第3章の第112話 どうしようもない問題39 8月(2) 負けない為の方法
★彡
【職業訓練校時代、8月下旬から9月上旬にかけて】
【負けない為の方法】
――その数週間後の事。
この時、ヨーシキワーカは、設備管理科の教室ではなく、上り階段付近にいたものだった。
(勝つためには、奇をてらった策が必要だった……でもどうすれば……!?)
そこには、物思いに更け、考える思いのヨーシキワーカ氏がいた。
頭の中に引っかかっていたのは、あの青い箱で、あれは、確か、掃除の時に触っていたものだった。
(あれは、掃除の時に触っていたものだよな……? 青い箱が3つほどあって……。あいつ等、今頃、キチンと掃除しているんだろうか……!? ……んっ!?)
――その時だった。あいつの気配を感じたのは。
「――!」
振り返る私。
その階段下には、偶然にも、あのドクターイリヤマが歩み去っていく姿を目撃している。
(こいつに今、関わるべきじゃない! 何をとやかく言われるかわかったもんじゃない!!)
私は、こいつに背を向け、上り階段を上がりつつ、その背後にいた気配を感じ取るのだった。
私は、こう考える。
「……」
自分の口元にその手を当てがって、それが私の考える時の癖(クセ)に思う。
その脳内では、いくつもの打算的な考え方を巡らせながら、失敗のトライアンドエラーの繰り返し、試行錯誤を繰り返していた。
(どうしてやろうか……!?)
上り階段を上がり、廊下を渡り歩いていく。
(う~ん……まともにやり合っていては、100回やって100回とも負けるからなぁ……。あの会社か……!?)
――それが、ヒントだった。あの会社と掃除の話を、結び付けてきて。
「――あっ!」
とあるアイデアが閃いたものだった。雷鳴が走ったような感じがして。
それは勝てもしないが、負けることもない作戦だった。
(月見エビバーガーオーロラソース社……、箱洗い……、負けない方法……!?)
その解に至る私。
(箱洗い……あれが使えるのかもしれない……!?)
【――そう、それは、掃除のし忘れだった……】
(問題は、どうやって掃除(あれ)に気づかせるか……!?)
【私は、この8月の時点から、そのドクターイリヤマ達の悪態の態度を、逆手に取ろうとしていたのだ】
その足が向かう先は、設備管理科の教室だった。
そこには、職業訓練生たちの姿があったんだ。その人達は、ワイワイ、ガヤガヤ、と騒いでいたものだ。
(箱洗い、箱洗浄、掃除に気づかせる流れ……か!?)
それは、私にしかできない、大きな賭けだった。掃除で済ませる、という帰結ものの。
☆彡
【掃除というオチ】
【時に、掃除の話を盛り込み、マイアミ州全体に広がっていけば、最後は本人たちの手には負えず、騒ぎはドンドンと肥大化していって、自滅となる】
【だが、このままじゃ終われないから、一次的対処法として、自己破産申請という話が持ち挙がり、終わったかに見せかける】
――過去から現在に返り、エメラルティさんが、こう語る。
「ヨーシキワーカさんはね。当時のこの時点で、箱洗い、箱洗浄、掃除に気づかせる流れで、如何にして勝つか考えていたのよ!
掃除というオチになるようにしてね!」
これには、スバル君もアユミちゃんも。
「そ、掃除ィ~~!?」
エメラルティさんは、続けてこう語る。
「うん、そうよ。ヨーシキワーカさんが、言った事のある悪口にはね。
月見エビバーガーオーロラソース社の上がっていく坂道の先にある、屋外貯水槽が臭いだとか。
顔が焼け焦げたネズミだとか。
ゴキブリ、クモ、ゲジゲジ、ナメクジ、カタツムリ、ムカデ、蛇が出た事があるだとか。
排水溝のドブ掃除をしていて、蚊が飛んでいたり、その卵があったりして、孵化したらボウフラが飛んでいたとかの、他愛もない話だったものよ」
「そ、掃除……」
「ゲジゲジ……」
「で、そこの人が、高圧洗浄機を使って、ただ単に掃除していただけとかね。
雨が降れば、汚いものが浮かんでいて、ゴミと油ぎったものが浮かんでいて、
それを洗い落すために、高圧洗浄機で洗っていたものだったのよ。
基本的に、屋外貯水槽は、放水をあまりしないもので、年に数回しか、水を抜かないからね。
当然、腐臭が漂い、汚いものよ?」
これには、アユミちゃんを推しても。
「うわぁ……バチィ……」
と毛嫌いしたものだった。
――次いで、サファイアリーさんから。
「――で、その話を聞いた誰かさんから、ちょっとものを言ってやろうとして、
そのヨーシキワーカさんを陥れてやろうとした事があったそうよ――」
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【小休憩の短い10分間の合間に、色々何かを言われてみても、要点が掴めずわからずじまい、余計な混乱と大きな誤解の素になり兼ねない!?】
――それは、ドクターライセンが設備管理科にきた時の話だった。
それも、小休憩の短い10分間の合間に、見られたものだったんだ。
『――あそこの職員室から、ここの設備管理科へくる、道の途中で、あそこ等辺の渡り廊下付近で、
いろいろと僕にものを言ってきたそうですが……。
ちっとも何の事だかわかりませんでしたよ……!? こっちは!?』
『……?』
(渡り廊下付近……?)
『その時、急になって、ちょっとこっちが物を持って、手が塞がっている最中だったのに、これを持って急いでいる時だったのに、
3人して、あれこれ口出ししてきて、色々と物を言ってくるもんだから、中々要点が掴めませんものでしたよ!?』
(3人……色々と口出してきて、要点が掴めない……?)
『もっと落ち着いてから、あなた達3人は、ものを言ってくださいよね!?
もう少し、話をかいつまんでから話してれれば、こちらとしても、物分かりがよろしいんですがねぇ……!?』
(ははぁん……なるほどなるほど、3人一緒に言うもんだから、ゴチャゴチャになってしまったんだな。
物事の道理を良く、整理してから、ものを言わないから、メチャクチャになって、混乱するんだ。
おそらく、人の噂話が、混載していて、この時から。
上手く、その処理し切れないもので、整理しきれてなくて、そのまま、ライセン先生にでも、言ってしまったんだろうな!)
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――学校とは言わば、人の噂話や、取り次ぎ上の話等を、その揉み消すためにも建てられているからね。
そうした負の側面も、併せ持っていた訳よ」
これには、アヤネさんも、アユミちゃんも。
「どーゆう事?」
「説明して?」
「いい事? 発着点はどこかよ?
ヨーシキワーカさんが、月見エビバーガーオーロラソース社を退職した時点では、既に、その時限爆弾が作動していたの。
騒音のモーターに加え、領収書もね。
その会社内では、既に騒ぎが起こっていて、人が、ごった返していたハズよ。
無理にでも言って周り、何が何でも、怪しい人物とくれば……」
「ヨーシキワーカさんが、その犯人候補に挙がっていた!?」
「グット!」
「さっき話した通り、問題工作していたのは、どこか!?
