第二話「初めてのDEATH! それでも私達は迷宮の果てを目指す。」①
名前:ろぜ・ぶらっくふぃーる
年齢:??歳
クラス:鬼士
レベル:10
最大 HP:103
最大 MP:20
攻撃力 :51+38
防御力 :72+30
魔法力 :10
魔法防御:48+30
敏捷性 :60+20
運 :40
武器:デュアルダガー+18 AT+38 AG+20
防具:メイド服+20 DF+30 MDF+30
魔法:なし
スキル:近接戦闘 10
対魔結界 8
鬼士の構え 13
咆哮 5
突撃 7
備考:つよき、たぶんツンデレ。
胸のサイズは秘密にしといてあげよう。
角はまだ生えてない……だって、ようじょだもの。
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……自分のパラメーターを確認してみた。
初めて見るので、弱いのか強いのか良く解らない。
どこぞの馬鹿が適当に設定したくさい。
備考欄のコメントはなに? 好きでようじょボディなんかやってないんですけどー!
何かすごくやっつけ臭がするのは気のせい?
……人をなんだと小一時間……。
どうでもいいけど、メイド服+20ってなんだ? ばっかじゃないの! あいつ。
他にも固有スキルなんかもあるみたいだけど、レベル上げないと使えないらしい。
一応、私……迷宮守護者の一人のはずなんだけど、なんか強い気が全然しない。
マスター、無能……それも激しく。
やっぱダニオで十分っ! けど可哀想だから、ダニオ博士とか呼んでやろう。
一応、あんなのでも私のマスター様だ……と言うか、アイツの名前……考えてみればよく知らない。
まぁ、どうでもいいや。
チビちゃん達とくらべてみると、圧倒的に強いと言うのが数値的にもよく解る。
魔法は使えない直接戦闘型……武器はダガー二刀流……悪くないね。
敏捷が比較的高い様子から、打撃よりも機動力重視タイプのようだった。
いずれにせよ……私は、彼女達の守護者として、あの馬鹿の作った大迷宮に挑む。
各階層の守護者達は私の仲間のようなものなのだけど……新参の私には関係ない。
長い戦いになるかもしれないが……これより任務を……遂行するっ!
「よし……二人共、私のマスターと相談の結果。
私は君達の守護者として、共に迷宮攻略を目指すことになった。
……こう見えても、私は鬼士だからな。
君達よりは強い……どうだ?」
振り返って、私は二人にそう告げた。
「……ロゼ様……わたし達のお手伝いをしていただけるのですか?」
「まじ? まじ? ロゼおねーさん、ホントにっ!」
「鬼士に二言はない……こうなったら、やれるところまでやってやるさ。」
私がそう言うと、二人共、顔をクシャクシャにして、私に抱きついてくる。
やれやれ……人食い鬼の眷属の私にこうも無防備とは……。
けれども、私も不思議と悪い気分じゃなかった……仲間とか友達とか。
うん、いいじゃないか……やってやる。
待ってろダニオ! ……私がお前を倒すっ!
……じゃないのか。
それが目的なら、五秒で終わるのに。
そんな訳で、私とリアン、ルーシュの三人パーティでの迷宮攻略大冒険が始まった。
……皆、幼女だけど。
まずは……第一層の攻略。
ダニオ博士によるとチュートリアルステージで、守護者もゴブリンファイターが一体だけ。
そう聞いていた。
「てりゃあっ!」
リアンのハンマーがミニゴーレムを粉砕する!
「アイスニードルっ!」
ルーシュのアイスニードルがスライムに突き刺さると、たちまち凍りついて粉々になる。
……初めての戦闘は、私が手を出すまでもなく終わった。
二人共……思ったよりはスジは悪くなかった。
どうも、リアンが前衛兼回復役、ルーシュが後方支援&火力役……そんな感じらしい。
ヒーラーは割りと攻防のバランスがいいのだけど……。
ダニオの作ったモンスターの基本攻撃アルゴリズムはどうもヒーラーの回復魔法に反応し、最優先で落とすようになっているようで……。
私が何もしないと、リアンがまっさきに狙われる……理には適ってはいるのだけど、エゲツない。
さすが、ダニオ……ダニオ汚い。
とりあえず、リアンは回復や攻撃よりも守りを固めて、とにかく生き延びることを優先とする……これを基本方針にさせたいと思う。
ルーシュの方は……近接戦闘とかは最初から捨てて、火力特化で良いと思う。
私は……まぁ、所謂ガード役かなー。
他の二人よりも、明らかに接近戦に強いし、所持スキルの「咆哮」とか「鬼士の構え」とかは、使うだけでモンスターがこちらを優先的に標的にする……所謂ヘイトアップのスキルだった。
基本戦術としては、私が盾役としてモンスターの矢面に立ちヘイトを集めて、リアンが回復、ルーシュが火力支援。
……とするのが、理想だけど……当面はリアンには回復役の立ち回りを覚えてもらうことを優先。
ルーシュは……まぁ、ささやかな火力や魔法による各種支援を充実させてもらおう……とにかく、レベルアップ! レベルが上がれば弱っちい二人も少しはましになる。
……ひとまず、気持ち程度のレベルアップと、自分達の特性を掴んだとこで、さっさと次に行こうという事になった。
第一守護者のゴブリンファイターとか、私がゴリ押しすれば勝てるっしょ!
と思ってたんだけど……早速、ここで計算違いが生じた。
「リアーンッ!」
ゴブリンファイターと鍔迫り合いを繰り広げる私の背後で、ルーシュが叫び声をあげる。
振り返ると、後頭部から矢を生やしたリアンがぱったりと倒れるところだった。
矢の飛んできた方向には、弓矢を構えたゴブリンアーチャー。
「ちょっ! ……ゴブリンアーチャーがセットとか聞いてないし!」
話が違うし、前衛でヘイトアップスキルを併用してた私を無視して、回復役のリアンを狙う辺りエゲツなかった……。
慌てて、ファイターを力技で切り捨てて、背後のアーチャーの方へ向かうと、不意に足元の地面が無くなった。
「お、落とし穴ぁああああ? っきゃあああああっ!」
……しばしの浮遊感のあと、ブラックアウト。
私の初めては……落とし穴ダイブ死……HPもレベルも関係なかった。
結構痛いし、超怖かった……ダニオ……てめぇ、覚えてろよ。