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557 おばあちゃんの料理

バートさんのインベントリからは、エル様が消えてしまいそうなものが次から次へと・・・
〖医神っしっかりしろ!〗
〖フッ・・・〗サラサラサラ~
『『砂っ!?』』
ああ、可哀想・・・

そして、こちらは
『すげぇな、こりゃ』
『『はい』』
『あらあらまあまあ、天界の私、ちょっとやりすぎ?』
『楽しくて仕方なかったようですよ』
『な、なるほど?』

「ふお~」
すご~い!!たくさん!こんなにたくさんあったら

「どりぇちゃべよ~」くらくら
迷いすぎて目が回っちゃうよ~

『だよな~。どうすっかな~。色々食べたいだろうからな~。んん~、ん?これ?』
『あらあらまあまあ、天界の私、考えたわね?』
『『え?』』
「うにゅ?」
なんだろね?

『よし!サーヤ、楽しみにしてろよ!今日はこれ使って凛さん尽くしで行くぞ!』
「ふお~お!やっちゃあ!」じゅるじゅるり
『あらあらまあまあ、サーヤ、いつも以上ね・・・』ふきふき
『さあ、じゃあサーヤも、ハクたちも、ここからは俺たちに任せてフゥたちとあっちで待ってろ!』

「ふえ~?」
お手伝いするよ?
『おいちゃん、待ってなきゃダメ~?』
ぴゅいきゅい『『おてちゅだい』』
『『するよ~?』』
だよね?

『いや、今回は盛り付けるだけだしな。楽しみに待っとけ!な?』ニカッ!
『『お任せ下さい!』』にこにこ

「うにゅ~」
そこまで言うなら~
「わかっちゃ~」
『『『まってる~』』』
みゃあ『たのしみにしてるにゃ!』
『じゃあみんなあっち行くのだ!』
「あ~い」
『『『『『は~い』』』』』
みんなで移動で・・・ありゃ?

『ん?ぽぽたちと、小鬼たちも向こうで待ってな』

『『『で、でもなんだな』』』
『『『ぉ、ぉ手伝い』』』
真面目なぽほちゃんたちが、残ろうてしてます。

『大丈夫!楽しみに待ってろ!手伝いはまた頼むからな!』
『『そうですよ!』』にこにこ
『いや、今回は山桜桃と春陽も向こうでいいんだけどな』
『『それはダメです!』』キッパリ
『そうか?なら、頼むな』
『『はい!』』にこにこ

そんなこんなで、ちびっこ達はもれなく追い出されました。

「ちゃのちみ!じぇっっっちゃい!おいち!」じゅるじゅるり
間違いないです!

『サーヤ・・・』
『いつもの三倍くらいすごいな』ふきふき
「うにゅ?」
またでしたか?ごめんなさい。


厨房では

『あらあらまあまあ、ずいぶんたくさんあるわね。ゲンさん、どのお皿でいきましょうか?』
凛さんが見てるのは天界から届いた食器!あと、小物!

『そりゃあ、凛さんスペシャルなんだから』
『『これです!』』ビシッ
『だよな!』ニカッ
『あらあらまあまあ』

何やら満場一致で食器が決まったところで

『じゃあ、盛り付けるかっ』
『でも、ゲンさん。大人用はどうしますか?』
『この器じゃ足りないですし、サーヤちゃんたちのお代わり分も残してあげたいですし』
『あらあらまあまあ、ありがとう』
『いえ!きっと天界の凛さんが』
『一番食べて欲しいのはサーヤちゃんと、ゲンさんですから!』
『え?俺か?』かああっ
あ、赤くなった!

