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ルール


「ってことなんだけど………マキオ、どう?わかる?」

とんでもない話だった。

バニラは、軽食のサンドイッチを用意してくれて、
食べながらこの「シュラ」の話を聞かせてもらっていたが、
二口目から、ノドを通らない。
話の内容の処理に、理解と感情がついていかなかった。

目が点になっていると、マキオの後ろに、
なぜかマンガのように、顔を腫らしたカイトが戻って来ていた。

「バニラ、あんま細かく説明しすぎると、混乱しちゃうだろ?
 ダークネスな話なんだから。
 こういうのは簡単に説明した方がいいんだよ」



カイトはマキオの隣に座る。
バニラは、カイトの腫れた顔など、どうでもいいのか、
何も言わずに無表情なままだ。

カイトはマキオのサンドイッチを食べながら、
説明しだした。

「俺たちの周りは、敵だらけ。

 敵の種類は

 犯罪者 (賞金首ポイントがもらえる & なわばり争い)
 傭兵 (日本の被害者などが、復讐のため雇っている)
 キラーマシン (ネットで遠隔操作されている)
 生物兵器 (戦争兵器の実験台) 

 こいつらが、俺たちの命を狙ってる。
 理由は、俺たちが犯罪者だから。
 殺した方がいいってわけ。

 んで、どうせ殺すなら、利用しようってことで、

 犯罪者同士、殺し合いをさせたり
 傭兵に追わせたり、
 ロボットを使ったゲームに、生きた敵として登場させたり、
 実験台に使ったり。

 しかも、その様子を「デス・ゲームショー」として、全世界に配信。
 小さな高性能虫型カメラを、何億匹も使ってね。

 だから、俺たちは殺されないために、仲間を作って生き抜くぜっ、て話だ。

 簡単だろ?」

「えっと……簡単にはなったけど…………マジで?」

「マジで」

「えっマジで?」

「おお、マジで」

マキオはやっぱり、何を考えたらいいのか、わからなくなった。
カイトが説明を終えると、マキオのサンドイッチは無くなっていた。

「説明おわり!もう夕方だ、
 そんな話より、今夜はパーティーだぜ?
 さぁ、辛気臭い顔してないで、シャワーでも浴びてさっぱりしてこよーぜ!
 いくぞ!
 じゃーなバニラ、後でな!」

カイトは肩を組んで、無理やり連れて行く。
マキオは引っ張られながら、

「あっ…バニラ、ありがとう」

バニラは、机の上を片付けながら、何も言わず無表情なまま、軽く手を上げてくれた。

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