その改造モーターを取り付ける時、月見エビバーガーオーロラソースの工務の方は、あの学校の先生と言っていたハズよ」
「あっ……」
「そして、何も知らないハズのヨーシキワーカさん程度であれば、あんな奥まった所にいて、何も知らないから、
その騙せると思っていたものよ」
「酷い……」
「領収書の一件は、また、別であり、オオ……何とかさんが持ち込んでいたものだったわ。
別の会社でも、そーゆう事が会っていて、これは、問題だとばかりに、持ち込んでいたものだった訳よ」
「なるほどね……」
「人の噂話だから、取り次ぎ上のメリットがあれば、無作為なもので、
その身内関係を使って、人の取り次ぎ上の話だから、
秘して、主犯格である、この問題のすばらしさを考えた人達でも、預かり知れないところだったわけよ」
「つまり、こーゆう話は、無理にでも、職業訓練校の講師陣では、
自分達の頭で、いくらか考えたものでも、あの時、その時、この時、偶然でもなんでも捻り出せたものであって。
その場で、言って周っていた『付け』だったわけよ」
「つけ……」
「過去形ね……うん、まさしく、時限爆弾だわ……」
「また! こーゆう話は、ドクターライセンだけじゃなくて、ドクターイリヤマの耳にも、ちょくちょく入っていたもんよ?
だから、余計な混乱の原因となるものを、持ち込んでいっていた線がある訳。
前に! ヨーシキワーカさんが言った言葉が、掃除でも、
それを受け取って、聞いてしまった人達がいて、その中には、必ずといって良いほど、
ヨーシキワーカさんを、快く思わないような、ひがんだ人達がいて、
ワザと人を陥れちゃうような悪い人達が少なからずいるものなのよ!?
そうした話伝いでね、例えば、さっきの昔の会社の人との話がなんだか結びついちゃってね。
誤った感じで、こうじゃないのか!? とする説を持ち込んじゃった線があるわけよ! 絡んじゃった形でね――」
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【(続)小休憩の短い10分間の合間に、色々何かを言われてみても、要点が掴めずわからずじまい、余計な混乱と大きな誤解の素になり兼ねない!?】
――で、次に、職員室にいたイリヤマ先生が語るには、
『――オイッ、お前等!? いったい何のものを言っていたものなんだか、ちっとも何もわからんぞ!?
こっちの方は何ともな!?
ちょっと、職員室の窓口(そこ)から顔を出して、少しだけモノを言ってきたとしても、こっちの方は何ともわからんとぞ!?
何の事を言ってるんだかな!?』
『……』
(何だいったい……結局何もわかってないじゃないか……? いったい、誰の事を、何の事を言ってるんだ……?)
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――と。ライセン先生を推しても、イリヤマ先生を推しても、
その人達からの言葉数が、
1.ごちゃごちゃになってあれこれ言ってくるものなんだからと、
2.妙に言葉数が少ないものだから、余計な諍いの素、誤解になって、勘違いしてしまい、それが思わぬ事態に発展していったそうよ!?」
これには、ミノルさんも、アヤネさんも。
「悲劇はそこか……」
「まぁ、聞いている分じゃ、先生達も、その生徒さん達も、妙に言葉数が少ないもんだから、
余計な混乱と原因を作り、間違った話に変貌していっちゃった線ね」
エメラルティさんは、こう語る。
「その通りよ! これは、どんな大人の人でも、同じ事が言えるの!
それは、ミシマさんやヨシュディアエさんにしても同じ!
誰でもそうなんだけど、少しだけモノを言ってから、わかるだなんて、それはあくまで、夢じみた幻想ものの理想なんだからね!?
ちょっと言っただけで、わかるだなんて、それで優秀だなんて、実におこまがしいものだわ!」
これには、アユミちゃんも、スバル君も。
「おこがましい」
「はは……」
エメラルティさんは、こう語る。
「先生達だって、実際は、こうなんだから、それは誰だって、そんなもんなのよ!?
ちょっと、その場にいて聞いてから、ものを言うだけだから、
まさか、掃除の話だなんて、結びつかず、
話がごちゃになって、絡んじゃった形で、その時はわからずじまいだったんだからね!?
聞き取った相手方さん次第で、あの昔の会社に対する、悪口なんだろうなぁと、勘ぐちゃって、簡略的に受け取ってしまっていた訳よ!?」
これには、アヤネさん、ミノルさんを推しても。
「か、勘違い……!?」
「オイオイ、信じられんぞ……!? 子供ならまだわかるが……。まさか、大人でもそんなミスを犯してしまっていたとは……!?」
とこれには、アユミちゃんも。
「でも、何でそこで、誰一人として、気づけなかったの!?」
――そこへ、クリスティさんが。
「――一応、たった1人だけ、その事態の前々から気づいて人もいたものよ?」
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【職業訓練校時代、9月】
【問題好きのイリヤマ先生達は、まとまな人のタカハシ先生の助言をまったく意に介さない】
――突然、教室の中に入ってきたのは、タカハシ先生だった。
『――おいっ、イリヤマ先生!! これどがんなってとや!?』
『んっ!? 何の事だ!?』
『とぼけるなやお前!! お前さんは前々からそうやったな!?
何で、お前さんの所から出た子達から、こうも『頻繁』なまでに、『外の方』で、『問題が多い』とや!?』
『問題……?』
(また、バレたか……チィッ)
『しらばってくれるなやお前ッ!! 前にお前さんが受け持っていた生徒さん達やろうが!!
今もどこも、騒ぎまくっとって、こん中の方にまで届きまくってきてとったやぞ!!
実際に、『1年に1人ぐらい死んどる』やないか!!
あん子の親御さんまで泣き出して、訴訟を起こしてるとやぞ!!
何だってこんなにいっぱいなまでに、起こせとっや!?』
『ハァ……それは、そいつ等に『まったく能力がないだけ』だろ?』
『……』
唖然……
これには、タカハシ先生も、その言葉を失うほどのものだった。
このどうしようもない問題は、この学校が建てられる前から、続いていて、それで、ここを出ていった生徒さん達を試している訳だ。
その流れで、人一人の命が、現に失われている。
イリヤマ先生達は、それを好き好んでいて、金巡りがいいから、こんな問題をずっと続けている訳だ。
もう、絶対に勝てるからだ。
そのバッグには、とてつもないほどの権力者が控えているからだ。
国家権力の笠の下、教職員の立場を悪用して、職権乱用をして楽しんでいる。
もう、借金返済分は、とうの昔に既に返し終わっているのに。
まだ、こんな悲劇を続けたいのかあんたはッ。
その男は、こう続ける。
(俺が求めているのは、職に対する適正能力……!
何もその設備管理だけじゃない……。
その中でも、ほんの一握りの優秀なものであって、俺に媚びを売った感じで、その泣きついてくるような連中だ。
この問題を通していく中で、ハッキング伝いの優秀な能力を、そいつに身に着けさせるか否か!?
正義の法を預かる、『法務部』の俺達が、その警察や裁判沙汰に取って代わって、
それを見極めたうえで、信頼できるなら、身内関係やその末席にでも加えても、いいものだ。
だが、そいつには、それがなかっただけだ……残念だったな!)
『それに、前に俺が受け持っていた生徒さん達でも、もう今は出ていった後なんもんだからな、『まったく関係がない』!!
勝手に外の方で、騒ぎを起こしまくっているだけであって、
勝手にそこで『お金を落としまくっていて』、『頭がおかしくなってきているだけ』だ! ……だろ!?』
『……』
(勝手にお金を落としまくっている……違うだろそれは!!
あんた達繋がりで、大手銀行に、闇子・かけこ・呼子といった使いの者を寄こして、
何も知らずに、そん子等が、『小型コンピューター(ラズパイ)』でも持ち込んで、
そこで、何者かは知らんが、設備管理員・電気工事店・軍の関係者などが、遠隔操作なんかで、不正アクセスしとるんだ。
だから、大手銀行内でシステム障害が起こり、システム復旧までの間に、一時的な間ができるんじゃ!!
