告白
俺は約16年間恋をすることはあった。告白したこともあった。
だけど、高校入って一か月。
俺は、まだ何も知らないクラスメイトの女の子に告白をされた。
ピコーン♪
『がちで恋愛対象。タイプだもん』
『え、うそ。どどどどどどどどうしよう』
ピコーン♪
『驚きすぎよ笑』
そりゃあ、驚く。そんなにかっこよくもなくて、取り柄もなくて、まだ高校入学して知り合って一か月しか経ってないのに告白されるなんて・・・
ピコーン♪
『うちと付き合ってくれない?』
そう言われたが、俺はまだあみのことが好きだった。
告白をする勇気がなくて保留のままだが、まだ好きだ。
だけど、告白をするにしてもラインでの告白は信用できなかった。
『ごめん。俺、ラインで言われても信用できないんだ』
ピコーン♪
『なら、機会があった時直接言うね』
李緒はそう言ってきた。
その機会がまたしてもすぐだった。
それは、ラインで告白されて早くも四日後の出来事だった。
クラスのメンバー数人で勉強会を開くことになった。
そこにはもちろん李緒がいた。
俺は告白されて李緒のことを意識していた。
見ていると李緒がどんな子なのかわかってきた。
李緒は女の子とも男の子とも仲良く接していた。さらに、サングラスをかけて笑いをとったり、勉強で疲れている女子を会話で盛り上げてくれたりと。
勉強会が終わり、みんなが解散した中俺は李緒に呼び止められた。
「あのさ、話があるの。ここだとみんながいるから場所移動しない?」
俺はそう言われ、自転車をこいで李緒の近所にあるデパートに入った。
来たのはデパートのプリ機。
「一緒に撮らない?」
と、言われお金を入れて中に入った。
李緒は入った後に荷物を置いて「どんちゃん」と俺に声をかけた。
「なに?」
「ラインでも言ったけど、うち、どんちゃんのことが好きです。付き合ってくれませんか?」
この場で「ごめん」なんて言えない。
俺も勇気を出して言った告白を保留され続けて、最終的にはフラれて嫌な思いをした。
自分はそんな思いをさせたくない。
「うん。いいよ。付き合おう」
俺と李緒は付き合うことになった。
プリは付き合い始めて1日目記念ということになった。
これであみへの気持ちも忘れることができる。
これからは李緒のことを好きになっていく。