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第一話 土の森

25世紀………人類は魔王の誕生によって
現代文明を滅ぼされてしまい
生き残った人類は地下シェルターや火星に新たな故郷を作りそこで暮らしていた。
そして時は流れ……
新世紀6年、魔王は伝説の剣を手にした一人の少年によって打ち倒され、地球に残った人類はついに復興の道を歩み始める。
そして、これを監視していた火星政府は増えすぎた人口を地球に移住することを計画する。
火星政府は国立学園から優秀な生徒を選別し、地球を調査させ、地球に移住させるかどうかの決断を下すことを決定した。これは、過酷な任務に挑む少年少女たちの物語である……。

火星共和国 首都オリンポスにて
「私が地球の調査に?」
「そうだ、お前ならやれるはずだ。期待しているぞ」
「はい……」
地球………どんな場所なんだろう?
「明日に出発してもらう。準備しておけよ」
「はい……」
私の名はソニア・リベルト。
アウソニア学園の首席で、 人類復興計画の総責任者である父と火星政府を支える母が私に期待しているのは知っていた。
だが、私はこの任務に全く乗り気ではなかった。
私の使命は地球を調査すること、つまりは
私はいつ死んでもおかしくないのだ。
「はあ、どうしてこんなことに」
私は部屋に飾られていた家族写真を見つめながら呟いた。
「お父さん……お母さん……」
私を育ててくれた両親……こんな危険な任務なんて……
でも、やらないと……私がやらなきゃ誰がやるの……? 私は覚悟を決めて荷造りを始めた。
そして翌日、地球に向けて出発した。
私の乗った宇宙船は火星から飛び立ち、大気圏を越え、ついに地球に降り立った。
「ここが……地球……」
私は周囲を見渡した。そこには青い空と見たことないものがたくさん生えていた
教科書に載ってたけどこれは”木”というものらしい。
他にも見たことがないものがたくさんあった。見たことない赤い物体何故か食欲をそそられる……
見たことない動物もいる………
でも、ここで立ち止まってはいられない。
「まずは情報を集めなきゃ」
私は歩き出した。
……が、ここで問題が起きた。
道に迷ったのである。
「困ったなあ」
私は途方に暮れていた。そもそも森で遭難している時点で絶望的なのだg……
するとバキッっと音がした。
「え?」
足元には割れた卵があった。
「な、なに?この卵……」
すると地面が揺れた気がした………地震!?
「きゃあああっ!!」
私は悲鳴を上げた。すると地面から巨大な怪獣が現れた。
「え……!?」
嘘でしょ……こんなの聞いてないよ!!
するとだれか私の背中を掴み茂に引きずり込まれる
(な、なに⁉)
「静かに……やり過ごすんだ………」
私を茂に引きずり込んだ人が言った。
(誰……?)
その人は私より少し年上に見える男の子だった。
(どうして……ここに?)
口を塞がれていて話すことができない……
なにがなんだかわからない………
しばらくすると怪獣はどこかに行ってしまった。
「ふう……」
「大丈夫か?怪我はない?」
「あ、はい……」
(この人誰だろう……?)
私がそう思っていると男の子は自己紹介をしてきた。
「僕はユウキ、イカズチの里の出身なんだ」
「そうなんですか……」
「しかし珍しいな、普段人を襲わないグランドバードが襲ってきたなんて」
「グランドバード?」
「グランドバードっていうのはこの森の主みたいなもんだよ。普段は滅多に出てこないんだけどね……」
「あはは……」
(あの卵もしかしてグランドバードの⁉)
するとユウキと名乗った男の子が話を続けた。
「君はどうしてこんなところにいるの?ここは危険だから早く出た方がいいよ?」
(私、任務で地球に来てるなんて言えないし……)
「あ、あの〜変な生き物に家を壊されちゃって……」
私はとっさに嘘をついた。
「ああ、そういうことか……じゃあ僕の家においでよ!」
「いいんですか……?」
「ああ、この先を少し歩けば宿につくよ」
「あ、歩く⁉」
「うん、ほら早くしないと置いていくよ!」
「待ってください〜!」
私はユウキさんの後を追いかけた。
火星ではバイク任せで、歩くなんてことはしたことがなかったから、少し歩いただけでも息が切れた。
ユウキさんは歩き慣れているのか、どんどん進んでいく。
「ほら、着いたよ」
「はあはあ……ありがとうございます……」
(結構距離あったな……)
私が息を整えている間にユウキさんは宿に入っていった。私も急いで追いかける。
宿に入るとユウキさんが受付の女性と話しているのが見えた。
(何話してるんだろう?)
すると女性が私に話しかけてきた。
「お客様、お部屋はお一人部屋でよろしいですか?」
「いや、二人部屋で」
とユウキさんが言った。
「かしこまりました。では、こちらが鍵になります」
(え……!?二人部屋!?)
私は戸惑ってしまったが、ユウキさんは平然としていた。
(まあ、いっか……)
こうして私達は二人部屋に向かった。
扉を開けてみると
広い部屋にテーブルとベッドが2つ……だけだった。
「それじゃあ、僕は行くね。何かあったらすぐ言ってね」
と言ってユウキさんは部屋を出た。
(これからどうしよう……)私は一人になってしまった。
でも、やることは決まっている。
(まずは荷物整理しないと)
私は自分の荷物の整理を始めた。
と言ってもそんなに物は持っていないけどね……
数時間後……
(もう夜か……)
窓を見ると月が見えた。(綺麗だな……)
私は疲れていたのか眠くなってきた。
(今日は早めに寝ようかな……)
私はベッドに寝転がり、目を閉じた。
(私……どうなるんだろう)と考えながら……。

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