幸せになりたかっただけ
「幸せになりたかっただけなのよ、まさか、彼が、自殺するなんて」
「確かに婚姻届を偽装したのは犯罪だとは思うけど、私と彼なら、きっと幸せな家庭を作れると思ってたのよ」
「そうよ、彼を不幸にするつもりなんてなかった。知らなかったのよ、もう彼に結婚を前提に付き合っている女がいて、その女と婚姻届けを出すなんて・・・」
「そりゃ、驚くでしょうね、結婚しようとしたら、もう他の女と籍に入ってたら」
「でも、相手の女が、これはどういうことと彼を強く責めたから、彼は自殺したんでしょ。私より、彼を信じずに責めた相手の女が悪いんじゃないの?」
「私は幸せになりたかっただけで、悪くないわ。私が罪に問われるのは、
有印私文書偽造罪ってやつだけでしょ、彼の自殺の責任は相手の女だけでしょ」