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489 名付けが完了して?

「ふぎゃーっ」ごろんごろん
『『『『『うわ~んっ』』』』』ごろごろごろ
きゅるるん『『『『『『『おめめが~っ』』』』』』』
目を抑えてゴロゴロ転がるサーヤとちびっ子たち。
きゅるる『みんなしっかり!』

もぐらさんである、ぽぽちゃん、つくしちゃん、なずなちゃんに至っては

『『『⋯⋯』』』きゅ~う

『ぽぽーっしっかり!』
『つくしちゃんっ』
『なずなちゃんっ』
『ゲンさん、凛さんっどうしましょう!?』
『どうしようって言ったってなぁ』ぽりぽり
『あらあらまあまあ、親方たちにぽぽちゃんたち用にゴーグルでも作ってもらった方がいいかしら?』

光に弱いもぐらさんのぽぽちゃん兄弟は、光に驚いて完全に気を失ってしまいました。フゥ、クゥに山桜桃と春陽が慌てて駆け寄って起こしますが起きません。春陽に助けを求められたおいちゃんとおばあちゃんも、お手上げです。

『あらぁ?どうしたのかしらぁ?』
結葉様、どうしたのではないです。誰のせいだと?

〖結葉っ!この、おばかっ!〗
スパーンっ
〖少しは考えなさいっ〗
スパーンっ

『いやぁん、いた~い、なぁに?それぇ?』
頭と肩をさすさすしながら、結葉がジーニ様とシア様を見ると、二人は見た事の無いものを持って立っていました。
手にパシパシそれを打ち付けながら。

〖痛いわけないでしょ?これは金剛たちに特別に作ってもらった、結葉用のハリセンよ!〗ババンっ
〖ゲンと凛に結葉用に何かお仕置グッズないか聞いたら、このハリセンを教えてくれたのよ〗ババンっ
ジーニ様とシア様親子が、お揃いの大きなハリセンを結葉様に突きつける。

『え~?私用~?なんでわざわざぁ?』
不満たらたらな結葉様

〖あんたが懲りずに毎回毎回何かやらかすからでしょう!〗
〖そうですよ!だから、サーヤたちに、こういうことをしてたら、こうなっちゃうわよ!と、分かりやすくするためのハリセンよ!〗

『え~?なんだか酷いわぁ』

〖〖ひどくない!〗〗
〖だいたい、痛いわけないのよ。言ったでしょ?特注品よ。これ!〗
〖痛みは感じないようにしてありますからね。その代わりスパーンっと派手な音がするようにしてあるのです〗
〖これだけ派手な音がしたらみんなが注目するでしょ?〗
〖これだけの人数に注目されたら、多少恥ずかしさを感じるでしょ?〗

『え~?』
首を傾げる結葉様

〖くっ効いてないわ〗ガクッ
〖せっかく作ってもらったのに〗ずーん
〖やっぱり少しは痛みがないとダメだったしら?〗
〖そうですね。作り直してもらいますか?〗
全く効き目がない結葉様に、頭を抱える女神様お二人。

〖だから言ったでしょう。それでは甘いと〗
ピシイっ
『あらぁ?』
しゅるしゅるっ
『あらあらぁ?』
きゅっ

『そうですわ。お母様にはそれではダメですわ』
『そうですわね。お母様にはやはりお話が必要ですわ』
『エル様も快くお手伝いして下さるそうにゃ。ありがたいにゃ』
〖ふふ。結葉とはじっくりお話ししなくてはなりませんからね。私もこちらを作って頂いて良かったですよ〗きゅっ

『いや~ん』くねくね

『『いやーんじゃありませんわ!』』
『ないにゃ!』
『『そこにお直りなさいませ!』』
『じっくりお話するにゃ!』
〖ふふふ。楽しみですね〗きゅっ

『いやーんっ』ふるふる
結葉様、お説教コースご案内。

〖ま、まあ、後は任せて大丈夫そうね〗ひくっ
〖そ、そうですね〗ひくっ
女神様たち、ひきつりながら撤退

『な、なあ、あの鞭も親方が?』
『ああ。素材はエル様の持ち込みだ』
そう。エル様が使っているのは、鞭。結葉様は今、エル様の鞭でクルクルにされて正座させられている。
リノ様のぐるぐる巻き姿よりかずっとマシだが。顔は見えてるし···

