取りあえず全員ぶち抜いてみました
パァン!と、いきなり王城に銃声が響き渡った。ドレスのサイドと膝を裂いて股にあるホルスターから銃がなくなっていた。そうです、私が犯人です。悪女と黒幕の宰相にそそのかされてどこぞの馬の骨と結婚すると言い出したから、もう我慢しなくていいと思い愛銃で悪女、えーと名前……マリス・ドゥードリアの四肢の関節と自慢のお顔に魔力で錬成した弾丸をぶち込んだ。
「ぎゃあああああ!」
「誰か!誰か!衛兵を呼べ!」
「私を守った者には奴隷1ダースくれてやる!」
場が混乱したけど知りません。全部悪事の対価なのですから。それにしても、ああ!銃声と断末魔のアンサンブル!なんと素敵なのでしょう!衛兵の堅い鎧も魔銃の前では、紙同然です。逃げようとした駄王子の関節にも銃弾をくれてやりました。うるさいので骨折でも折って黙らせましょうか。
城の異変に気づいたのか、飛龍に乗った騎士団がやってきた。私ことシャーロット・ヴォン・バークレットお抱えの護衛騎士がやってきた。目の前に広がる死ぬ寸前の人間の山を見てうっとりしている私を見て「お嬢様、またやらかしたのですね」と頭を抱えておられました。
──翌日。
「私、婚約破棄されたので隠遁生活に入ろうかと。今まで育ててくださりありがとうございました」
両親に挨拶して飛龍を一匹拝借して、家を後にしました。このとき私はまだ、この国の惨状を知るよしもありませんでした。