その間に、まんまと、また使いの者を寄こして、システム復旧させてる間に、
まんまと、別の暗号キーやパスワードも盗める!!
……まさか、そん子等も、こう思うまいよ?
『腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)』は、集音器の役割も果たしておって、
同時に、その『盗聴器』等の役割なども、既に果たしておるんじゃ!!
それを、別部屋にいるもんがおって、聞き耳を立てておって、人伝を経て介せば、簡単じゃからのう!!
……闇子、かけ子、呼子の中でも、使い捨ての子で、使われただけじゃ!
バレた際は、履歴消しゴムリムーバーなどで、そうした過去の使用履歴を、また、消し去っていけば、なーんも証拠も残らん。
お前さん達、身内連中の中には、既に警察官の中に、解き放っておるからのぅ。
揉み消しは、できて当たり前じゃぞ!?
……そして、まんまと、そこから預金通帳を引き落としたり、
次の二次災害や三次災害のために、表では決して見えないようなウィルスを仕込んだり、職員さんのリストなどを奪うなどして、
脅迫行為紛いなもんを、続けとるんじゃろ!?
そして、それは、『アプリ』内にもう潜んでどる!!
しかも、それが、周りのコンピュータを介し、『蔓延』し出し取る!!
この学校には、マイクロソフト社の『暗号鍵(マスターキー)』『も』なんかも置かれておって、
当然、国の公共機関じゃから、あって当たり前じゃからな!!
何かの有事の際、当然の設備の為に、置いてある物じゃからじゃ!!
それを、悪用したのじゃよ……こ奴等はな!!
それは、職安の中もじゃ!!
だから、誰も、そんな事は、秘して黙ったまんまで、それを言わぬだけじゃ!!
酒の飲み会の、集まりがその楽しみで、愉快なものでじゃ!!
警察の中のもんにも、ひっそりと闇子が潜んで追って、国家ぐるみじゃからじゃ!!
じゃからこんな悲劇がまかり通る訳じゃ!! 問題という体を、悪用しおって!!
闇市場で、売買するのも大概にしろ!!)
とこれには、この教室にいた仲間内の生徒さん達も。
『そう言えばそうだよな……』
『もうこの教室を出ていった人なんだから、もうイリヤマ先生とは、『なんだか赤の他人』なんだもんな?』
『だよな?』
『だろ?』
『フンッ、わかるかタカハシ先生!?
今、俺が受け持っているのは、この教室の中の出来のいい頭を持った、可愛い生徒さん達なんだ。
この教室を出ていった後にまで、『知らん』!!
勝手に外の方で、そいつ等の身に『何かがあり』、勝手にその頭の中が、おかしくなってきただけだ。
それに俺は、ここで、『その問題』だなんて、『何も一言』も『何も話していない』……! ……『どこにそんな証拠がある』んだ!?』
『………………』
(なるほどな……その年の設備管理科の修了生たちさえ、身内内に囲んでしまえば、
おかしくなったのは、そいつ1人のせいにできるからな。
そうした犯罪を隠蔽工作するために、問題と言う名で、集団で声を上げれば、まかり通るからな……。
誰も、こん先生に意見できない以上、これは、作為的な、悪の職権乱用ものじゃな……』
『……と、とにかく!! もうこれ以上のあんたの好き勝手な問題行動の振る舞いは避けてくれ!! 頼むから!!』
『フンッ』
『……ッ』
(とやかく言うても、こやつには勝てる気がせん!! 悪ガキども連中が、その後ろの方でつるんでおるからじゃ!!
ビルメンテナンス、電気工務店、軍の関係者、警察なんかの闇子なんか……じゃ!! みんなも、気をつけろ!!)
そして、わしは、敗走するように、引き返していったのじゃった。
今回も、また、わしの負けじゃ。
☆彡
――過去から現在に返り、クリスティさんは、こう語る。
「――小型コンピューターラズパイと言ってね。
旧名称は、そのRaspberry Pi(ラズベリーパイ)というのよ!
自作で、Iotできる、超小型の㍶(パソコン)みたいなものね。
利点は、ソフトウェアを入れれば、何でもできる事よ。
一番のポイントは、開発に必要なソフトウェアやらハードウェアが、豊富に流通していることよ。
腕に覚えがあれば、旧ノートパソコンを凌ぐものを制作できたり、また、世の中に出ていないようなものを、新たな発想で、創り出せるわね!」
これには、サファイアリーさんも、エメラルティさんも。
「そうね」
「うん」
「モノづくりが得意な人であれば、その趣味次第で、まだ世の中に出ていないものを出して、『特許出願者』さんすらいたぐらいだからね!」
「へぇ~」
「……でも、中には、その悪だくみをする連中に捕まってしまい……。そうしたものを奪われたりしている、ケースすら相次いでいるものよ!?」
「どーゆう事!? つまり……」
「小型コンピューターラズパイとは、言ってみれば、
旧ノートパソコンや、携帯電話の中に、内蔵しているものと、『ほぼ遜色ない』、という事よ!」
これには、アユミちゃん、アヤネさん、ミノルさんも。
「えええええ!!!」
「初耳だわ……!」
「ああ……!」
「でしょうね……。
だから、小型コンピューターラズパイの工作物の仕方次第で、TVだってできるしゲームもできる。
何なら電話だってできるし、ライト機能や、ステージを盛り上げるための拡声器(アンプ)機能だって、あるのよ。
ドローンも、何なら製作できるしね!」
「凄い……」
「ええ……」
「実際の、2019年12月ぐらいに発生していた新型コロナの時にも、これが多分に利用されていた訳よ。
空港の中の『手荷物検査ゲート』があるでしょ?
あれね……。ハッキングできる人が、国内のどこかにいれば、インターネットを介してもいいんだけども……。
ウィルス感染している携帯電話や、さっき挙げたラズパイを『遠隔操作』することによって、『ハッキング』することによって、
電化製品(IOT)テロのような手口で……。
一時的にでも、その空港の中の『手荷物検査ゲート』を素通りできるわけよ!
そこに設立するとき、『電気事業法』を通す方から、そうした『マスターキー』などは、どこかに格納されていて、保管されていた訳よ。
国元に、外国からの『サイバー攻撃』を受けていてね……、『通信障害』が起きていた理由(わけ)。
インターネットのどこかの外国を介すことによって、どこの国の出身者なのか、わからないように企てていた訳。
まぁ、国民を欺くためにも必要で、その国家絡みだったんだけどね……。
だから、国内から、その『乾燥聖杯』が持ち出されていたんだけどね……」
「それ、誰伝いの話?」
「スプリングよ。まぁ、200年、昔の話ね」
「フ~ン……そうなんだぁ」
「後は、飛行機を使うものが、主で。
誰か、別の人達のせいにするためにも、使い捨てで、冤罪事件などをでっち上げた形で、TV等の報道機関を使って、豪華客船3隻を回していた訳よ。
時間差が、生じていたのは、実はコレだったわけよ?」
とこれには、アヤネさんも。
「あぁ、『TVは扇動機関の側面』も、役割も持っていて、そうした視聴者の目を、そこに釘付けに刺せている合間に、
その主犯格たちを、逃がしていた訳ね。
で、国民の目を欺きつつ、その豪華客船に向けさせて……。
世界情勢は、大混乱の渦に陥っていた……と!」
「でも、何で、そんなまどろっこしい事をしたの!?」
「少なくとも、2面作戦だったからよ! フツーに考えてみて! 豪華客船だなんて、そもそも、『逃げ場がない』じゃないのよ?」
「あっ……そうか……」
「ウィルスが、効き始めるまでの間に、『要する期間』は、『14日間必要』だった……。
TV報道では、『2週間』の『潜伏期間』があって、症状が発症するというものだったわ。
でもね……。『初期の頃だけ』は、『激烈』でね……。
潜伏期間は、『3日間』だったの。
3日間もあれば、十分で、『飛行機』で逃げられる距離だった……!