『『はい!』』
『そうですよね?』にこにこ
『凛さん!』にこにこ

『あらあらまあまあ?どうかしら?まあ、こちらまで来てくれるほどサーヤを気にしてくれているお礼は兼ねてるかもしれないわね?私も感謝してるし』

『凛さんっ』うるっ

『え?感謝・・・?』
『だけですか・・・?』

『え?そうね。いつも感謝してるわ。ゲンさんも、もちろんここにいる皆さんに神様たちにもね』にっこり

『『そ、そうですか・・・』』
(ジーニ様、感謝の気持ちだけのようです)
(シア様、凛さんはやっぱりサーヤちゃんのおばあちゃんだったようです)
(おニブさんなだけでしょうか?)
(ゲンさんもそれで喜んでるみたいです)
『『残念です』』ぼそっ

『ん?なんか言ったか?』
『『いいえ』』にこっ
(仕方ないです)
(秘密任務は次回です)

『それで大人用は』
『どうしますか?』

『ん~大人用はこの大人用っぽい食器に、ちびっこたちと同じもんにして、足りない分は今夜のために作ってた飯を食ってもらうか』
『それに、明らかに大人向けの物があるからそれを出せばいいんじゃないかしら?この辺り、唐辛子に、わさびに、柚子胡椒とか使ってるから、サーヤたちには無理よ。これなんかお酒の匂いするし』

『分かりました!』
『ご用意します!』

山桜桃と春陽は仕事にとりかかる。
実は子供たちの中で一番大人たちと一緒にいる時間が多いこの二人。女神様たちや精霊のお姉様たち、ドワーフのおかみさんたちから
〖絶対にゲンは凛のこと好きよね〗
〖ええ。お母様。おそらく前の世界にいた時からだと思いますわ〗

『ええ?』
『そうなんですか?』
突然の大人の会話に参ささせられた。
『ぼ、ぼくたち』
『聞いていていいのでしょうか?』
二人はびっくりするやら、どうしていいやら

〖〖いいのよ〗〗
『『そ、そうですか?』』
こうして巻き込まれていく二人・・・

『でもさ、凛さんは絶対気づいてないよね?』
『私もそう思うね』
『私しゃゲン本人も実は気づいてないんじゃないかと思うねぇ』
〖〖ありえるわね〗〗
『『焦れったいですわ!』』
『じゃあ~山桜桃と春陽は一番ゲンと一緒にいる時間が長いんだからぁ、さり気なぁくキューピットになってもらえばいいんじゃなぁい?』

『『えっ?』』
『む、結葉様?何を仰ってるんですか?』
『む、無理です!私たちそんな重大任務無理です!』
結葉様の特大無茶振り炸裂!さすがに大人しい二人も抵抗したが・・・

『あ、それいいね』
『そうだね。さりげなくでいいんだよ』
『そうそう。難しく考えないでさ』
『そうですわね。さりげなくお互いの気持ちを気づかせるようにすればいいのですわ』
『おふたりなら出来ますわ!』
みんな乗り気!

『『え、えええ?無理、無理です!』』ぶんぶんっ
思いっきりシンクロ!

『大丈夫よぉ~任せたわね~。うふふ』

『『そ、そんな』』
ぽんぽん・・・
『諦めるにゃ。こうなったら止まらにゃいにゃ。ニャーニャも協力するにゃ。頑張るにゃ』うるうる
『『ニャーニャ様・・・』』うるうる
同士!!

そんな訳で密命を受けている二人。頑張っているが、今の所全く成果は無い・・・
『『はぁ・・・』』
『頑張れ(ぷぷっ)』ぽん
『『ミアちゃん』』
(絶対に)
(面白がってますね)


そんなこんなありながら・・・


『さあ、サーヤたち待たせたな!お待ちかねの天界の凛さんスペシャルだぞ!』

「ふわあああああっ」キラキラじゅるり
『すご~い』
ぴゅいきゅい『『くましゃん!』』

そうなのです。一緒に届いた食器はなんと

『クマさん型プレートの和風お子様ランチだ!』ババーンっ!

『何とお椀やコップ、小皿やカトラリーまで』
『全部クマさんなんですよ!』

「ふおおおおっくましゃんにょ、おみみ!」
そうなのです。あらゆるものにくま耳がついているのです!お子様ランチのプレートや小皿はもちろんくまさんのお顔の形!

〖工芸神か?〗
『そうです。凛さんのこだわりを工芸神様が形になさいました』
〖そうか・・・大変だったろな〗
『それはもう・・・』
おばあちゃん、天界でも何してるの?

