俺を敵に回したことを死ぬほど後悔させてやるよ
「お前、俺を敵に回してタダで済むとか思ってんのか!?」
俺は魔力を解放してヘルグラムを威圧する。
「ソウタこそ我を敵に回して無事でいられると考えているのか?」
なんだコイツ!?メッチャクチャむかつく!!
「死ぬのはテメェだよ」
「試してみるか?」
「殺してやるよ、魔王ちゃん」
俺はヘルグラムに襲いかかる。
「逃げろーッ!!」
幹部クラスの連中が声を上げて逃げ惑う。
それに釣られて他の魔族も逃げ惑う。
「死ねぇ――――――ッ!!!」
俺は出し惜しみ無しに最大魔法を発動する。
『
俺の全身から大地獄の炎と雷が召喚され渦巻く。
防御でもなんでもしてみやがれ。
まるごと吹っ飛ばしてやるぜ!
『
は!?
なんだその魔法?
そんな魔法、俺は知らないぞ。
まあ良い、全部ぶっ壊してやる。
あれ?
視界が真っ白だ。
あれ?体がおかしい。
感覚が狂う。
俺は見も知らぬ荒れ果てた大地にいた。
どうやら俺は空間転移魔法にかかったようだ。
しかし俺はそんな魔法にかかるようなレベルでは無い。
おかしい。
なぜ俺が空間魔法を喰らったのか。
なぜ。。。。。
!!!
そうかっ!!!
ヘルグラムは『埋込型魔法発動』と言っていた。
おそらく俺がヘルグラムに召喚された時か、あるいはその少し後に俺の身体に空間転移魔法の触媒となる魔道具を埋め込んでいたのだ。
魔道具の触媒があれば魔法の効果を増幅できる。
しかもそれが身体に埋め込まれて長い年月が経過しているほど効力は倍増するだろう。
だからヘルグラムは俺に対してあんなにも強気だったのだ。
もしも最近になって俺の身体に触媒を埋め込んだのなら空間転移魔法では無く俺の命を奪う魔法の触媒を埋め込んでいたはずだろう。
それにだいぶ前から俺の身体に触媒を埋め込むなんて不可能な実力に俺はなっていたのだから。
これから俺は触媒を摘出しなければならない。
しかし触媒は本質的に埋め込まれた者自身には摘出できないのだ。
だから他者に摘出を依頼しなければ。
魔族は無理だ。
今頃ヘルグラムが統一魔王として認知されだしているだろう。
俺が空間転移魔法にかかった事から、幹部クラスの連中もヘルグラムに対する忠誠心を一層強固にしたはずだ。
俺の味方は現状いない。
こうなればすべき事は一つ。
人間を仲間にするのだ。
なにしろ俺は、そもそも人間なのだ。
膨大な魔力を自由に操れるだけで、まだ人間なのだから。
そして能力のある人間を探し出し、俺の身体に埋め込まれた触媒を摘出する。
復讐はそれからだ。
こうなれば魔族を皆殺しにして人間の英雄にでもなるか。
魔族ってのはどいつもこいつもカンブリア紀の生物のようにグロテスクな奴等ばかりだ。
欲情なんてしようもない。
やっぱり俺は人間なんだから、人間の女が似合っているはずだ。
統一戦争が終結していなかった時期に俺は魔族の一体から求愛された。
そいつはイソギンチャクみたいな外見だったから断った。当然だけど。