02
アースロックは、ふとプッペの方を見ます。
「プッペさん!怪我はありませんか?」
アースロックは、そういって白い歯を見せました。
「……ないです」
プッペは少し引き気味にそういいました。
「それはなによりです!」
アースロックは、サマーの方を見ます。
「サマーくん。
君はいつもプッペさんと一緒にいるね!」
「そうかな?」
「君も立派なナイトだ!」
アースロックが白い歯を見せます。
アースロックは、顔もよく頭もよく財力もある。
そんなアースロックなのに残念なことがあります。
それは……
「プッペさん!今日のタマゴは美味しかったですか?」
「え?あ、はい」
「あのタマゴは、しゃも爺が丹精込めて育てたニワトリが産んだタマゴで!
さらにそのニワトリ餌になったのは甘くて美味しいトウモロコシなんだ。
そのトウモロコシを作った農園は、僕の叔父が経営しているんだ!」
「そ、そうなんだ」
「つまり君のお腹の中には僕の願いが入っているのさ」
アースロックは、魔力も高く剣術にも長けて魔剣に認められた数少ない選ばれた人間なのですが唯一欠点があります。
それは、根っからのストーカー気質だということです。
少し気持ち悪いですね。
「アースロックさん」
「なんでしょう!」
気持ち悪いと思うのですが、プッペはアースロックの無邪気な笑みに逆らうことはできません。
「ニワトリさんにありがとうと伝えてください」
「はい!」
アースロックは、嬉しそうに笑いました。
それはそれはもう嬉しそうでした。