第二十四話 「野良猫」
身構えるしゃらくの前に、全身に黒々と輝く
「グフフフ。
「いや、そう来なくちゃ盛り上がらねェ。野良猫ナメんなよ」
ヒュッ!! そう言うと、しゃらくがビルサに向かって
「かってェなァ」
しゃらくが自分の爪を見ると、爪が少し欠けている。
「
そう言いながら、ビルサが自らの鎧をコンコンと叩く。
「へっ! 言ってろよ!」
そう言うと、しゃらくが自分の爪同士をガシガシとぶつけ出す。それをビルサが首を
「
しゃらくがビルサに爪を見せ、ニヤリと笑う。
「グフフ。猫め」
ギュイィィン!!! ビルサが再び腕を回転させる。すると、徐にしゃらくが身を
「何の
「ガルルル!」
ヒュッ! しゃらくが姿を消す。
「何・・・!!?」
驚いたビルサが後ろを振り向くと、しゃらくが四つん這いのまま、こちらを見ている。
「貴様・・・一体何を?」
「自慢の鎧に傷が付いたなァ」
しゃらくがニヤリと笑う。ビルサは
「
そう言うと、ビルサが腕を回転させ、
「“
ギュイィィン!! ビルサが、回転する腕を振るう。しかし、そこには既にしゃらくの姿は無い。刹那、ビルサの背後に殺気が走る。すぐにビルサが振り向くと、そこではしゃらくが拳を振りかぶっている。
「“
ドォォォン!!! しゃらくがビルサの
「“
ダァァァァン!!!! しゃらくの
「うっ・・・!!」
ビルサの鎧の背中部分に
「“
しゃらくがビルサに脚を振り下ろす。しかし、ビルサは
「貴様、図に乗りやがって!」
ビルサが空中で、しゃらくに高速回転させた脚を振る。
「“
ギュイィィン!!! しかし、しゃらくもそれを素早く
「・・・四つ足になると、すばしっこくなるようだな。グフフフ。
一方、城壁の陰でウンケイと、その傷の手当てをするお
「ありがとよ。だが、危ねぇじゃねぇか。隠れてろよ」
「あなた達が、町のみんなの為に戦ってくれてるのを分かって、私だけ安全な所に隠れてるなんて
お渋は、ウンケイの肩に包帯を巻き終えると、そこをバシッと叩く。
「いて! ・・・やれやれ」
ウンケイが頭を
「あの人なら絶対に、ビルサを倒してくれるって気がするの。今日初めて会った人なのに・・・」
二人が、ビルサと激しくぶつかるしゃらくを見つめる。
「・・・どうやらあんたも俺も、
ガキィン! ガキン! ガキン! ガキン! しゃらくとビルサが激しくぶつかり合う。
「
ビルサが回転する腕と脚を振り回すも、しゃらくは素早く跳び回り、それを
「“
ガガガガガッ!!! しゃらくが、目にも止まらぬ速さで
「“
バキィィィ!!! ビルサの脇腹に蹴りが入り、再び鎧に亀裂が入る。
「ぐっ・・・!」
しかし、ビルサが
「“
ドォォォン!!! ビルサが、しゃらくの脇から高速回転の拳で殴る。しゃらくは両腕で防ぐも、勢いに押され吹っ飛んでいく。
「いってェ・・・」
しゃらくが上半身を起き上がらせる。前を見ると、ビルサが物凄い勢いで向かって来ている。しゃらくが目を見開く。
「“
ギュイィィィン!!!! ビルサが指先を
「あァァァァ!!」
「グフハハハァ!!
ズズズッ!! 必死で止めようとするも、ビルサの腕は回転して、どんどんしゃらくの体に近づいていく。すると、ビルサが追い打ちをかけるように、もう片方の腕を振り上げる。
「グフハハハ!! 痛そうだなぁ! 今楽にしてやるよ!!」
そう言うと、ビルサがもう片方の手も指を窄め、回転させる。
「や、やべェ!!」
ビルサがもう片方を突き出す。刹那、しゃらくが掴んでいたビルサの腕を蹴り、勢いのまま転がって、間一髪でもう一方の攻撃も躱す。
「何っ!!?」
ビルサが見ると、しゃらくは四つん這いになり構えている。
「“
ヒュッ!! しゃらくが目にも止まらぬ速さで、ビルサに飛びかかろうとする。すると、しゃらくが突如体勢を
「“
ドカァァン!! ビルサが回転する脚で、しゃらくを蹴り飛ばす。
「グフハハ! 今貴様の手は、俺が斬り
ビルサが笑いながら回転する腕を振り、付着していた血を飛ばす。刹那、目の前にいたしゃらくが消える。
「!!?」
「“
ズババババァァッ!!!! 突如ビルサの全身が切り裂かれ、
「俺の鎧が!!」
「お前の攻撃なんて、
完