第569話 空から、再び?
「うきゃああああっ」
『『『『『うわあああああっ』』』』』
みんなの絶叫が響き渡る
何でこうなってるのぉぉっ?
『『『サーヤーっ』』』
『『『みんなーっ』』』
さすがにおいちゃんやおばあちゃんたちも焦ってます。だって
〖おい⋯⋯バート、医神、なんでアイツら空にいるんだ?〗じとぉ
『大丈夫か?泣いてるのもいるぞ』
そう。『あ~ああ~』のターザンロープでみんなが放り出されたのは空の上。現在進行形で落下してきてるのです。
『もしかして、俺らが知らんうちに』
『また新しい転移陣を仕込んだのか?』
『おっかねぇな』
『『『えげつないねぇ⋯⋯』』』
親方たち、またもや何も知らされてなかったようです。完全に目が半目になって、じとーっとエル様たちを見てます。
〖大丈夫ですよ。落下先の安全対策は万全です〗にんまり
『ええ。これ以上ないほどのクッションが待ってますからね』にっこり
エル様とバートさんの笑顔が胡散臭い⋯⋯
『『『え?』』』
『『『クッション?』』』
え?親方たちも知らないの?
「うきゃああああっ」
『『『落ちちゃう~っ』』』
『『『『ぎゃーっ』』』』
どんどん近づく地面。なんか前にもこんなことあったよね~!?
『あの子たち、飛べるのにねぇ?』
結葉様がボソッと⋯⋯
『『あっ⋯⋯』』
そうだった。精霊、妖精、それにモモとスイは飛べるはず。
『結葉様ほど心臓に毛が生えていたら気づいたかもしれにゃいけどにゃ~』
きゅるる『普通は無理かも』
『『⋯⋯ですわね』』
『え~?ひどぉい』
そんなこと言ってる間に
「うきゃああああっ」
『『『『『助けてぇぇっ』』』』』
『『『『『ぎゃーああああっ』』』』』
悲鳴はどんどん近づいて
「うきゃああああっ」ぼすんっ
「う?」もふんっぽよんっ
『『『『『うぎゃぁぁぁぁああああっ』』』』』ぼすぼすんっ
『『『『『あ?』』』』』もっふんっぽよよんっ
あれ?
『『『あっ』』』
『『『そう来たか⋯⋯』』』
『『『最高のクッションって』』』
『『『これは確かに⋯⋯』』』
おいちゃんたち、バートさん達が言ってたクッションの正体に一気に脱力。その正体は⋯⋯
「ふあああああっもふもふ~♪」きらきら ぎゅう~
『め~サーヤたち、いらっしゃいだめ~』
『まさか空から来るとは思わなかっため~』
『『『『『めーめーさんたち!』』』』』
そう。クッションとは、ある意味、聖域のもふもふの頂点、大人めーめーさんたち!
「もふもふもふもふ~♪」しゃかしゃか
きゅるるん『『『サーヤ~』』』
きゅるるん『『『『おちちゃうよ~』』』』
こうなったサーヤは置いといて
『めーめーさん、どうしてここにいるの~?』
ぴゅいきゅい『『おしゃんぽ?』』
ハクと双子が聞くと
『違うめ~』
『エル様とバートさんにつれてこられため~』
『『何のために?』』
『『『おとなめーめーさんだけ?』』』
フルーやフライ、妖精トリオたちも不思議に思って聞くと
『め~大人の牛たちもどこかにいるはずめ~』
みゃ?『もーもーさんもにゃ?』きょろきょろ
『いないのだ。嫌な予感するのだ⋯⋯』むぅ~
みんなできょろきょろしてもいません。姫ちゃんの言う通り嫌な予感がします。
『ま、まあ、とにかく助かったよ』
『そ、そうね。ありがとう』
「ふあっ」
フゥとクゥの言う通り、お礼がまだでした。もふもふで忘れてました!
「ありがちょっ」ぎゅうっ
『『『『『ありがとうっ』』』』』
『『『『どういたしましてめ~』』』』
のんびりまったりもふもふなめーめーさんはやっぱり癒しです!もふもふは正義!
『先のことは分からないですけど』
『今のこの状況はどういう意味なんでしょう?』
『そうね。めーめーさんがここにいる意味も、私たちが空から落ちてきたことも意味がありそうですよね?』
しっかりものの山桜桃ちゃん、春陽くん、青葉ちゃんがこんなことを言った次の瞬間
『さすが青葉たち!その通り!』
急にらんちゃんの声が!
