プロローグ
真っ暗な部屋
ゴミがそこらじゅうに散らかっている。
「はぁ、今回の新作ゲームも面白くない。」
テイムできるモンスターが二十種だけだし、
ストーリーはダメダメ、ゲーム性も悪いしどうなってんだよ。
なにが「MMORPG界のダークホース!!」だよ。
「テンション下がるわ。」
ぐぅぅ~とお腹が鳴る。
とりあえず腹減ったしコンビニ行くか。
ガチャッ
ドアを開けると冷たい風が吹いている。
「外の風が気持ちいい。」
はぁ、なんだよあのゲーム、そりゃ大体の職業は勇者、魔導師、賢者、確かに王道だよ? 伝説の剣で戦ったり、魔法撃ったり、回復させたり。
でもさ、テイムスキル持ってるキャラ作ろうよ、どんなモンスターも条件満たせばテイムできるみたいな。
そんな職業が欲しい。
てか明るいな、今何時だ?
ずっと家から出ずにゲームしてたせいで時間の感覚くるってるわ。
信号待ちのあいだに、時間を見ようとスマホをひらこうとしたとき。
前を向くとトラックが突っ込んできていた。
「は?」
ガシャン!!とトラックが俺にぶつかりそのまま近くの店に突っ込んだ、そのまま俺の身体全体の感覚は失われ、目の前がスッと暗くなった。
「おーい、起きたまえ」
誰かの声が聞こえる。
誰だ?聞いたことのない声だな
「んー、誰だ?」
そう言って目を見開くと一人の老人がいた
「わしか? わしは神じゃ、信じられんかも知れんがお主死んだぞ?」
「そうなんですか」
俺死んだのか。
まあトラックにぶつかったしそりゃ、当然といえば当然だな。
「意外に冷静だのぉ」
「まあ、しょうがないです」
「そうなんか? でのぉ、いきなりで悪いがお主転生してみんか?」
あれか最近のラノベとかでよく見るあの転生か!?そんなのやるに決まってる!
「転生ですか!? はいします!」
「おぉそうか、転生者にはマイスキルが与えられるのじゃがどうする?」
マイスキルか。そんなの考えるまでもない。一つしかないじゃないか!
俺がずっと欲しかったもの!!
「テイムスキルでお願いします!」
「テイムスキルか、転生先の世界にはあるぞ?」
「そのスキルの能力は?」
「えーっとのぉ、決まったモンスターの条件を満たせばテイムできる能力じゃ。」
「なら、どんなモンスターでも条件を満たせばテイムできる能力にしてください。」
「なるほど、ではそれに加え神眼を与えるとしようかのぉ。」
神眼?なんだそれ
「神眼とは?」
「神眼はな、モンスターや人のスキル、ステータスを見ることができるものじゃ、テイム条件も見ることができるぞ。」
「おぉ、それはありがたい。」
「では、全ての準備が整った、好きなタイミングで扉をでたまえ。」
転生か、前の世界ではゲームばかりやってるニートだったけど、次はもっと楽しい生活ができますように!!
俺は、勢いよく扉をでた。