貴仁への聴取
高橋と野口は、綿密な捜査の結果、窃盗の被害者である陽子の夫瑛介が、T-RFIDの開発を担当していたことを突き止めた。瑛介が関与していたT-RFIDのプロジェクトは、高田重工業が開発していたことから、2人はますます関心を持つようになった。
高橋:「野口さん、これはただの偶然じゃないと思いませんか?」
野口:「うん、瑛介さんがT-RFIDの開発に関わっていたなんて…。何か関連性があるのかもしれないな。」
高橋:「そうですよね。じゃあ、もしかしたら瑛介さんの息子である貴仁さんも何か知っているかもしれません。」
野口:「そうだな。貴仁さんに話を聞く価値はあると思う。」
高橋と野口は、この奇妙な符合を解明するため、貴仁に事情聴取を行うことに決めた。
高橋と野口は電子研究部の部室で貴仁に話を聞いた。窃盗の状況や、T-RFIDの開発について知っていることを尋ねた。
高橋:「貴仁さん、この窃盗事件について何か心当たりはありますか?」
貴仁:「いえ、特に何も…。ただ、父がT-RFIDの開発に関わっていたことは知っています。」
野口:「そうですか。それについて詳しく教えてもらえますか?」
貴仁は瑛介がT-RFIDの開発に携わっていたことについて話し始めたが、その時、高橋の目に解析中の石が映り込んだ。
高橋:「あの石、何ですか?」
貴仁:「ああ、これは父が遺した石なんです。何か特別なものだと思って調べているんですが…」
野口:「ほんとうに特別なものなんですか?」
貴仁:「うーん、まだはっきりとはわからないんですが、何か意味があると思っています。」
高橋と野口は、石にも興味を持ち始めた。この石が事件と関連があるかもしれないという可能性を考え、2人は貴仁に石の詳細や調査状況についても聞くことにした。
高橋と野口は貴仁への事情聴取の結果について話し合った。
高橋:「石のこと、正直言ってちょっと信じがたいですよね。」
野口:「確かに、最初はそう思いました。でも、石とT-RFIDの開発、瑛介さんの関係性は無視できません。ただ、1億年前の石に聞くより、さしあたっては瑛介さんがT-RFIDの開発に関わっていたことが気になります。貴仁くんの近況をもう少し詳しく調べてみる必要がありそうだ。」
高橋:「じゃあ、貴仁くんのこれまでとこれからの行動に注目していく必要があるってことですね。」