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兄貴

  
  
 兄貴が死んだ。身内に迷惑をかけっぱなしの人生で、たぶん地獄に落ちるだろう。
 数日して伯父が死んだ。そのすぐ後に伯母が死に、兄貴の唯一の親友も死んだ。
 あまりに不自然な死の連鎖。次は誰なのか戦々恐々としていたら、父が死に母も死ぬ。
 これは兄貴の祟りなのか。
 確かに当然の報いだと兄貴の死にみな安堵し、喜びもした。だが我々が殺したわけでなく祟られる筋合いなどない。
 次は僕か。
 そう考えていたら兄貴が目の前に立った。
 手には大鎌を持っている。
 地獄行きを免れるために魂を集める契約をしたと笑う。
 死んでまでも身内に迷惑をかけるとは本当にひどい兄貴だ。

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