閉じると、数時間前の戦闘の記憶がよみがえった。
マリーンの乗っていたシャトルが大爆発をおこしているシーンが頭をよぎる。
ステックは悲しみのなか、マリーンから貰ったペンダントを出すと、開いた。
三角形の緑色のペンダントから3D のマリーンが現れた。
マリーンは言う。
(ステック、ありがとう、プロポーズ喜んでお受けします
あのね、この間、マルテイステイのショーウインドウで、素敵なウエデングトミレスを見つけたの
私、あれに決めます、今から予約しなくちゃ·······)
というメッセージが入っていた。
それを見たステックは絶望のどん底に落とされた。
そして、インビットへの恨みを募らせて疲れはてて眠ってしまった。
雨は青いレギオスと森にひたすら冷たい水を叩きつけていた。