『え~ただいまバートさんから情報が入りました』
『このまま競技に入ります!』
「ほえ?」
なるちゃん、氷花ちゃん、何言ってるの?
『『『いつ競技になったんだな?』』』
『たいりょくそくてい、でちたよね?』
『『『ぅ、ぅん。体力測定言ってた』』』
そうだよね?みんなで訳分からなくて次の説明を待つと
『え~このまま、めーめーさんにぶら下がってどれだけ耐えられるか、耐久レースです!』
『選手の皆さんには、めーめーさんの背中から横に移ってもらいます』
『そういうことですので』
ぱんっ!
「ほえ?」
『『『『え?』』』』
ずるんっ
「ほあっ!?」
『『『『『うわぁっ!?』』』』』
わしっ
バートさんが手を鳴らすと、みんないきなり移動させられて、慌ててめーめーさんにしがみつきます。
『みんな大丈夫め~?』
『しっかりつかまるめ~』
「あ、あい~」
『『『『『ありがと~』』』』』
突然こんな目にあっても優しいめーめーさんたち。
「いちゃくにゃい?」
ぎゅぎゅーしちゃったよ?
『この位なんともないめ~』
『気にしなくて大丈夫だめ~』
「あいがちょ」
痛くないなら良かったよ。
『それにしてもこんなこと考えてため~?』
『他にいくらでもありそうだめ~』
『ふしぎだめ~』
『神様たち変なこと考えるめ~』
めーめーさんたち、まさかの自分たちが連れてこられた理由がこれか~と、呆れ返ってると
〖俺は知らなかったぞ!一緒にするなよ〗
ただ一人、ヴァル様から反論が
『『め~それは』』
『『すまんめ~』』
いやいや、めーめーさんたちが謝ることではないような?
『まあまあ、良いではないですか。サーヤの大好きなもふもふですし、サーヤも頑張れるでしょう?何しろ大好きなもふもふに埋もれていれば良いのですから』ふふ
「う、うにゅ?」
そ、それはそうだけど?
〖サーヤだけではありません。皆さんもつかまりやすいでしょ?それに、サーヤたちちびっこたちが子グモたちと同じような格好でしがみついてるので、ほら〗
『ほら~?』
ぴゅいきゅい『『なぁに~?』』
〖アイナとリノが〗にっこり
「ふえ?」
『アイナ様とリノ様~?』
アイナ様たちがどうしたの~?
「ふあっ!?」
『『『『『怖い~っ!?』』』』』
『ああっ、めーめーさんの体にめーめーさんのお顔のおしりがついてますわ~』
『ちびっこ達ががんばってはりつく姿、尊いですわ~』
だばだば~
『みぎゃーっ!エル様ーっ魔法陣が追いつかないにゃーっ』
『嫌だわぁ、なんでこうなっちゃうのかしらぁ?』
もはやホラー⋯⋯
〖ほらね?〗にこ
『みなさんが可愛い証拠ですよ』にっこり
「ほええ?」
そんなニッコリ言われても~?
『それはいくらなんでも~?』
ぴゅいきゅい『『なんか、や~』』
『『『『『うん。いや~』』』』』
ホラーは嫌です。
『まあまあ、とにかくがんばってくださいね』にこ
〖もふもふへの愛も試されるかもしれませんね?〗にや
「ふおっ!?」
もふもふへの愛!?そ、それは
「まけりゃりぇにゃい、ちゃちゃかい⋯っ!」ふんすっ
落ちたら負けちゃう!
『いやいや、サーヤ。お前のもふもふへの愛はみんなもう知ってるんだから、無理はするな』
『あらあらまあまあ、鼻息荒くしちゃって⋯⋯。手も足も小さいんだから無理しないのよ?どうしたってあなたはまだ二歳なんだから』
おいちゃんとおばあちゃんが、サーヤのみなぎるやる気が心配になって声をかけるけど
「もふもふはしぇいぎ!さーや、がんばりゅ!」ぷるぷる
サーヤはやる気満々!でもすでにぷるぷるしてるような?
『分かった。でも無理はするなよ』
『そうよ。この後、何があるか分からないしね?』
なんたって企画したのがエル様とバートさん。無事にこのまま終わるとは思えない⋯⋯
「あい。がんばりゅましゅ!」ぷるぷる
やる気だけは立派!
〖『ふふふ⋯』〗
エル様、バートさん、サーヤのもふもふ愛を利用するとは、なんて恐ろしい⋯⋯
そして、他の子たちは
『『兄ちゃん、すべるだ~』』
『つくし、なずな、がんばるんだな。でも、爪は立てちゃダメなんだな』
『『はいなんだな~』』
ぽぽちゃん兄弟は、こんな時でも気遣いを忘れない!
