彼の温かみ
「…かわいい。」
「知ってる。」
そんな会話をしながら彼と過ごす日々。
彼はそんな偉そうな私の言葉にも、怒らずに笑ってくれる。
その優しさが、私が彼を好く理由の一つであった。
「よし、元気パワー注入完了っと!行ってくるね。」
「元気パワーってなによ、それ。…行ってらっしゃい。」
少し名残惜しいが、我慢するとしよう。
仕事に行ってしまう彼の背中を見送って、私は溜息を吐いた。
まだ私の頭に残る彼の温かみ。
これで数時間我慢して、帰ってきたら目一杯甘えてやろう。
もう楽しみになってしまっている自分に少し呆れながらも、やっぱり楽しみだ。
ルンルン気分でソファーに座り、数時間後に帰ってくる彼の事を想いながら、テレビをダラダラと見るのであった。