魔女喰い (始まり)
この事件が起きてから2週間が過ぎ、今回で5人目の犠牲者だ。
若くて美しい女性がベッドに寝た状態で、両手は胸の前で合わさり横たわって死んでいた。
大きな外傷がなく、合わさった手の上にバラの花が一輪置かれていた。
自殺か他殺か事故死なのか誰もがわからなかった。
誰が名づけたか不明だがこの事件は「魔女喰い事件」と言う名目で内々に捜査が進んでいた。
ただ、明らかにわかっていることが一つだけあった。
この事件が発生した死亡推定時刻には、必ず同一人物が接触しているという事実である。
どの事件においても、マンションの防犯カメラからに一緒にマンションへ入っていく一人の人物がいる。
長髪のその女性は、死亡推定時刻が過ぎた後に一人でマンションから出て行くことを全ての防犯カメラで確認が取れていた。
その女性を重要参考人として人物の特定に急いでいるが、健闘むなしく特定することが出来ずにいた。
この事件はこれで終わりではないのだろう。これが始まりなのかもしれない・・・