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491 特訓の成果?

『ワハハハハハ!』ぶんっ
『すげえな!』ぶんぶんっ
『俺たちこんな怪力だったんだな!』ぶおおんっ
『『『ワハハハハハ!』』』

『あははははは!』しゅっ
『すごいね!』しゅしゅっ
『私らこんなに器用だったんだね!』しゅばばっ
『『『あははははは!』』』

ただいまハイテンションのドワーフさんたち。
旦那さんたちは、お外で巨大な丸太をぶんぶんぶん回し、奥さんたちは、高速で前におばあちゃんが話した猫ちぐらを編んでます。
はっきり言って、回りはドン引きしてます。

最初は
みゃあ『ココロのかにゃ?』るん♪
『ニャーニャのかにゃ?』るんるん♪
と、喜んでいたケット・シーコンビも
みゃあ『ねぇね、ココロあんなにいらないにゃ』
『同感にゃ』
どんどん量産される猫ちぐらにケット・シーコンビも結局ドン引き。

いったいドワーフさんたちに何があったかと言うと···


『おお、体中隅々まで熱を感じるぞ』
『体の中の魔力を意識するなんて考えたこと無かったな』
『今まで感覚で使ってたからな』
『『『なんて勿体ないことしてたんだ。俺らは···』』』がくっ

『落ち込んでる場合かい』
『そうだよ。上手くなれば外からも魔素を取り込めるってこったろ?』
『魔神様直々に教えてもらえる機会なんざあるもんじゃないよ』
『『『しっかりものにすんだよ!』』』

ジーニ様指導の元、魔法の練習を始めたドワーフさんたち。
初めての感覚に、今までなんでもっと魔力の使い方を意識してこなかったのかと、落ち込む旦那さんたちに対し、ジーニ様に教われること自体が奇跡なんだから、しっかり自分のモノにするんだと、叱りつける奥さんたち。
奥さんたちは逞しいです。

〖ふふ。さすが見所があるわね〗

ジーニ様もやる気のある生徒さんたちで嬉しそうです。

『ふむ。やはり、火や土の魔力と相性がいいようだな』
『そうですね。先程から火や土の妖精が応援してますからね』
アルコン様とギン様の視線の先を見ると

『『『『フレーフレー!』』』』
『『『『がんばれがんばれー!』』』』
『『『『『わーっ』』』』』わさわさわさわさ~
妖精さんたちがみんなで応援してます。ボンボン持って。おばあちゃん、また仕込みましたね?

『あらあらまあまあ、だってね?つい?おほほほ』

火の妖精さんたちは、鍛冶をするドワーフさんたちとは昔から仲がいいんだって。土の妖精さんも鉱石を使うから仲がいいもんね。

〖あら、窓の外、光の妖精もちらほら覗いてますね〗
シア様が窓を指差すと、ヒュンッて引っ込んじゃいました。あっ、また目のとこまでピョコッて出ました。

〖気になるんでしょうね。ということは、やっぱり、光とも相性がいいのね〗
ジーニ様がそう言って、ん~って何やら考え込んでるみたいです。

そして、魔力を体中に巡らすことを覚えたドワーフさんたち

『『『ワハハハハハハ!』』』
ぶおんぶおんぶおんっ
『『『あはははははは!』』』
しゅしゅしゅしゅしゅっ

ちょっと怖いです。
『ちょっとかな~?』
ごめんなさい。かなり怖いです。

『ハッスル?』
『あらあらまあまあ、ゲンさん古いわよ?それ』
『ぷっ。死語』
『うぐっ』
おばあちゃんとミアちゃんに突っ込まれるおいちゃんです。

「ふお~」
すごいね~。あの丸太、ドワーフさんたちの三倍くらい大きいよね?太さも腕が回らないくらい太いよね?
猫ちぐら、どっかに寄付でもするつもりなのかな?お山が出来てるよ?