『『『ぅぅぅ』』』ぷるぷる
きゅるるん『『『つむちゃんたち』』』
きゅるるん『『『『がんばろう~』』』』
『『『ぅ、うん。がんばろ』』』
子グモちゃんと、小鬼ちゃんたちは互いに励ましあってます。
『『『あ、青葉、あとは、まかせたよ⋯』』』ずるんっ
『みんなっ』
あっ!と、思った瞬間、おしりの重い泉の精霊さんたちが落ちたと思ったら、シュンッ!と、消えた。
『『あ、泉の精霊たちがっ』』
『『最初の犠牲に⋯⋯』』
フゥ、クゥ、山桜桃ちゃん、春陽君、言い方がぁ。
もしかして、また転移?また空の上?とにかく消えちゃいました!
〖おい。医神、バート⋯⋯〗じとぉ
『ご心配なく』
〖ちゃんと無事ですよ〗
〖ホントだろな⋯⋯〗じとぉ
とりあえず、無事?
ぴゅいきゅい『『いなくなっちゃったよ』』
『そうだね~』
『『落ちないように』』
『『『がんばろう』』』
みゃあ『わかったにゃ』
『あ、鹿の子ちゃん、がんばるのだ!』
『⋯ううう、だめでしゅ、むねんでしゅぅ』ずるっ シュンッ!
『『『『『『あっ』』』』』』
『鹿の子ーっ』
『『私(僕)の天使ーっ』』
つかまると言うより、背中に前足を引っ掛けて後ろ足で踏ん張ってた鹿の子ちゃん、脱落!
『おいおい』
『ほんとにいつの間に?』
『もはや俺たちの知らないコースだな』
『『『えげつないねぇ』』』
親方たちはお手上げ状態。
きゅるる『あの二人、組ませたら危険』
『『『違いねぇ』』』
『『『だねぇ』』』
たしかに。絹さんの言う通り。
「うにゅにゅにゅ~」ぷるぷる
『サーヤ大丈夫~?』
ぴゅいきゅい『『ぷるぷるちてるよ』』
「うにゅにゅ、もふもふはしぇいぎ~」ぷるぷる
離したら負けちゃう~
『いやいや、これは持久力の問題だから』
『どう考えたってサーヤよりみんなの方が握力だってあるからね』
「うにゅにゅ~」
フゥ、クゥ、でも、もふもふへの愛が試されるって~
『そうですよ。手足の大きさだって違うんですから』
『そうです。サーヤちゃんのもふもふへの愛が誰よりも強いのは皆さん知ってますから』
「うにゅにゅにゅ~」ぷるぷる
春陽君、山桜桃ちゃん、でも~
『だからサーヤちゃん、そんな無理しないで⋯⋯お顔、真っ赤ですよ』
『うん。湯気出てるね~』
ぴゅいきゅい『『ぷしゅーって』』
「うにゅにゅ~ぅ」ぷるぷる ぷしゅーっ
青葉ちゃんも、ハクたちも、湯気なんか出てないよ~
『『『出てるんだな』』』
『『『ぅ、ぅん。出てる』』』
ぽぽちゃんとつむくんたちまで~出てないよ~
『め~そろそろ時間だめ~』
「う?」
みゃあ『じかんにゃ?』
『なんの時間なのだ?』
めーめーさんが時間なんて言うの珍しいね?いつものんびりしてるのに
『バートさんが念話で言うように言ってきため~』
『め~レッツ・シェイク』
「ふえ?」
『『『『『え?』』』』』
ぴゅいきゅい『『しぇいく?』』
不穏な言葉に固まるちびっこたち。そして
『『ま、まさか』』さーっ
『『また?』』さーっ
まさか、またさっきの?と、一気に顔を青くするフゥたち。そして
『みんな、しっかり掴まって~っ』
青葉ちゃんが声を上げると
『め~ゆらすめ~』ゆさゆさ
『シェイクシェイクめ~』ゆさゆさ
『縦ノリだめ~』ゆっさゆっさ
『ウエーブだめ~』ゆさぁゆさぁ
一気にめーめーさん達が体を揺らし始めた!
「うきゃああああっ」
『『『『『うわ~あっ』』』』』
『『『『『やっぱりーっ!』』』』』ひいいっ
みんなの絶叫が響き渡る。そして
『『『『『うわあああああっ』』』』』ぱらぱらぱらっ
みんな次々に落ち始めたっ!