『ちなみに、素材は?』
『···恐れ多くも、神竜様の髭と、天界樹様の枝だそうだ。手どころか全身震えたぞ』
『···そうか』
結葉様の為になんちゅう素材を···

『あんた、それより息子たちをごらんよ』
『んあ?うお?こりゃまた』
『懐かしい姿になったもんだよね』うんうん

おかみさんに促されて見た新生ドワーフさんたちは・・・

『私らより若いね』ちっ
『そうだね。二十代前半な感じだね』ちっ
『まあまあ、私らより年上に見えたらそれはそれで問題だよ』ちっ

『おかみさんたち!舌打ち聞こえてるよ!?』
『私らだって驚いてるんだからね?』
『最後セリフと顔が合ってないからね!?』
おかみさんたち、若返った嫁たちに舌打ち・・・

『ふん。ジャリに戻ったな』ふんっ
『前の方が貫禄あったんじゃないか?』ふんっ
『まあ、まだガキ共にわしらの様な貫禄を求めるのは酷ってやつだろ』ふんっ

『何だよ!そりゃっ』
『ひがみだな?ひがみだよな?』
『俺たちの方が若いからって!』
ふんっと鼻であしらう親方たち⋯

『あらあらまあまあ、これはまた随分若返ったわねぇ。ゲンさんくらいかしら?』
『そうだな。仲間が出来たみたいだな。ワハハ!』

『あらあらまあまあ、私なんてくまの編みぐるみなのに。いいわねぇ、お肌もつるつるで。若返りを実感できるなんて羨ましいこと。私なんて可愛い編みぐるみだけど。うふふ』ひゅお~

『『『ひっ』』』ぞわっ
『『『な、なんだ?』』』ぞくぅっ

『り、凛さん、落ち着いてっ』
『そ、そうだよ。凛さんは可愛くていいじゃないか』
『ほ、ほら、サーヤちゃんにも抱っこできるし』

ただならぬ冷気を放つおばあちゃんを、必死でフォローするおかみさん達。

『そ、それによ、天界の凛さんも若返ってるんだろ?』
『な、なら大丈夫だよな』
『あ、ああ。だってサーヤが誰もが振り返るほどの美人だって褒めてたもんな?』

親方たちもとばっちりを恐れて必死!

『まあ、そうね?』ころっ

ずっ⋯
『凛さん⋯』
あまりに呆気なく機嫌を直したおばあちゃんにみんな拍子抜け⋯おいちゃんに至っては呆れ返ってます。

『まあまあ、それで、体調の方はどうかの?』
『見た目以外で変わったところはないかのぉ?』
じぃじと亀じぃがみんなを正気に戻した。

〖そうね。見た感じ制御は出来てるみたいよね?〗
〖皆さん、どうですか?〗
ジーニ様とシア様が新生ドワーフさんに聞くと

まずは指さしで適当に決められてしまった第一号、親方の息子さん、天河さん
『大丈夫だ。なんか力が有り余ってる気がするが』
『俺も似たようなもんかな。なんか肩こりとか腰痛が楽になったような』
第二号は、その従兄弟の天青さん
『俺も今なら何でも作れそうな気がする』
第三号は幼なじみさんの天藍さん。

『なんか、私も体が楽になった気がするね?』
第四号は天河さんの奥さん、藍さん
『うん。なんか視界もハッキリしたような?』
第五号は天青さんの奥さん、蒼さん。
『そうだね。今ならどんなに細かい作業になっても作れそうだ 』
第六号、天藍の奥さんの碧さん。