〖ねえ、シア?なぜ、身体強化に魔力全振りなのかしら?〗
〖さあ?やはり筋肉自慢だからでしょうか?〗
ジーニ様とシア様が複雑なお顔です。
ドワーフさんたち、魔力を循環させると力がむくむく膨れ上がって、しかも体が軽くなったことに気がついたんだって。これなら長時間火に向かえるっ!長時間作業できる!と、張り切っちゃったドワーフさんたち。それで何故か今、身体強化に魔力を全部注いじゃってるんだって。

〖お母様、あれは有り余る体力を発散してるのでしょうか?〗
〖さあ?あの一部を違う使い方をしようとは思わないのかしらね?付与魔法とか〗
シア様とジーニ様がため息混じりに話していると
〖武神と鍛治神と同じ匂いを感じますね。筋肉イコール脳筋なのでしょうか〗ぬっ

〖〖ひゃあっ?〗〗

〖おや、どうしましたか?〗にや
〖い、医神っ驚かさないでよ〗どきどき
〖お、お説教は終わったのですか?〗ばくばく
結葉様をお説教してたはずのエル様が突然現れました。

〖ふふ。そうですね。ひとまずは、でしょうか。何しろ今何を言っても聞いてないと思いますしね〗
〖〖え?あ~〗〗

ぷしゅー『······』

『お母様、何を寝てますの?』
『起きてくださいな。お母様』
『『お話はまだでしてよ』』
『ご主人、リノさま、これ、生きてるにゃ?』ツンツン

ぷしゅー『······』

結葉様、燃え尽きたようです。ニャーニャにツンツンされてます。でも、ニャーニャにゃん、結葉様を『これ』って、大丈夫?


〖あれは聞いてないんじゃなくて〗
〖聞こえてないの間違いじゃ?〗
ジト目でエル様を見る女神様たち。でも
〖ふふ。さあ、どうですかね?〗
エル様はどこ吹く風

〖それで?魔神、何か考えついたのではないですか?〗
エル様が考え込むジーニ様を見て、言います。

〖そうねぇ~。ちょっと思いついたことはあるんだけど〗
う~んってジーニ様がうなってます。
〖あら、何を思いついたのですか?もったいつけないで教えてください〗
シア様がジーニ様に聞きます。

〖ん~、妖精か精霊との契約はどうかと思ってね〗
〖あら、いいのではありませんか?〗
〖う~ん、そうだけど、違うのよ。ただの契約じゃなくて···〗
歯切れの悪いジーニ様に
〖ふむ。ただの契約じゃないのでしたら、複数契約、でしょうか?〗
エル様が顎を触りながら言います。

〖そうよ。どうやらドワーフたちは妖精にかなり好かれてるようだし、魔力量も高いし可能なんじゃないかと思って。親方達を前から見ていて考えてはいたんだけど、今日、新たなドワーフたちを見て改めてね〗
どうやらジーニ様は妖精たちに好かれ、魔力も申し分ないドワーフさん達なら、複数の妖精さんたちと契約も可能なんじゃないかと前から思ってたらしいです。
今回、息子さんたちも同じ感じだから、これからのことを考えると、契約を試してもいいのではないかと考えたようです。
契約すると、妖精さんたちの力を今よりたくさん借りることが出来るんだって。

〖ふむ。良いのではないですか?〗
〖そうですね。好かれているのは確かですしね〗
ジーニ様の案にエル様もシア様も賛成みたいです。

〖問題は、人選よね〗
〖ああ、妖精か精霊かですか?〗
〖あと、どこから選ぶか、ですかね〗
う~んと悩んでいたら

『あらぁ、そんなの簡単じゃなぁい?』

〖〖〖は?〗〗〗

突然沸いた

〖〖〖結葉!?〗〗〗

そう。燃え尽きていたはずの結葉様です。

『『お母様!?』』
『反省はどうしたにゃ!?』

いつの間にかアイナ様たちの目を盗んでこっちに来たらしいです。アイナ様とリノ様とニャーニャにゃんが慌ててこっちに来ます。

〖結葉、言いたいことは色々あるけど、今はまあ置いとくとして、簡単ってどういうこと?〗
ジーニ様が、結葉を若干睨みながら聞くと

『え~?だからね?本人たちに聞けばいいのよ~』うふふ

〖〖〖はい?〗〗〗

あっけらかんと簡単に言う結葉様にみんなが呆気に取られるのでした。

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