(モノローグ・バイエルン)ノブレス・オブリージュ ぱーと2
我輩の名前はレスタ・フォン・バイエルン🧔🏻 伝統ある誉れ高き子爵家貴族の一人だ。
良かった。名前が認識できている。
我輩はまだ大丈夫なようだ。
冒険者ギルドマスター⚔のシュラクが謝りに来た。
彼の心の内を聞いた。本当に真摯に我輩に訴えかけてきた。
我輩の息子ハインリッヒがどうやら増税の件をモンスター討伐👿の資金に回すように指示したらしい。
それならばと、シュラクが我輩の復権については待ってほしいと願い出てきた。
シュラクが我輩と皆の間に立たされ、どれだけ辛い思いをしたのかも知った。
シュラクに頭を下げさせるなんてとんでもない。
我輩は、すぐに頭を上げてくれと言った。
心の痛み💔を知った今だからこそ、彼が受けた苦痛💔が理解できる。
気がつけば我輩の方からシュラクに頭を下げていた🙇
シュラクが慌てていたが、そんなことは関係ない。
我輩は人として間違ったことをしていたのであれば、頭を下げるのは当然だと思えるようになった。
我輩はシュラクに今まで苦労をかけたことを、素直な気持ちで謝罪したのだった。
思えば我輩は、ずいぶんと謝らなければならない人間が多いようだな……。
冒険者たち⚔に対してもそうだし、あのケイゴオクダに対してもそうだ。
他にも町の各方面に迷惑をかけたと思う。
そうだな……。そろそろ家の敷地外にも出てみよう。
それが出来たら町の皆に謝罪し、可能であるならば交流を深めよう。
ただひとつ、今回の件でひっかかるのは息子の考えていることが良く解らないということだ。
このことはシュラクにも伝えた。
増税したかと思えば、急に冒険者ギルドのため町の安全のためだと言う。
我輩が言えたことではないのだが、本当に皆のことを考えてのことなのかが疑問である。
自分の息子のことながらよく解らない。
息子のことも理解していないとは、本当に親として失格であるな……。
もしも息子がかつての自分のように横暴に振る舞い、皆に迷惑がかかるような事態になるようであれば、親として子をいさめなければならぬであろう。
そのことだけは、貴族義務《ノブレス・オブリージュ》に誓ってやらなければなるまい。
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みなさんこんにちは。いつもお読み頂きありがとうございます。
このモノローグは本物語に登場する言葉の通じないキャラクターたちを一人称で語らせたもので、WEB版オリジナルとしてリライトしたものになります。
今回のお話は、バイエルン様がまともになっていく途中のお話となっております。
バイエルン様が変わっていく姿はコミカライズ版の見どころの一つとなってますので、良ければチェックしてみてください。
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