皆さん体が楽になったようです。

『しかし、お前ら若返ったな』
『お前こそ。シワがねぇぞ』
『俺ら知らない内にけっこう老けてたんだな』
ドワーフさんたち、お互いの顔をぺたぺた

『やだよ、あんた何だい?肌白くなってないかい?』
『白いっていうよりか、ツヤが出たんじゃないかい?ハリも?』

ピクピクっ

『ねえ、服のサイズ変わってないかい?胸とお尻の辺りはキツイ気がすんだけどさ』
『『あっ、ウエストが緩い?』』
『だよね?』

ピクピクっ

奥様たちは気づいていません。今の会話が恐ろしい何かの琴線に触れてしまったことに。

『とりあえず、鏡見てみようよ』
『そうだね。まだ自分の顔見てないしね』
『そうだね。確かあの辺に姿見が⋯あっ、あったあった』

ドワーフさんたちの工房には、もちろんこの世界ではまだ珍しい全身を映せる姿見が

その鏡に映し出された自分を見た瞬間

『『『ギャーっ』』』
悲鳴を上げた奥様たち、みんなが気絶する!?と、思ったら

『服!服作らないと!』
『こんな地味なの耐えられないよ!』
『サイズが!サイズが合ってない!布!糸!針~っ!』
鏡を見ながら叫び出した!

『『『は?』』』
唖然とする周り。そして

『〖·····〗』ぷるぷるぷる
無言で震える二人

『り、凛さん?落ち着いて』
〖そ、そうですわよ?お母様も落ち着きましょう〗
言いながら距離をとるゲンとシア様

『あんた!あんたも見てご覧よ!』
『んあ?うお!?服がはち切れる!?』
『あんたらもだよ!ほら!』
『うお!?太ももがキツくて歩きにくい!?』
『腕が上がらない!?うお!シャツのボタンがどっか飛んでった!?』
『ぎゃーっあんたら!前言撤回だよ!動くんじゃないよ!こんな所で裸になるんじゃないよ!』
たちまち大騒ぎ!

『私らだって下着のサイズから変わってるよ!?』
『どうするよ!?』
『おかみさん!とりあえずこいつらに被せる布ないかい!?』
『『『おおお?服が裂けていくぅ?』』』
旦那さんたち、強制ストリップショー?

『ああ?ちょっと待ちな!』
『なんてこったい!まだサーヤちゃんの服作りの最中だってのに』
『あんた!とりあえず、あんたらの服貸しておやりよ!』
おかみさんたちも強制参戦!もちろん親方たちも

『お、おう!』
『動くなよ!お前ら!ちびっ子に悪影響与えるようなことすんなよ!?』
『ん?り、凛さん?ジーニ様?』

騒がしかった皆が動きを止めて・・・

『うふ、うふふ・・・あらあらまあまあ?聞いたかしら?ジーニ様?』にこにこ
〖しっかり聞いたわ、凛。お肌だけじゃないんですって・・・うふふ〗にこにこ

ごくっ・・・息すら止める皆さん

『うふふ、そりゃあ、それだけ若返ればスリーサイズだって』にこにこごごご
〖服どころか下着だって変わるわよね・・・うふふ〗にこにこごごご

不気味なオーラを放つ凛さんとジーニ様が・・・

『い、いや、ほら』
『お、俺たちはさ』
『と、とにかくよ』
『『『服取ってくるわっ』』』
ダダダダっ

『わ、私らも』
『こいつらに被せる布』
『でかい布どこだっけね』
『『『あっちだったかねーっ』』』
ダダダダっ
親方たちとおかみさんたち逃げた!

『うふ、うふふ・・・』
〖ふふ、ふふふ・・・〗

『り、凛さん落ち着こう・・・な?』
〖お、お母様も冷静に・・・〗
ものすごく遠くから聞こえる声・・・とっくに逃げてたな。

『うふふ、どうせ私はペッタンコよおおおっ!』どーんっ
〖私だって若返りたいわーっ!〗どーんっ
とうとう爆発した!

『『『『『『ぎゃーっ!』』』』』』
あっ、逃げ遅れたドワーフさんたち巻き込まれた


その頃ちびっ子たちは
「み、みんにゃ、ち、ちんだふりでしゅよ・・・」
ぴゅいきゅい『『ちんだふりちんだふり・・・』』
『し~~っ静かに~』
『ぼくは息してない』
『ぼくも息してない』
『『『·····ぅぐ』』』
みゃあ『いきはしなきゃダメにゃ』
『こっそりするのだ』
きゅるるん『『『こわいよ~』』』
きゅるるん『『『『おかあさ~ん』』』』
きゅるる『しいっ空気になるのよ』

『『『·····』』』きゅう
『ほんとに気絶してる』
『ぽぽたちが羨ましいな』
『『はい』』
みんなで息を殺して終わるのを待ってました。

がくぶるがくぶる···

しおり