ワザと人のせいにして、『使い捨て要員』にするためには……!?」
「その豪華客船の乗り込み員が、必要不可欠だった……!?」
「グット!
だから、2019年は、『失敗』したけれども、2025年を、『成功』した裏には、
使い捨て要員になる人達がいて、『その問題工作作り』に『逸早く勘づき』、『下手に動かなかった』訳よ!
この手であれば、この人のせいにする形で、その人達のいる『出身国』が、責められる事は、決してないからね!!
後は、別動隊がいて、『乾燥聖杯』を、すべて『地下シェルター』に保存し、厳重に保管していた理由(わけ)よ!
第3次世界大戦に備えてね! この手であれば、戦火の被害に晒される心配も、ないしね!
そうしたものがあるのは、どこ!?」
「大学病院や、病院などだよね!?」
「グット! 次の2回目のコロナが、成功した裏には、そうした事も会っていた訳!」
「「フフフ」」
「――そして、別の日の事よ」
★彡
【職業訓練校時代、10月】
【(続)問題好きのイリヤマ先生達は、まとまな人のタカハシ先生の助言をまったく意に介さない】
『――また、あんたの所から出ていった子達から、こうも苦情処理になって舞い込んで届いてきてとっやぞ!!』
『はぁ……またか、よくもまぁ、こうも飽きずに……』
『それはあんたのせいなんだろうがッ!!』
『違うな、それは完全にそいつ等の落ち度のせいだ。
俺は、ずっとこの学び舎の学校の中にいて、その外の方にまで、何も手を出していない。
どこにそんな証拠があるんだ!?』
『……ッ!!
とにかく、あんたの所から出ていった子達から、こうも問題口動(もんだいこうどう?)が繰り返されて多いんだから、
まずは、引き留めろ!!』
『……』
『それに、いくらあんたがここにいて、何だか昔から周りの方で、『優秀な方の男』なんだと騒がられていても、
ちっともこっちの方は、そんな気はしてこないッ!!
まだ、あんたなんかの代わりに、別の先生達でも、何でも新しく雇いなおした方がマシなもんだ!!』
『おいおい……。それじゃ、そいつ等じゃ別の先生達じゃ、こうまでして、『そのお金を落とせない』ものなんだろ!?』
『……ッ』
(言ったな……その言葉を、そのお金を落とさない……と!)
『この学校に、こんなグレた男を雇い入れていただなんて……。ずっと、上の方はどうかしてきてる!?』
『フンッ! だったら、その特別に雇い入れてる上のもんたちに一言文句を言ってきて、進言してきてみてでもするか!?』
『……』
『何もできないもんなんだろ? あんたなんかの程度の頭なんかじゃ!?』
『……』
クッ……ハァ……。
苦虫を嚙み潰したような面持ちをするタカハシ先生、その人は長嘆の嘆息を零すほどだった。
一拍の間を開けて、こう告げる。
『……あんたは昔から、なんだかそうじゃったよなぁ!? ちっとも何も、こっちの言う事を聞きやしない』
『さあ? いったい何のことを仰っているんだか……。ちっともなんともサッパリでわからないもんだからな……。
ハッキリとその口で、何も言えないもんなんだろ?』
『グッ……! あんたは、昔から、その忙しさにかまけて、あの職員室の中の方で、『(怪しい)電話』を掛けまくっていて、
そこにいた職員さん達も、何だか迷惑がっていたとやぞ!?』
『何の証拠があるもんだか……!? さっぱりと意図がわからん!?』
悪くていい笑顔のイリヤマ先生がいて、
それに対して、タカハシ先生は、こう物申す。
『はぁ……もういい……』
それは、もう何だかこーゆうやり取りを、何年間も続けていて、疲れて疲弊していた感じだった。
『この教室とあの職員室の間を行ったり来たりで、あんた達はそっちの方に現を抜かして、遊び呆けてばかりで、
ちっともこっちの方の業務量も何もはかどらず、滅多な事では手伝わず、ちっとも進展せん』
『フッ、昔はそんな事もあったけなー!?
だが、どこにそんな遊び呆けていたような証拠なんかが、あるもんなんだ!?』
『そんな証拠は何1つも残らんように、
あんたとは何も言わず、どこかの先生達の誰かさんが、『きれいさっぱり揉み消してまくってきている』もんだからな……ッ!!』
(いったい、誰がこんな事をッッ!!)
『ほーらな? なーんも証拠が残ってない。優秀なもんだろうち等!?』
『何が優秀なもんか! バカの1つ覚えみたいに優秀優秀と何をぬけぬけと!』
『フンッ!』
『そうしていられるのも、きっと今の内だけだからな!
俺の甥っ子が、どこかでこうした様子を盗み見ていて、
いつか、あんたをギャフンと言わせてやるもんだからな!?』
『なら、その甥っ子なんかも、そのギャフンと言わせられる前に、
こっちの俺のこの学校の方から、向こうの方にいる会社勤めの周り悪ガキどもに、使い魔を寄こして、
その同じ会社連中の身内なんかも使い回して、倒して、
まずは、そいつが誰だか見つけ出して、捜索させて、探し出してきてやる!!
あんたのお孫さんなんだから、さぞ、そいつも優秀な頭の出来なんだろうな!?
そいつも、新しく身内内に引き込んでやってやらんでもない!
……そこからだ!!
そんな悪ガキどもがつるんで、そいつの周りで取り囲んで、そいつのその気をおかしくさせてやってやる!
で、そうした証拠の話を、向こうの奴等が、奪い取って上げてから、上手い事穏便に話し合いを進めていって、
この身内内に上手い事囲い込んでやるか、でもしてやるか!?
でいつかは、あんたのその首やらなんやらを、その甥っ子にでもなんでも遣わせて、取ってやるか!?』
『……なっ……ッ!?』
悪じゃ。そこからは、負けじみたワシのものを上手く言えぬ、ひっそりとした小声じゃったわ。
『正し……。ここには、正しき志を同居するものは、1人もおらんのか……!?
みんな、こんな恐い男に脅されて、何も知らずに騙されて、そこへただ付いていくばかりか……!?』
何か、打つ手はないものか……ッッ。
『……フンッ! いったい、どっちの方が立場が上なもんだとか、ハッキリしてから、その口先でモノを言え!』
『……』
『あんたは、まだまだ、その年だけが召されているだけであって、俺達なんかよりも、ずっと下なんだ。
そこんとこだけは、良ーくわかってからモノを言えよ!?』
『グッ……』
方や、医学講師の勤めている御方。その教鞭は、設備管理科兼医療分野だけではなく、特殊集団詐欺事件の先生。
方や、現役を退役されていて、特別講師として、この学校に呼ばれて、務めている人だった。
この勝負、完全にわしの負けじゃった。
『……ハァ……わかった。これ以上、あんたにはもう何もものを言ってみても、頼んでみても、よーわからんようじゃしな……』
『……』
『とにかくあんたは、そのパソコンやら何やらの前で、熱心になって一心不乱になってかまけず、
その業務量の凄まじさを理由に、てんてこ舞いになって捌き切れんからと、
よくもまぁあそこにいた人に頼んでまで、今まで逃げ出してたもんだよな!?
