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デマの拡散

「ええ、あなたに伝えたのは嘘です。思った通り、あなたの口が軽くて良かった」
「そうです、あなたの口が軽いと思ったからあなたを選んで話したんです。思った通り、彼女の噂を広げてくれて、大助かり」
「警察に話して、困るのは、あなたじゃないですか? なにしろ、あなたがネットで広めたデマに苦しめられて彼女が自殺に追い込まれたのは、事実ですから」
「いいえ、私はあなたにしか話していません。勝手な正義感で、ネットに書き込んだのはあなたです。しかも、拡散希望とコメントまでしてませんでした?」
「そろそろ、警察が、あの書き込みに辿り着いて、あなたのところに来るんじゃないんですか」
「あなた、私の本名、知ってます? どこに住んでいて、どうしてあんな嘘を伝えたのか、理由も知らないでしょ。いまさら警察にすべて話しても、きっと、罪を逃れるための妄言と思われるだけだと思いますよ」
「私も、ここまで、うまくいくとは思っていませんでしたよ、ハハハ・・」

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