ドレスアップ
「あ~ん。どれにしよ~」
ドレッサーの前に座り、真珠やダイヤなど宝石が散りばめられたいくつもの髪飾りを着けたり外したりしてわたしは悩んでいた。
クローゼットから出したドレスもまだベッドに広げっぱなしだ。
早くしないと間に合わない。
ネックレスや指輪も見なくちゃいけないのに。
「まだやってるのか」
ドアが開き、呆れた顔のパートナーが顔を出す。
「ねえ? どれが似合う?」
「バカかお前。全部バッグにぶち込め。さっさとしねえと旦那が帰ってくるぞ」
「わかってるわよ、もうっ。女心わかんない人ね」
わたしはドレッサーの前から立ち上がり、腹から血を流して倒れている女を跨ぐと金目の物を全部ボストンバッグに詰め込んだ。