『今日はな、デザートに合わせて和風お子様ランチだぞ。ワンプレートに色んなものが少しづつ乗ってるぞ。おかわりもあるが、デザートがあること忘れるなよ』
「あ~い!」
でざーと!

『大人たちは普通のワンプレートな。さすがにクマじゃないぞ。子供たちと同じものプラス大人しか食べられないもんと、足りない分は俺たちが作った飯を食ってくれ・・・って聞いてるか?』
『『わかりません。ちょっと怖いです』』
『だな。じゃあ、食べてくれ』

「あい!いちゃだきましゅ!」
『『『『『いただきます!』』』』』
わ~い!おばあちゃんのご飯!・・・ん?

パシッ
「うにゅ?」
見えないよ?
『サーヤちゃん、お食事の時は?』
「ふあっよしょみしちゃ、めっ!」
『そうです。いい子ですね』
「あい!」

『ぷっ。山桜桃ありがとうな』
『いえ!私たちの使命なので!』
『そうか・・・』
「う?」
使命?

『ま、まあ、いいか。ほらサーヤこの小鉢はおばあちゃんの黒豆だぞ』
「おばあちゃんにょ、くりょまみぇ!」じゅるり
『あらあらまあまあ、喜んでくれるのはいいけど、またお口が・・・』ふきふき
「う?ごめしゃい」
『ふふ。体にいいから汁まで飲むのよ』
「あい!」
もちろんだよ!ぱく!おいち~!甘くて、ふっくらツヤツヤ!
『あらあらまあまあ、泣いたら味分からないわよ』
だっておいしいんだもん!

『ご飯はキノコの炊き込みご飯のおにぎり。隣は五目飯のいなり寿司だな。小さめになってるぞ』
「ふおお!はちゃ!」
くまさんの絵の旗が立ってるよ!かわいい!

『ふふ。良かったわね。おかずは、塩麹の鳥唐揚げと、玉ねぎのすりおろしがたっぷり入った、ふっくら鶏つくねよ』
「ふああああっかりゃあげ!ちゅくね!」じゅるじゅるり
大好き!おばあちゃんのつくねはふわふわです!照り焼き最高!唐揚げも柔らかくて肉汁ジュワッてするよ!

『それに甘い卵焼き。お野菜は、ほうれん草の胡麻和えに、レンコンと人参の甘いきんぴらね』
「ちゃまごやき!ごみゃあえ!りぇんこん!」じゅるり
おいちいやちゅばっかり!

『お味噌汁は具だくさん豚汁ですよ』
『おかわりもたくさんありますよ』

「ちょんじりゅ~」きらきら
サーヤの好きなものばっかり~♪
『あらあらまあまあ、何だか違うものに聞こえるわね』ふきふき

『良かったなサーヤ。今日のはまだ一部だぞ。全部は食べきれないから、また今度な!』
「あい!」
つくね~♪ぱくんっ
「ふああああ、おいち!」
ほっぺた落ちちゃうよ~
『あらあらまあまあ、あら?何だか周りが静かね?』
「う?」
あれれ?

『おお~この光景久々だな』
『はい。最初の頃ですね』
『皆さん、凛さんのご飯が美味しすぎて固まっちゃったんですね』
「ふお~しゃしゅが、おばあちゃん」キラキラ
『あらあらまあまあ?嬉しいわね』

『まあ、仕方ないな。凛さんの飯は美味いからな。今のうちに山桜桃と春陽も食べよう』
『『はい』』
二人もだいぶ逞しくなったね。
しばらく美味しいね~って食べてたら

『『『『『なにこれーっ』』』』』
『おいしいおいしいおいしいよ~』
ぴゅいきゅい『『おいち~♪』』

みんなすごい勢いです。お皿まで食べちゃいそうです。大人は
〖それは俺んだ!〗
〖おや、名前はありませんよ〗
〖うがーっ表に出ろ!〗
〖嫌ですよ〗
わあ~争奪戦だ

『まあ仕方ない』
『『そうですね』』
『あらあらまあまあ、サーヤ、しっかり噛んで食べるのよ』
「あい」
もっきゅもっきゅごっくん
「おいち♪」
味わって食べなきゃね!
あれ?デザートは?

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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