占い
その後、俺は再び旅に出ることにした。
行き先はもちろん決まっている。
それは、魔王城である。
何故ならば、奴こそが全ての元凶であり、この世界を破滅へと導こうとする悪しき存在だからだ。
それに、魔王を討ち果たすことで元の世界に戻ることができるかもしれないという希望もあったからだ。
だから、一刻も早く奴を見つけ出して倒さなければならないと思ったのである。
そのためにも、まずは仲間を集めることにした。
というのも、今の戦力では心許ないからである。いくら最強とはいえ一人では限界があるのだ。
そこで、各地を巡って優秀な人材を探すことにしたのだった。
そして、ついに見つけたのだ!
その人物とは、占い師のマリアであった。
彼女は占いが得意で、様々なことを言い当てることができるのだという。
そのため、俺は彼女に会いに行くことにしたのだ。
待ち合わせ場所に到着すると、既に彼女は待っていたようで笑顔で出迎えてくれたのだった。
そんな彼女に対して、挨拶を済ませると早速本題に入ることにしたのだ。
まず最初に、彼女に俺の能力を見てもらうことにしたのである。
そうすると、驚いたことに全てを見透かされてしまったようで、何も言わなくとも理解してくれたようだった。
それから、しばらく考え込むような仕草を見せた後で口を開いたのだった。
その内容を聞いて、俺は驚愕した。
何故なら、彼女は俺の未来を言い当てたからである。
それを聞いた俺は愕然としながらも続きを促したのだった。
そうすると、彼女は頷いて話し始めたのである。
その内容は以下の通りである。
まず初めに、貴方は近いうちに死にますと言われてしまったのだ。
それを聞いた俺はショックを受けたものの、何とか平静を装って次の言葉を待ったのである。
次に言われたことは、貴方はいずれ最強の冒険者としてその名を轟かせることになるでしょうというものだった。
それを聞いてホッとしたのも束の間、更に続けられた言葉に衝撃を受けることになる。
なんと、貴方の目的は魔王を倒し元の世界に帰ることであるということ、
そしてそのためにはまず、仲間を集める必要があるということを教えられたのだ。
それを聞いて、俺は素直に感心したものである。
確かにその通りだと思ったからだ。
だが、それと同時に不安にも駆られたのも事実であった。
果たして、本当に俺なんかの力で倒せるのだろうか?
そんな疑問を抱いていた時だった。彼女が不意に声をかけてきたのだ。
そして、続けてこう言ってきたのである。
貴方に力を授けましょう、と言って俺の手を取ると何やら呪文のようなものを唱え始めたのである。
そうすると、突然身体が光り出したかと思うと、次の瞬間には信じられないことが起こっていたのだった。
何と、俺の身体に異変が起きていたのだ。
具体的に言うと、身長が縮んで子供になってしまった上に、手足が小さくなっていたのだ。
しかも声も高くなっていて完全に女の子の声になってしまっていたのだ。
それを見て、彼女は満足そうな表情を浮かべていたが、ふと我に返ったかのように謝罪の言葉を述べてきたのである。
それに対して、俺は気にするなと答えた上で改めて自分の姿を確認したのだった。
その姿は、どう見ても幼い少女にしか見えない姿だったのだが、何故か違和感なく受け入れられるような気がしたのである。
それどころか、むしろ可愛いとさえ思えてしまうほどであったのだ。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか夢中になってしまっていたようで気がついた時には
彼女に見られていたことに気づき恥ずかしくなってしまったほどだった。
だが、それでもなお彼女の視線は俺に向けられたままだった為、
どうしたものかと考えていたところ、急に抱きつかれてしまったことで身動きが取れなくなってしまった上に、
そのまま押し倒される形で倒れ込んでしまった。
突然のことで何が何だかわからず混乱していると、彼女は耳元で囁いたのだった。
その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍るような感覚が襲いかかってきた。
というのも、それは俺にとって最も恐ろしい内容だったからだ。
何故なら、もしもその通りになってしまったら、それこそ命の危機に晒されることになってしまうからである。
だからこそ、必死に抵抗を試みるのだがびくともしなかったばかりか逆に押さえつけられてしまったことで
身動きが取れなくなってしまった挙句、そのまま唇を奪われてしまったことで頭の中が真っ白になってしまい
何も考えられなくなったところでようやく解放されたのだった。
しかし、その時には既に抵抗する気力すら残っておらず、されるがままになっていたのだった。
そして、その様子を見ていた彼女はニヤリと笑みを浮かべると、ゆっくりと近づいてきていった。
それからしばらくの間、彼女のされるがままになっていたのだが、次第に意識が遠のいていきそうに
なったところでハッと我に返ったことで正気を取り戻したのだ。
そこで改めて現状を確認すると、自分が裸になっていることに気づいたことで羞恥心が
込み上げてきて顔を真っ赤に染め上げてしまったのだが、その様子を見ていた彼女は嬉しそうに
微笑むと優しく頭を撫でてくれたことで安心感を覚えたことで落ち着きを取り戻すことができたのである。