この学校から帰るまでの間に、もっとできる事が、そのスキマ時間を作ろうと思えば、できてた事がいくらでもあったやろうが!?
もっと親身になって、ここの生徒さん達とよう向き合えば!! ようわかってくることも、時にはある!!
生徒指導室とかを使って、そん子を連れ込んでいって、
そこで、その生徒さん達とより親密になって話し合いの場を設けていけば、今、こんな事な悲劇の騒ぎまで発展していっていないんやろうが!?
いったい、何人まで死んでたとや!? 1年間に言え!?』
『『3人』だな、『少な』……!
まだ、どこぞの建設会社なんかで、おっ死んだ連中なんかが多いぐらいなもんだな!?
確か去年は17人ぐらいだったか!? ここにそうした報告例が舞い込んできていたのは!? あの中の方で!?
まぁ、うち2人は、落としたみたいなもんだがな!! あれには笑えるわ! ハハハハハッ!』
『……』
(1年間に3人は、最低でも殺した覚えがあるんだな……!
なら、それ以上死んでいて、設立校の年から、続けているんだから、それ以上!
いや、このハーバード大学姉妹校の職業訓練校も、その途中から、名称を変えていた歴史背景があるから、それ以上……か!)
『……ハァ……たったそれぽっちの(死人の)数なんかで、一々騒ぎ立てるなよ!?
なーんも(この世の中のために)役に立たんじゃないか!?
そんなのは(この世の中に)ごまんとありふれていて、周りの奴等にしてみれば、それは、そいつ等は、いないのと同じ!
死んだ親御さんたちだって、邪魔なそいつ等が死んで、『清々している(?)』んじゃないのかァ~!?』
『……』
(清々しておるじゃと……ふざけおって!!)
そこには、握り拳を、握りしめるタカハシ先生がいたという。
イリヤマ先生は、こう自慢気に話していた。
『俺の所には、その親御さんからの御兄弟を通して、
今回は、『快くありがとうございました』!
――って、まだはっきりとした『感謝の賛辞の言葉がきていた』ぐらいなんだぜ!?
まだ、そいつ等の方が、俺に頼ってくる分、先の見通しのいい奴等なんだと、まだ見込みの方がある!!
だがなぁ!? 死んだそいつ等なんかじゃ、てんで何も話にもならん!!
ここの『いい学び舎』を出ていった後なんかじゃ、
そいつ等なんかじゃ、どこの会社のもんにしてもまったく使えず、使い物にもならん!!
まだ、この俺様の所を出ていった可愛い生徒さん達ほど、そうした幸先のいい見込みのがある!』
『……そ、そうだよな?』
『……お、俺達の方が、その人達なんかよりも、まだそうした幸先のいい見込みの方があるよな?』
『ははは?』
『……』
唖然……
これには、タカハシ先生も、その言葉を失うほどだった。
イリヤマ先生は、もう自慢気にこう語る。
『フンッ! そっちの方にきた『電話番号の持ち主』なんかと、後でちょっとなんか変われ!』
『……』
『こっちの方から、どうなってもいいのかどうか!?
ちょっとそいつの親なんかに周りの方から、いいように利かせて周って、そいつにどうなってもいいのかどうか、選ばせてやる!!』
『……』
『まだ、優しいもんだろ? 俺の方がなァ!?』
ニヤリ
と悪い笑みを浮かべるイリヤマ先生がいたのだった。
☆彡
――過去から現在に返り、アユミちゃんから、こう問いかけてきちゃって。
「――その後どうなったの!?」
それに対して、クリスティさんは、こう語る。
「で、そうした経緯があって、職業訓練校が終わった後、その年の職業訓練生達やイリヤマ先生達が、『悪い噂』を流しまくった訳よ!
その再就職先の職場間でね!
で、そこからは当然といっていいほど、そこには、先輩方や上司の方々がいるだろうから、
人伝をへて、悪態の話が挙がり、人の噂話が飛び火していくように、飛び交っていき、
ミシマさん達や、弟君にも、話が繋がっていったわけよ!
これは、人生で1度きりのチャンスで、そうした問題の話が、なんだか降りてきてるってね!
で、成功した人には、職安を通じて、いい求人にありつけるって、話……!!
あぁ、これは、実は大嘘で、
集団で多数決に買った形で、そうしたウソをついてまで、犯罪を揉み消すような、問題事が誠しなやかに、飛び交っていった訳!」
「……」
「『兄ちゃんが昔いた会社について、何か色々と文句言いに行ったんじゃないの!? あんだけ昔、お世話になった会社なのにさ!?』
――ってね!
そうした、少ない言葉数で、後からドンドンとツギハギツギハギしていって、話の合間のどこかで、調整調整して利かせていった訳よ!」
「……」
「――で、それが思わぬ、事態に発展していっちゃって……――」
★彡
【自分達先生側から誘っておいて、それを人のせいにする、責任逃れのライセン先生にイリヤマ先生】
――それは、ヨーシキワーカさん宅における、偽電話詐欺のほんの一部だったという。
そこには、ライセン先生、イリヤマ先生の声が、TV電話口からしていたものだった。
『――今、自分たちがこんな目に会っているのは、完全にあなた達のせいなんじゃないですか――ッ!!』
『こんな事とても周りでも信じられん事ぞ!? どうあっても許されん事ぞお前等――ッ!!』
『何で今まで、それを知っていながら黙ってたんですか――ッ!?
完全に、今自分たちがこんな目に会ってるのは、あなた方のせいなんですからね――ッ!! こんな事とても周りでも許されませんよ――ッ!!』
とこれには、その年の元設備管理の訓練生でさえ、電話を取り次いだ話で。
『そ……そんな……!? まさか、そんな事になるだなんて、知らなかったんですぅ……』
あぁ、これは知っていたキライだわ。
話の途中の合間で、自分たちのこうじゃないのかとする説を、話したが為に、こうした思わぬ事態を招いてしまっていた訳だ。
とこれには、ライセン先生も。
『完全にあなた方のせいなんですから、そうした責任話を取ってくださいねッ!!
こっちは色々とやって、あなた方のために、やっていたんですからね――ッ!!』
これには、元設備管理科の訓練生さん達も。
『……ッ、そ、そんな……そんな事になっていただなんて知らなかったんですぅ!!』
とこれには、イリヤマ先生も、ライセン先生も。
『知らなかっただけだなんて、許されん事ぞホント!!! 反省して、そこで責任取ってこい!!』
『まったくですよね!! 今僕等がこんな目に合っているのは、完全にあなた方のせいなんですからね!!?
代わりにあなた達が、自分等の代わりに、そこで責任を取ってきてください!!
僕等の方から、周りの会社間の人達に連絡をしておいて、周りやりますからね!!』
『ガーーン!!』
『そこでキツク、お灸でも据えておいてください!!』
だが、ただし、発着点を辿って行けば、こいつ等になってくるのだった……。
騒音モーターが、それである。
☆彡
過去から現在に返り、クリスティさんは、こう語る。
「――と! 上の力を持っているものだから、まるで責任逃れをするようにして、代わりにその子達のせいにしたものよ?
先生から、間違って意見してきた生徒さんを、怒鳴り返したんだって!?
まるで、『偽詐欺電話』の要領で、『責任逃れ』のようにね。
そうした、使用履歴なんかも何も残らないようにして、『履歴消しゴムリムーバー』でも使って、揉み消し去った痕なんじゃないかしら?
だから、証拠なんて何も残っていないようなものよ?