「うにゅうううっまけにゃい~っ」むきゅーっ
『おお!サーヤががんばってるな』
『あらあらまあまあ、良く落ちないわね~』
ずるっ「ふお?」
『『あ』』
「うきゃああああっ」しゅんっ
『言ってるそばから落ちたな』
『あらあらまあまあ、そして消えたわね』
きゅるる『どこに?』
『『あ』』
そうだった。どこに?
『あっ!急にもーもーさんが現れたわよ』
『あれ?それに先に落ちた子たちもいるわね?』
『何してるの?あれ』
やっと復活、らんちゃんたちの実況、そうなのです。めーめーさん達から離れて、さっきのアスレチックの横にいきなり今度はモーモーさんがっ!しかも
『『『きゅっきゅっきゅっ』』』
『しゅっしゅっしゅっ』
『その調子だも~』
『上手だも~』
『あと少しだも~』
『『『がんばる!』』』
『がんばるでしゅ!』
泉の精霊さんと鹿の子ちゃんがミルクを搾ってます。そこに
「うきゅあーっ」
『『『『『うわあっ』』』』』
空からバラバラとサーヤたちが落ちてきて、スライムさん達がキャッチ!ぽよよん♪
「い、いきちぇりゅ」
ぴゅいきゅい『『うん』』
『生きてるね~』
良かった~
ぷるるん『『まったく、空から落とすなんて』』
だよね?アルにアウルのおかげで怪我もありません。
「あいがちょ」
ぷるるん『『どういたしまして』』
『それで、何で薄花たちはもーもーさんの乳搾りをしているの?』
青葉ちゃんがごもっともなことを聞くと
『これが次の課題だって』
『このバケツいっぱいにするんだけど』
『腕がぷるぷるしちゃってね』
『なかなかたまらないんでしゅ!』
「ふあっ」
『『『『『えっ』』』』』
乳しぼり!?
「にゃ、にゃんでしゅと?」ぷりゅぷりゅ
がんばってめーめーさんたちにつかまってたから
『お手てぷるぷるしてるよ~』ぷるぷる
ぴゅいきゅい『『ちてるよ~』』ぷるぷる
だよね?ぷるぷるだよね?
みんなが自分の手を見て震えてます。
『そうなんでしゅ』
『『『だから、なかなか上手にできないんだよ~』』』
やっぱり?
『も~でも、上手になってきたも~』
『あと少しだも~』
『がんばるんだも~』
『ありがとでしゅ』
『『『がんばる』』』
そ、そっかぁー
〖ふふふ。がんばって下さいね〗
『あとで皆さんで頂くミルクですしね』
「ふえ?」
『『『『『え?』』』』』
今度はなんですと?
『運動の後のお風呂。そして飲むキンキンに冷えた牛乳』
「ふおっ」
『『『『『それはっ』』』』』ごくっ
〖おや、わたしはソフトクリームを頂きたいですね〗
『たしかに。それも魅力的ですね』
「ふにゅっ」じゅるり
『『『『『ソフトクリーム⋯』』』』』ごくっ
どっちも絶対美味しいやつ!
『きっとゲンさんが美味しいものを用意してくださるかと⋯』
〖師匠でしたら、きっと食事にも⋯グラタン、シチュー、サーヤの大好きなコンポタ、とか?〗
コンポタ!!
「やりゅ!」
『ぼくも~!』
ぴゅいきゅい『『がんばりゅ!』』
『『『『『やるぞー!』』』』』ギンッ
たくさん搾るよ!
『ふふふ。単じゅ⋯⋯可愛らしいですね』
〖そこがよいのですよ。ふふふ〗
〖『ふふふふふ』〗
誰かー!悪い大人がいますよ!
〖おい。ありゃぁ自分たちが食いたいだけとか言わねぇよな?〗
『さ、さあ?まさか、な?どうだよ。お前たちの主人だろ?白夜、天翔』
ヴァル様と牙王様が聞くと
『ほぉ⋯⋯思っていても言わない方が良いぞ』
『そうですね。我が主ながら仕方ないですね』
相棒さんたちにも呆れられてない?バートさん、エル様⋯⋯
〖『ふふふふふ』〗
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
間が空いてすみません。いやぁ~、両親そろって、介護申請したり、父が毎週病院行かないといけなかったり、私が階段から落ちたり⋯中々、色々ありまして。生まれて初めてタンスをひとりで1階から2階に上げましたよ。しかも、父が気に入らなくてまた1階に下ろすという。あげく色々あって階段から落ちて膝やってしまいました。皆さんも怪我にはお気をつけ下さい。
時間見つけてポチポチ書いてるので更新遅くてすみません。お待ちいただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。