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俺を死なせろ

「おい、俺を死なせろ」
「なんで? せっかく蘇ったんだから、素直に喜びなさい」
「喜べるか、こんな腐りかけの肉体、外を歩けば、悲鳴が上がる。いくら日本でも、アメリカみたいに警官が躊躇なく拳銃で俺を撃つだろうさ」
「なによ、せっかく死んでたのを蘇らせてあげたのに、私に感謝してくれないの?」
「うっせぇ、蘇らせても、俺を奴隷のように使うつもりだろ」
「当然じゃない、ブードゥーのゾンビってのは本来、使用人としてこき使うものだもの」
「だから、俺を死なせろと言ってる」
「あらあら、この私に散々貢がせておいて、自分は、あの世にとんずらするつもり? そんなことこの私が許すと思って?」
「生前、お前にひどいことをしたのは悪かった、謝るから、静かに眠らせてくれよ」
「死んでから、素直になっても、遅いの。分かる?」




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