『特殊集団詐欺事件』なんだから、れっきとした犯罪なんだからね!?
でも、人の中には、記憶というものがあるから、
人伝を経て介していけば、被害者数が多ければ、世論はそっちの方に傾くわけよ? ……わかった!?」
とこれには、アヤネさんも。
「あぁ、そこには、なんだか……仲間割れの様相だったみたいね?」
「うん!」
とこれには、スバル君やアユミちゃんを推しても。
「偽詐欺電話……電話だけだから? 何も証拠が残らない……?」
「責任……逃れ? をする先生達……仲間割れ……?」
とこれには、クリスティさんもなんだか笑いようで。
「フフッ、そうよ~! アヤネさんに、スバル君にアユミちゃん」
「……」「……」「……」
「この話を持ち掛けたのは、実は、イリヤマ先生とライセン先生からだったのよ!?
この当時の生徒さん達は、知り合いを通しながら、その昔の会社の内情の事を、ただ知っていただけ……!
知っているだけじゃ、『どうする事もできない』……ものでしょ!?
実行力が、何もないもんだから……ね。……クスッ」
これには、スバル君やアユミちゃんを推しても。
「た……確かに……」
と頷けたものだったわ。
「うふっ、どうする事もできない以上、金や権力を有した人が、実行に移し、そうした『威権指示を出してた』わけよ~!
それが、ドクターイリヤマとドクターライセン達!
後は、周りから、集団でその人をハメようとして、
本人には、そうした連絡は一切寄こさず、
ちょっとものを言ってからは、そうした情報を聞き出しつつ、
有力な情報と一緒に、同時に、ヨーシキワーカさんの方からは、箱洗いの話や、掃除の話をして、話がゴチャになるようになったの!
あくまで、箱洗いの事を良く知っているのは、ヨーシキワーカさんだけ。
内情を良く知らない人達なんかは、少ない言葉の、覚えていた限りの言葉をツギハギツギハギして、如何にして調整を利かし、
こうした話じゃないのか!?
――とする説を持ち出してまで、そうした情報を無理にでも持ち込んでいった線があるわけよ!?
下手な連絡網の取り次ぎ回しね。
で、それがやがて、大きな誤解と原因を招くようになっていて、
そーゆう無理がたたって、最後は、『自滅の一途を辿っていった』んだからーっ!」
「じ……自滅……。えっ……なぜ!?」
――次いでエメラルティさんが。
「当然の帰結なのよ!」
「……!」
「イリヤマ先生が、職業訓練校時代の12月中から、遠くの方まで、騒ぎの原因を持ち込んでいた以上、
それが2,3年間も続けば、いったいどうなって、転んでいくか……!?」
「……」
「その騒ぎは、必ずと言って良いほど、人の手を離れて、暴走化していき、肥大化していっちゃうものよ!
自分達が言った覚えない、言葉さえそこには含まれていて、
時にそれが、牙をむく事だってあるの!
ついに、人の手を離れて、御しきれないまでになって、自滅を誘った要因だったのよ……!」
「……」
「そして、『ウソの自己破産申請』なったの……。そうした『責任話を取る』ためにもね……」
これには、恵ミノルさんを推しても。
「えっ!? 『ウソの自己破産申請』……。えっ、先生が……か!?」
うん
と強く頷き得る美人三姉妹。
エメラルティさんは、こう語る。
「ヒソヒソ話による聞いた限りの話では、
月見エビバーガーオーロラソース社から、依頼を請け負ったものだったのよ!
いわゆる、依頼による契約を請け負った類のもの!
内情はこうよ。
ヨーシキワーカさんを引き留め、昔の会社に、無事に呼び戻してください、というものだった。
ここには、責任話も、何もないわ。借金も何も負っていないんだからね。
これは、昔の会社の人達が、よーくわかっているはず!」
「……」
あの答えを知っている限り、そうした責任は何も負っていないわけだ。
つまり、周りの人達が、いいようにウソをついて周っていた線があるわけだ。
「でも、契約上の依頼である以上、その人達にものを言って、頼む以上、お金を積まないといけない。
それが大人の世界だからね。
金で請け負っていた依頼だった訳よ!?
ここには、イリヤマ先生、ライセン先生、ミシマさん、ヨシュディアエさん達が絡んでいてね。
お金を、もう受け取ってしまっていた訳よ。
依頼を請け負った以上、大人として、無理にでも何でも、遂行するしかなかった……。
本人のそうした要望を意見を、無理にでも何にでも、捻じ曲げようとしてね。
……まぁ、絶対に無理なんだけど……も、それはもう最初から何もかもね……」
「……」
最初から、無理な話である。
「だから、周りから何だかおかしな事態になるようにして、無理にでも何にでも、取り次いで周っていた訳よ。
それが借金を負っていた話で、ミシマさんが代わりに、建て替えたという、『でっち上げたウソの話』。
ミシマさんの所には、3日間しか行っていなくて、
その3日目が終わった後で、もうそれだからね……。
相当、土台からして無理があった訳よ……」
とこれには、ミノルさんも、アヤネさんも。
「初めから、無理があるだろそれ……?」
「で、どうやったのよその人……?」
「『無視を決め込んだ』そうよ。
そうした『現場』には、『本人はそもそも行っていなくて』、『不在』で。
そうした『サイン』も何もかも、『していない』からね。
ミシマさんにも、そーゆう話は、『何も頼んでいない』からね」
「現場に行っていない……。不在……」
「サインも……していない……」
「何も……頼んでいない……」
「そうよ! いわゆる、『ミシマさんからの嫌がらせ』だった訳よ!
で、人伝を介して、集団の声を買っていた訳よ。
……まぁ、それがバレた頃には、散々なまでな目に会っていたんだけどね……。
無理にでもなんでも、人のせいにして……」
とこれには、ミノルさんも、アヤネさんも、スバル君も、アユミちゃんも。
「……なって、当然だな……」
「ええ……『特殊詐欺』だって、わかっていれば、『下手に動かなければ』、『それ以上悪くなる心配はない』からね……」
「後は、自分の無罪さえ、立証しちゃえば……」
「逆に、ミシマさんや、イリヤマ先生や、ライセン先生や、ヨシュディアエさんが、たまらず、負けていくわけね……」
「ええ、だから、昔の会社さんとしての立場としては、
ヨーシキワーカさんを引き留め、呼び戻すことも叶わなかった以上、
今までに積んであった大金もたたって、そうした『責任話の追及を取らざるを得なかった』……。
つまりは、相中に立たされたわけよ?」
「……」
「昔の会社と、父親と母親を介した昔の職場連中から親族関係から、相中に立たされてしまったイリヤマ、ライセン、ミシマ、ヨシュディアエさん達。
こっぴどい目に会うばかりだったわ」
それが相中に立たされた人達の請負の話である。
最初から何もかも、相当無理があった訳だ。
本人は、下手に動くな、である。
先に、調査報告書をまとめ、無罪を勝ち取れば、勝ちなのである。
「奇しくも、同時期、昔の会社は倒産の危機にあったらしいから……。
領収書が見つかった年で、やったのは、オオ……なんとかさんでも、支払い切れるものでもない……。
知ってる? それはね、その会社じゃなくて、隣の会社が代わりに建て替えたようなものなのよ!?
その額1億円以上!!
領収書には、その隣の会社の人が立て替えた以上、経理計算上、『利子』の話がついて周るものなのよ?
例え、中のいい隣の運送会社さんでもね?
そうした会計を預かる人が、一番やっちゃいけない事なの!
