113
僕は、視線を黒板に向けてノートにペンを向けた。
ツンツン。
誰かに突かれる。
僕は、視線をそちらに向けると、水谷さんが心配そうに僕の方を見ている。
「あ……
寝てしまった」
「寝たらダメって言ったのに……」
少し声が、怒っている。
そんな感じがした。
「ごめん」
「今度寝たら、起こしませんよ?」
「それは、少し困るな……」
この間、気付いたら次の日の朝だったこともあった。
それ以降、朝と放課後は、瞳に起こして貰っていた。
まぁ、その度に、瞳に怒鳴れていた。
でも、最近は水谷さんが起こしてくれる。
水谷さんの起こし方は優しく心地がいいので、起こして貰えなくなるのは少し切ない……