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 ――数日後・喫茶スペース

「んー」

 プレゲトンが、首を唸らせて悩んでいる。

「プレさんどうしたの?」

 そんなプレゲトンを見かけてボクが声をかけた。

「亜金のことなんだけど……
 人間の世界も見るべきだと思うの。
 亜金も何か思い出すかもしれないし。
 亜金を知っている人もいるかもしれない」

「そうだね、僕だけでは心もとないよね」

 ボクはゆっくりと目を閉じた。

「そういうわけじゃないのよねー」

 プレゲトンが小さく唸る。

「とりあえずパフェを食べに行きませんか?」

 タナトスが、コーヒーを持って現れる。

「パフェ?」

 ボクが、首をかしげる。

「はい。マクベスバーガーのパフェです」

 ボクは思った。
 どうしてバーガーショップでパフェを食べるのか……

「安くて美味しいマクベスバーガー。
 パフェも美味しく赤ちゃんおめめまんまるー」

 タナトスが嬉しそうに歌い出す。
 ボクにはいまいちタナトスという女の子のことがわからない。
 見た目はクールでおとなしそうなイメージなのだが。
 話すとお茶目な部分もある。
 ユニークな女の子。
 しかし、そこに表情はない。
 でも、なんとなく感情はわかる。
 そんな感じ……

「じゃ、亜金も誘ってパフェに行くわよ!」

 するとレテがじっと3人の方を見ている。

「レテちゃんも行こう?」

 タナトスがレテを誘う。
 レテが小さく尋ねる。

「レテも行っていいの?」

「なにって言っているの?
 むしろくるのよ?」

 プレゲトンが腰に手を当てて頬をふくらませる。

「わーい」

 レテが嬉しそうに笑う。

「じゃ、その軍資金は俺が出してやろう」

 ジョーカーが現れてお札を数枚、ボクに渡した。

「え?いいの?ジョーカー男前!」

 プレゲトンが笑う。

「ああ、亜金は大切な仲間だからな。
 アイツもなにか背負っているはずだからな。
 なのになにを背負っていいかわからない……そんな状態だ。
 それに俺はアイツのこと気に入っているんだ」

 ジョーカーが小さく笑った。

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