第41話 いきなり決勝戦
ローランドさんと意識合わせを終え、いざ魔法訓練場へ。
ここは、周囲が観客席で囲まれているんだけど、魔法の力で守られているので、攻撃魔法を使っても大丈夫らしい。
ただ魔法の力って言われても、私には何も見えないのでわからないんだけどね。
いわゆる結界とか、そういう感じなのかな?
端の方で様子を伺っていると、続々と生徒たちが観客席へ座っていく。
「そういえば、何か作戦とかってあるんですか?」
「ん? いや、特にないよ。強いていうなら、互いの魔法が当たらないように、近くに居よう……ってくらいかな」
あー、ゲームでは敵を選択すれば敵だけに攻撃魔法が向くけど、実際はそうじゃないよね。
攻撃魔法で味方を倒しちゃったりしたら笑えないし、二年生になってダンジョンに入った時にも同じ事が言えるから、その練習だと思って頑張ろう。
そんな事を考えていると、スピーカー? みたいな感じで大きな声が聞こえてきて、選手入場とかって言っている。
どうやら順番に名前が呼ばれるらしいんだけど、最初に呼ばれたのが、
「一年一組ケヴィン王子と近衛騎士ペア」
ケヴィン王子だった。
思いっきり近衛騎士って言っちゃっているけど、大丈夫なの!?
いやまぁ、よく考えたら王子だし、護衛が居ない方が変か。
「続いて、一年一組ケヴィン王子様の近衛騎士ペア」
また近衛騎士なの!?
要は近衛騎士同士でペアを組んでいるっていう事なんだろうけど、これは良いの!?
絶対にケヴィン王子が有利となるように動くよねっ!?
実質四人チームだよねっ!?
私たちは優勝とかを狙ってないから構わないけど、本気で優勝を目指しているチームは怒りそうよね。
「お次は、生徒会副会長率いる、生徒会ペア! 美人で有名な副会長メリッサと、お供の会計……あ、お供とか嘘です。謝るので予算は減らさないでっ!」
へぇー。司会の人が美人で有名って言うだけあって、副会長さんは凄く綺麗……なんだけど、えーっと、何だか凄く怒ってる?
「あの、ローランドさん。メリッサさんが、物凄くこっちを睨んで居るんですけど、何かやっちゃったんですか?」
「え? いや、何もしてないと思うけど? 昼休みはちゃんと生徒会に顔を出しているし、会議で決まった事案の承認もしたんだけどね」
「……あれ? 昼休みって言いましたけど、生徒会の活動ってお昼だけなんですか?」
「いや、放課後も集まっているけど、別に僕が居なくても、メリッサが優秀だから、彼女が居れば大丈夫だよ」
えーっと、もしかしてそれが原因じゃないかなー?
ローランドさん、私が学校を休んだ時を除いて、常に菜園クラブで会っているんですけど。
放課後も生徒会に来いって言っているんだと思いますよ?
……ただ、どういう訳か、メリッサさんの怒りの視線が、ローランドさんじゃなくて、私に向けられているような気がするのは、気のせいよね?
そんな事を考えている内に、出場ペアの紹介がどんどん進んでいき、最後の一組……つまり私たちとなる。
「最後は生徒会から最強の……じゃなくて、菜園クラブ? あれ? 生徒会長……まぁいいか。えー、改めまして、最後は菜園クラブから、最強の生徒ローランドと、一年二組のルーシーさんでーす!」
「よし、ルーシー。行こうか」
「は、はい……って、ローランドさん。最強の生徒って紹介されていましたけど?」
私の問いを愛想笑いで流したローランドさんが、私の手を取り、ずんずんステージへ上がって行く。
ふぅ……とりあえず、やるだけやってみますか。