かしまし幽姫と都市伝説 其ノ七
やっとこさ井戸の底から
全身ズブ濡れグロッキーなわたしとお岩ちゃんを眺め、お露ちゃんが楽しそうに
「きっと来るぅ~♪ きっと来るぅ~~♪ 」
「それ、別の〈
条件反射的に抗議したわよ!
わたしにだって〈本家・井戸幽霊〉のプライドがあるもの!
とりわけ、その〈
「ハァ……ハァ……お菊~~ぅ! てンめぇ~~!」
「だから、ゴメンってば!」
怖いよぉ!
水も
「これで、ますます
「どうして、そうなるのッ?」
不屈?
この
「もうダメぇ~……わたしの手に負えな~い! お露ちゃん、何とかしてぇ~~!」
「ふぅ……仕方ありませんわね」
泣きつくわたしに、これ見よがしな
「お岩ちゃん? 散々息巻いて
「ああ、スマねぇな……ゴキュゴキュ」
何の
この上なく不自然なシチュエーションだっていうのに……。
と──「プハァ」──まるで炭酸飲料でも飲んだかのように清涼な
あれ?
で、
今度はゴキュゴキュじゃなくてゴクゴクと。
また
ペトル見つめる。
またまたコクコク──鎮まる──熱に潤んで見つめる──チビチビ──鎮静化──思い詰めたかのような
「ああ~ん♪ コレ好きぃ~~ん♡ 」
恍惚でペトルへと頬擦りしだしたわ!
クネクネ身悶えしだしたわ!
キショッ!
「おおおお露ちゃん!
「失敬ですわね。
「だから、何をッ?」
わたしの動揺に答えたのは、背後でトリップしているキショ幽霊。
「伊●衛門~~♡ 」
「まさかのお茶だったーーーーッ?」
「クスクス♪ お岩ちゃんを鎮めるなら緑茶の〝伊●衛門〟……ブチ切れさせるなら
「何でッ? 旦那さんと同じ名前だからッ? メンドクサイよ! いろんな意味で!」
「伊●衛門~~♡ 伊●衛門~~♡ 」
少し黙っててくれるかな?
キショ幽霊?
「あのぉ……スミマセン?」
「「いーよいーよ」」
「意外に
うん、そうよ?
そもそも、どうでもいいのよ?
だって、お岩ちゃんに振り回されただけだもの。
「あ! でも一応、あの子に謝ってね?」
「……はい」
わたしに
「脅かしてしまって、すみませんでした」
「あ、いえ……あの?」
うん♪ よしよし★
一件落着!
「そ・れ・か・ら! もうこんな真似しちゃダメだよ?」
「はい……って、え? ええぇぇぇ~~ッ?」
「お菊ちゃん、それ遠回しに
「伊●衛門~♡ 」
「そうですよ!
「マスク売ればいいじゃん?」と、無邪気な笑顔コクン★
「別に大量の在庫を抱えてるワケじゃないんですけどッ?」
「そうなの?」
「そうですよッ!」
「う~ん? じゃあ、美味しく
「ありませんけどッ? そんなプロ技能ッ!」
「もう! 次から次へと頭ごなしに否定しないでよ! こっちは誰得承知で親身になっているってのに! じゃあ、何の
「
「…………」
「…………」
「道具は正しく★」
「可愛くテヘペロ正論で、私の
何よ?
正論なら、いいじゃない?
「伊●衛門~~♡ 伊●衛門~~♡ 」
キショ幽霊、ウルサイ!