会計計算するうえで、不正支出となっちゃって、知らぬ間に利子になっちゃってるからね。
その利子も、段々とネズミ算式に上がっていっちゃうからねぇ~。
で、ついには、謎会議を経て、倒産と!」
これには、ミノルさんも、アヤネさんも。
「まさか、我が社が倒産するとは……」
「そして、アウトレット店へ、浮浪者の溜まり場へ、スラム街へ……貧困外へ……」
これには、スバル君も、アユミちゃんも。
「うわっ……ひでっ……!!」
「領収書で……倒産……」
「ええ、その領収書の保存期間も、定められていてね。『原則7年間は会社の中で保存』しないといけない法律が定められている訳よ!」
「領収書は……」
「原則7年間の保存期間……」
「ええ、7年間耐え凌げば、何とかなる話……!
だから、ヨーシキワーカさんに限らず、
その年を境にして、その中にいた人達に対して、そうした責任話が挙がり、借金を負ったからと、そうした付帯金の話が持ち上がる訳!
でも、捨てたのは間違いはなくて、もうゴミ箱に捨てたあったものだから、救いようもない話……!
そうした問題は、『元々』を辿れば、その会社の人達は『何も知らなくて』、
オオ……なんとかさんを介して、どこかの会社間や職業訓練校や国の公的機関から、『話が持ち込まれていった線』がある訳よ!
だから、もうどうしようもない話なの!」
「……」
犯人は、どこかの会社間や、職業訓練校や、国の公的機関である。
絶対に許されない犯罪行為である。
「だから、他の誰かが、負わないといけないとする話に、『すり替わっていって』……。
それが、イリヤマ、ライセン、ミシマ、ヨシュディアエさん達の話から、『すり替わって』……。
また、『他の誰かさん』へ。
支払先の付帯金の話が、無理にでも何でも、でっち上げられて、
そうした紐づけが、そうした『紛失した領収書の不正支出案件』に繋がっていった経緯がある訳よ!
だから、限定されたその会社だけじゃなく、他の民間の企業さんにも、影響がもう出兼ねない訳!
同時に、倒産の危機にあった会社さんを救うおうしてね……!?」
「……」
「でも、ここで、ヨーシキワーカさんは、ンンンッ!? となっちゃって、何だか、話がおかしな話に変貌していっちゃうでしょ?」
「た、確かに……!?」
「そ、そう言えばそうだよねぇ……!?」
「あぁ、そーゆう感じね。
周りには、ウソをついて周って、また、そうやって、『責任追及を逃れ』、次の標的を狙うようにして、『虎視眈々と狙っている』線がある訳よ!
それが特殊詐欺ならぬ、国の公的機関の先生達や職員さん達の職権乱用における特殊集団詐欺事件!
次の標的(ターゲット)を求め、また、『盗り立てる』為の話になっている訳よ!」
「……」
「もうブラックリストよ!」
「ブラックリスト……」
それは、怪しい連中だった……。イリヤマ、ライセン、ミシマ、ヨシュディアエ、都合この4名とは、関わべきではないだろう。
僕は、こう思う。
(もしも、地球人の難民達に、その人達がいたら、相当危険なんじゃ……!?)
僕は、この時から、一抹の疑念を抱いていたんだ。
☆彡
【掃除の話が、役立つか否か!?】
――この話を聞いた、アンドロメダ王女様を推しても。
「うむむ……なんともしょうもない事から、こうまで発展していったものじゃ!?」
次いで、シャルロットさんが、こう言ってきて。
「まぁ、自分の昔いた職場の話を、『先』にそのイリヤマ先生方から、持ち出されていましたからねぇ……。
それも、7月ぐらいに……。
ヨーシキワーカさん(その人)が、そーゆう事があって、掃除の話を持ち出していったのは、あくまで『後』なのですから……。
それも、8月か9月ぐらいに……。
にしても、掃除って、何だか短絡的過ぎやしませんか?」
「しょうもな……」
わらわは、そう、吐き捨てたものじゃった。
そこへ、なぜか、エメラルティが、こう進言してきおって。
「実際、現実とは往々にして、そんなものでありふれたものなのよ!?」
そこへ、相槌の声を打ってきたのは、サファイアリーさん。
「そうそう、実際、どこもそうしたもんよ!
それを赤字経営の会社側が、認めるか、否かって話になって、
ズルズルと長引いて、2,3年も、時間を無駄に過ごしたぐらいなんだからね!? 事実に基ずく、『体験談』に似せてたらしいわよ」
そう、サファイアリーが言ってきおって。
これには、わらわを推しても。
「フムゥ……。これが、何の役に立つか……か!?」
わらわの脳裏に過ったのは、まさに、そこじゃったわ。
そこへ、子愉快な笑みを浮かべつつ、シャルロットめが笑ってきおって。
「フフフ」
(何を笑っておる? シャル……)
わらわは、顎に手を当てて考えていたポーズを止め、この娘子を見やるのじゃった。
「これは、何か、ホントにいい話ですねぇ~」
「ナヌッ!?」
シャルロットめは、こう物思いにふける。
「待てよ……。半分……いえ、30%前後は、後からでも盗り立てできそうですね。
法律か……。
機が熟して、実を結ぶのは、おそらく、この5年したら後……」
「……」
この娘子は、恐い事を考えておったわ。
先読みをしている、この時、既に。
「フフフ」
「……」
「……」
それを、その様子の変化を、この時、わらわと、スバルが見ていたのじゃった。
――彼の者は、こう、小さな声で呟きを落としおる。
「――地球人類が、そうした不手際を出す確率は、100%以上!
これは、確実に目に見えている。
ここに来たばかりで、学問も知識も、技能も経験もなく、何もない事から、ふとした拍子に、そーゆう不手際が起こり易い……!」
「……」
「……」
それは、未来を見据えた、先読みの知見じゃったわ。
「この時、対応に当たるのは、その星の、職場の住人達。
人それぞれに、考え方が違うでしょうから、意見交換がままならず、ふとした拍子に衝突の原因に陥り易い……。
嫌になったその人は、ちょっとした嫌がらせを、行為を企てるものでしょう。
この時の確率は、99%以上」
「……」
「……」
それは、まるで、眼に浮かぶようじゃったわ……。
確実に、その未来が起こる。
「だけど、この時、ポイントになってくるのが、単純な器物破損ではなく、別の要因なんだとしたら……!?
さっきの話のように、ただの人手不足や、掃除のし忘れが、そもそもの原因なんだったとしたら……!?」
とここで、アンドロメダ王女様、Lちゃんが、こう言うものだったわ。
「ただの、赤テープの剥がし忘れか……」
「黒いヘドロだね……」
「意図的に、その人からやったものではなく、そこに残った人達の、ただのし忘れ。
工務に言えば、無事、回避できていた……と思いますからね。
まぁ、報告のし忘れや、報告の仕方などの説明の仕方が、わからない……と見るべきでしょう。
作業量が、忙しすぎていて、できなかった……と。
ヨーシキワーカさん、1人に任せていた……弊害とみるべきでしょう!?」
「……」「……」
それが、当たりだった。
3時間も前倒しで、入ってきたばかりの新人社員さんが途中から止めていく以上は、避けられない現実である。
「また、時と場合と、時間の経過によって、金属摩耗などを引き起こし、自然とそこの会社の機械が、経年劣化で壊れたのだとしたら……!?
勘違いの早合点のゲームになり易い。
ポイントになってくるのは、その会社の設立年と今日までの年数。
おおよお、30年ぐらいでしょうか!?
