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第3話 出迎え

きぃーっ

『さあ、着いた』
門を開け、庭に入ると

パタパタパタパタ

『ご主人様っ』
『おかえりなさいなのですっ』
音を聞き付けて迎えが来た。

『ただいま帰ったよ。すまないね、みんな協力してお湯を沸かしてくれるかい?あと、布団の準備と⋯』
この子を綺麗にしてあげて、寝かせてあげないとな

『わあっその子どうしたですかっ』
『大変なのですっぼろぼろなのですっ』
くるくるくるくるっ

『あ、ああ、そうだね。だからね?』
自分の周りをくるくる翔び回って慌てる子たちを落ち着かせようとするが

『大変なのですっ』
『皆の者出会え~なのですっ』
ぱたぱたぱたぱたっ

『こ、こら、お前たち落ち着いてっ』
静かにしないとこの子が起きてしまうではないか

『『『『『なになになのです~?』』』』』
『『『『『どうしたです~?』』』』』
わらわらわらわら

『あああ⋯』
みんな出てきてしまうではないか⋯

『ご主人様が女の子拾ってきたですっ』
『ぼろぼろなのですっ』
『『かわいいなのですっ』』

『『『『『ええええっ?』』』』』
『『『『『ゆ、誘拐なのです!?』』』』』
ずざーっ


『違うっ!』
なんてことを言うのだコイツらは!


『『『『『冗談なのです』』』』』
『『『『『ですです』』』』』うんうん


『くっ⋯』
こいつらっ


『皆の者、ご主人で遊んでる場合ではないのですっ』
『今はお客様の手当が先なのですっ』


『なっ』
遊っ⋯!?


『『『『『ハッ!そうだったです!』』』』』
『『『『『遊んでないで働くです!』』』』』


『くっ』
本当に遊んでたのかっ


『お湯沸かすなのですっ』
『お布団用意するですっ』
『お洋服もですっ』
『タオルもですっ』
『食べ物もなのですっ』
『何食べるですかっ?』
『とりあえず消化いいものがいいなのですっ』
『色々作ればいいですっ』
『そうなのですっ』
『ご主人様はその子見てるですっ』
『お薬もよろしくなのですっ』
『花うさぎさんたちに妖精さんたちごゆっくりなのですーっ』
バタバタバタバタッ


『あ、ああ、頼む、ぞ⋯』
な、なんと騒がしい⋯いつもながら⋯いや、いつも以上か?それにしても

『こんなに騒がしくても起きないのだな』
『す~』
腕の中の幼子はこんなに騒がしくてもまったく起きる様子はない。
花うさぎと妖精たちも心配そうに見ている。

『何があったのか分からぬが、余程疲れているのだな。さて、花うさぎに妖精たち、話を聞かせてもらおうか』

『『『⋯はい』』』
『『『⋯』』』こくこく

先に出会い、ここまで連れてきたのはこの子らだ。詳しく話を聞かねば。
ああ、彼女にも一緒に話を聞いてもらわねばな。声をかけなかったら後が怖いしな⋯


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