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老紳士は店のおばさんに刺身定食を頼むとおばさんは笑顔で(はい、刺身定食ね)と言って奥に行った。


しばらくすとカオルたちが注文した海鮮丼が運ばれてきた。

カオルたちはおばさんに(ありがとうございます)と言うと、おばさん
は(ごゆっくりね)と笑顔で言うと、奥に行った。

カオルたちが楽しそうに話していると、老紳士は意識を集中させて
カオルにテレパシーを送った。

(ずいぶんと楽しそうだね、魔界女王サカキバラカオル
海鮮丼と言うのかね
なかなか美味しそうじゃないか)

カオルはそのテレパシーを聞いたとたん、心臓が止まるかと思った。
思わずはしを落としてしまった。

その異変にすぐにきずいたヨシキは驚きながらカオルに言う。

(おい、どうした、カオル、お前顔が蒼白だぞ、大丈夫か······)

カオルはぶるぶると震えながら全身に大汗をかいていた。

ヨシキはすぐにおばさんを呼び状況を話した。

すると、おばさんは心配しながら奥から枕を持ってきて言う。

(アンタ、大丈夫かい、とりあえず寝てな······)
と言ってくれた。

ヨシキは心配しながら言う。
(カオル大丈夫だ、すぐに救急車を呼ぶからな、今は安静にしてろ)

カオルは泣きそうになりながら言う。
(ヨシキ、本当にごめんね、気分が悪くてさ、せっかくここまで来たのに······)

そういいながらカオルはその場で崩れるように寝た。

寝ているとまた、声が聞こえる。

(おい、おい、どうした、魔界女王
ずいぶんと気分が悪そうだが、大丈夫かね
これではせっかく海に来た意味がないな)
という声を聞いた。声は笑っていた。

カオルは思った。
これは幻聴だ、私はどうやら病気になったんだ。

声は続く。
(おおっ、そうだ、これは失礼した
まだ私の名前を名乗ってなかったね、私の名前はサンジエルマン伯爵という。
魔界女王暗殺を任されている一人だ
いご、お見知りおきを······)

その時、怒り狂ったもうひとつの声がする
(サンジエルマン伯爵、どういうつもりだ
魔界女王の事は私に任せてもらおうか)
声の主は海岸を見ていたネルモアだった。

サンジエルマン伯爵が、魔界女王に近づいて、テレパシーを送ったことに気づき、怒り狂っていた。

カオルはそのテレパシーの声を聞くのに耐えていると、ネルモアは言う。
(魔界女王よ、我がなはイエズラ、
今回汝を討伐にはるばる、イギリスから来たものだ。
この程度の技で、まいるとはな
いくら覚醒しておらんと言っても全く私の敵にもならんな
もう少し歯応えがあると思ったが、お前などいつでも殺せる
それからサンジエルマン伯爵
テレパシーもここまでだ、
引け)

と強くサンジエルマン伯爵にネルモアは命じた。

すると、声は聴こえなくなっていた。

カオルは恐怖のあまり気絶してしまった。

それから30分もすると、救急車の退院が来て、カオルとヨシキをのせて病院に向かった。


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