第六話🌿凌杏の{薬}の威力と僕の二つのお願い
ちょっと気になる(苦笑)
僕にも見せてくれるかな?
家に着いたら言ってみよう。
『ねぇ凌杏、例の動画
僕にも見せてくれない?』
夕飯の後、炬燵で
のんびりしている時に訊いてみた。
『え?
えぇ、構いませんけど……』
何か歯切れが悪いなぁ。
『僕に見せたくない理由でもあるの?』
あの二人だから?
それとも、他の理由が?
『別にお見せしても構わないのですが
あの二人が自分の意思とは裏腹に乱れているので
あなたがどう思われるか(苦笑)』
何それ!?
嫌がらせされてたとか関係なく見てみたい‼
『見たい‼』
凌杏は眉尻を下げ苦笑すると僕をパソコンの前に座らせた。
『私の作った媚薬が
強かったということで(苦笑)』
ファイルを開いて再生ボタンを押した。
うん……
あれは凄い……
普段の二人を知ってる人が見たら吃驚するだろうね。
二十分程で終わった。
『お分かりいただけましたか?』
本人が自分で言った通り{薬}の威力は凄かった(苦笑)
ちょっと思ったのは柊和がこの動画を
何時何処で見るのかってことだ。
当然、子供達の前では見れない。
下手なエロDVDより凄いからな……
『まかさ、此処まで凄いとはね(苦笑)』
凌杏は少しバツが悪そうに僕から目を反らした。
これも、一種の才能だよな。
『私のこと嫌いになりましたか?』
視線を合わせないまま訊いて来た。
馬鹿だなぁ、逆だよ。
『そんなわけないじゃないか』
僕の旦那さんは天才だよね(,,• •,,)
凌杏の右手の甲にキスをした。
それは、尊敬の証。
大体、僕はどんな凌杏も愛してる。
『ありがとうございます//////』
そうだ‼
『ねぇ凌杏、あの媚薬、ないの?(ニヤリ)』
今は妊娠中たから無理だけど出産して、
落ち着いたら僕も飲んでみたい(笑)
『ありますけど……』
眉間にシワが寄る。
言いたいことは何となくわかったんだろう。
『じゃぁ、この子が生まれたら
僕にも飲ませて欲しいな』
パソコンの椅子から立ち凌杏の耳元で普段より低い声で囁く。
『心綺人!?』
それでも、凌杏は吃驚した声を出した。
『君の作った{薬}で
君の前で乱れる僕を見て欲しい♡♡』
狂ってる?
僕は正気だよ。
『あなた、ご自分が
おっしゃってる意味
わかっていますか!?』
勿論、わかっているさ。
『淫らな僕は見たくない?』
あの動画を見れば凌杏の作った媚薬が
いかに凄いかわかる。
『いえ、そうではありませんが……』
さっき、動画を見せる前のようにまた歯切れが悪い。
『淫らな僕を君に抱いて欲しいんだけど』
想像しただけで身体が疼く。
『そんなあなたを見れば
泣かれようと嫌と言われようと
私は止まらなくなりますよ?』
好きなだけ抱いて欲しい。
『僕は凌杏のものなんだから好きにしていいんだよ』
それこそ、僕が壊れるくらい。
『わかりました……
お腹の子が生まれて落ち着いたらしましょう』
嬉しい♡♡
『うん♬*゜』
この話は終わって僕は凌杏にもう一つお願いをした。
『あのね凌杏、話が変わるんだけど
今度、僕の母さんに会ってくれない?』
実父はできれば会いたくない。
『“ご両親”ではなく“お母様”ですか?』
そっか、話してなかったっけ。
『うん、母さんだけ。
実父とは会いたくないんだよ……
同性愛や両性具有に対して偏見を持ってる側だからね』
この身体を見て何を
言われるかわかったもんじゃない。
『わかりました。
息子を妊娠させといて今までご挨拶に
伺っていなかったのは社会人として非常識でしたね……
お母様のご都合を訊いておいてください』