太郎と賢太の四文字熟語な日常

【蛙鳴蟬噪】あめいせんそう

１. がやがやと、やかましくしゃべりたてること。
２. 内容のない文章や議論をあざけっていう語。



　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン
　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン

「太郎、暑いな」
『だな』
「セミが鳴いてるな」
『だな』

　ゲロッゲロッ、ゲゲゲッ、ケケケッ

「カエルが鳴いてるな」
『だな』

　ゲロッ、ゲゲゲッ、ケケケッ
　ゲロッ、ゲゲゲッ、ケケケッ

「種類なんだろな」
『殿様じゃね』

　クワックワッ、ゲッゲッゲッ
　クワックワッ、ゲッゲッゲッ

「違うの来たな」
『雨じゃね』
「あまがえるのことだな」
『ちげーよ、あめ』
「…… そうか、すまん」

　ククッ、ククッ、キャキャッ
　ククッ、ククッ、キャキャッ

「変わった鳴き声だな」
『ヒッキーな』
「ああ、ヒキガエルか」
『ちげーよ、ヒッキーだ』
「…… そうか、すまん」

　モォーモォー、ブモォーンブモォーン
　モォーモォー、ブモォーンブモォーン

「す、凄いの来たな」
『牛じゃん、賢太、なんも知らねーのな』

　ワンワン、ウーワン、ワンワン、ウーワン、
　ワンワン、ウーワン、ワンワン、ウーワン、

「犬が吠えてるな」
『ちげーよ、ネバタゴちゃん』
「えっ、誰？人？ 」
『ちげーよ、天然ものな』
「…… 天然」
『そう、ブラックリストな』
「レッドリストの事か？ 」
『そうとも言うな』

　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン
　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン

「暑いな」
『だな』
「セミが鳴いてるな」

　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン
　ジジジージジージージジジージジージージジジージジージー
　ツクツクホーシツクツクホーシ
　カナカナカナカナカナ
　シャーシャーシャーシャーシャー

『あぁ、なんだって？』

「セ(・)ミ(・)が(・)鳴(・)い(・)て(・)る(・)な(・)」

　ミンミンミンミンミンミーンミンミンミンミン
　ジジジージジージージジジージジージージジジージジージー
　ツクツクホーシツクツクホーシ
　カナカナカナカナカナ
　シャーシャーシャーシャーシャー

『なんだって？ 聞こえねぇーよ！
うるせーなセミ！ カエルに食われんぞ』

蛙や蝉が鳴き騒ぐという意味。意味のない口論、騒がしいだけの無駄な論議、内容に乏しい役に立たない文章などの喩え。

蛙鳴蝉噪の出典 蘇軾の詩