つまり、会社側は、その事実を知っていて、そうした責任追及の結びつきを、後から、辞めていったその人に結び付けてくるキライがある。
それが、犯人探しゲーム。
この話に乗っていったのが、ドクターイリヤマ達」
「……」
「……」
その話を聞く、アンドロメダ王女様にスバル君。
――そして、エメラルティさんが、その心の内で。
(――そう、これが、その職業訓練校時代の話。あの人は、それに巻き込まれたの)
――そして、ここからが転機の話。シャルロットさんは、こう語る。
「――ですが、ここで、もしもあたし達が、似たような経緯と経緯がって、後から参加でもすれば、フフフ」
「……」
「……」
この時、シャルロットさんは、それは悪い笑みを浮かべていたものだった。
素直に、何だか怖い恐い~~ぃ……。
「……1つ、お尋ねしますが……。エメラルティさん?」
「……はい、何でしょうか?」
場に、静けさが籠る。
シャルロットさんは、こう言ってきて。
「どうして、その人は、勝ちを治めたのすか?」
「……」
心に思うは、この一言、(その勝ち方を知りたい……)だった。
彼女は、こう続ける。
「ちょっと考えました。
フツーにどうやっても、絶対に勝てませんよね……これ?
今まで、誰1人として、勝った試しがない以上、そこに至る過程と結果があるものです。
何か、ご存じなのでは!?」
「……何も悪さをしていないのよ……あの人は……」
「……」
黙って、その話を聞くシャルロットさんに。
スバル君は、こう呟いて。
「何も、悪さをしていない……?」
心に思うは、この一言、(どうやって、それで勝つんだ……?)だった。
その呟きに、エメラルティさんが反応して。
「ええ、そうよスバル君。
何も、悪さをする必要がなかったの。
さっきの人材不足に付属する話で、ちょっといい?」
「……」
「……」
「仮に、あの人がやった悪さは、平均値を上回る作業効率だったわ。
下では、そーゆう風に動いていた。
でも、上の方では、上の総務課では、データの集計の記録でしか『見えていなかった』……『数字』しか見えていない……。
あの人は、そこで働く人達は、何も言わなかった事から、『そこを突いていった』のよ。
それが、『作業効率の加速化』!」
これには、アユミちゃんも、スバル君も。
「作業効率の加速化……」
「ギアチェンジみたいなもの……!? ミニ四駆みたいな……!?」
「ええ。そこに数年間在席していた事で、経験を積み、どうやれば、作業効率の加速化をできるのかを、修めていったの。
それは、ヨーシキワーカさんだけじゃなく、他のライン全員での取り組み方だった。
良く言うでしょ? 従業員とは、その会社の歯車の1つなんだと」
「……」
「会社の歯車の1つ……、ギアチェンジ……」
「そう、ヨーシキワーカさんがやったのは、まさに歯車。
標準ギャーからスーパーカウンターギャーへの任意の切り替えだった……!」
「スーパーカウンターギャー」
「相性がいいのは、トルク重視……」
ミニ四駆では、モーターはトルク、ギャー比はスーパーカウンターギャーが、最も効率的である。
公式の大会などでは、直線のレブよりも、カーブが多いのでトルク重視の方が、遥かに効率的である。
口径の大きいタイヤでタイムを縮めるか、それとも口径の小さいタイヤで連続カーブに対処するか否か、口径を変えて、コースに合わせていくのが効率的である。
「そうして、数年間在席していく中で、無駄な動きを削ぎ落していくようにして、
ついに、運送トラックの積み荷卸が、3時間も前倒しされてしまう……。
その作業時間内終われないといけないから、そう済ませるようにして、立ち回っていたそうだわ。
これが、大ベテランにはできて、新しく入社してきた新人社員さんには、できない事なのよ!?」
「……」
「……そうした状態が、数年間続いていき、その異常を、『当たり前』の事なんだと、『思い込ませていた』。
それが、上の総務課の人達が、データの集計での数値での視方。
まさか、異常だなんて、思わなかった……。
自分達は、それをできて当たり前の事なんだと、思い込んでいた。
……そう、数年間の間、そうやって、全ラインの人達が、思い込ませていたのよ!?
その当たり前の数値を、異常だなんて、思えなかったの。
だから、大ベテランの抜けた穴は、何よりも、埋め合わせができないほど、深く……重い……」
「……」
「……」
これには、スバル君も、アンドロメダ王女様も、重く沈黙したほどだった。
――そして、シャルロットさんは。
「フフフ、それは、とってもいい事を聞きました!」
「……」
「なるほどなるほど、数値では、見えない処がありますからね!?」
「……」
「ふとした拍子に、そーゆう方が抜けていった事で、ははぁん……読めましたよ、勝ち筋が……」
それは、なんとなくだったわ。
そこへ、アンドロメダ王女様が。
「……何を考えておる? シャル?」
「王女様、これは簡単な職への斡旋の話ではありませんよ?」
「……」
(それはわかっておる。この話を聞いていれば特に……)
「職への話である以上、お金は向こうから出すものです。当然、向こうは損していきます。
アンドロメダが、アクアリウスが、ソーテリアがです。
……スバル君? 何か考えはありますか?」
「えっ!?」
そこで、いきなり小学生に振るか? フツー。
「えーとそうだなぁ……。……僕だったら、ヤダなぁ……」
「……」
「でも、経済ってそうなんだよね?
前にヒースさんが言っていたけど。
原材料を作る人がいて、運送する人がいて、卸し売り商会を通して、問屋がたたき、それを会社側が買って、その部品を生産・加工販売してから、
お客様が買う。
それは、1つの星だけじゃなく、惑星間の間で、卸売業が行われている」
「そう! これは、単純な職への斡旋の話ではなく、卸売業なのです! いわゆる商談の話ですね!」
「商談……」
「商談には、顔が付きものです。
それが、会社であり、企業であり、国であり、世界であり、ファミリアなのです。
アクアリウスファミリアが、アンドロメダファミリアが、ソーテリアが、プレアデスファミリアが請け負うものです」
「ファミリア……が請け負う」
「地球人類の難民達を雇用する以上、人の流れがどうしても生じるものです」
「……」
「そこには、必ずと言ってよいほど、先ほどの責任話が、いつかは、ついてくるなのです」
「あっ……」
「意外と、怪しいシステムなのですよこれ? 最悪を、今の内から考えて置いても、よろしいと思いますよ?」
「……」
最悪……。
☆彡
【――その頃、遠く離れた銀河では――】
【スバル暗殺をもくろむ、某組織『アナトリア』】
コッコッコッ
「………………」
と奥の通路から、ローブに身を包んだ姿の彼女は歩いていた。場所は、長い通路だった。
【謎の組織アナトリア コードネーム:『牝馬』Forada(フォラダ)】
そこへ、彼女を慕う信者が声をかけてきて。
「フォラダ隊長!」
「……」
コッ……
と彼女はそこで足を止めるのだった。
代わりに、信者の方から駆けよってくる。
「……いったい、具体的にはどうやられるのですか!? 『商談を逆手に取る』とか言ってましたが……!?」
「フッ……良く考えて見よ?」
「……」
「今、地球人たちには、その資産は何もない……」
「あっ……」
「あるのはそう、『地球』というかけがえのない『資産だけ』だ」
「……行くぞ、信者を集めよ」
コッ……コッコッコッ
と彼女、フォラダは、その歩みを再開させるのだった。
その場に1人取り残された信者は。
「ハハッ!」
と彼女の意に従うのだった――
TO BE CONTINUD……